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関西医科大学附属病院[乾癬治療最前線~患者とともに歩む~]

2018年4月24日登載/2018年04月作成

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  • ●病院長:澤田 敏 氏
  • ●創設:2006年
  • ●病床数:751床
  • ●所在地:大阪府枚方市新町2-3-1

多科連携のコーディネーター役を担い
患者の全身管理にも積極的にかかわる

関西医科大学附属病院の皮膚科は、大阪府の北東部に位置する北河内医療圏の基幹病院としてすべての皮膚疾患に対応し、最新の治療を提供する。また、難治性皮膚疾患に対する光線療法では国内有数の施設としても知られる。さらにサルコイドーシスをはじめ、強皮症、アレルギー疾患、乾癬など全身や内臓病変とも密接にかかわる皮膚疾患を得意とし、近年は全身管理の観点から多科連携にも意欲的に取り組んでいる。

1. 地域における皮膚科の役割 北河内医療圏の基幹病院として
あらゆる皮膚疾患に対応

2006年1月、関西医科大学附属病院は大学のキャンパスを移転させる計画と連動する形で大阪府枚方市に関西医科大学附属枚方病院という名称で開院。2016年4月に本院機能を担うことになり、「附属枚方病院」から現在の名称に変更された。系列の医療機関には関西医科大学総合医療センター(守口市)、関西医科大学香里病院(寝屋川市)、関西医科大学くずは病院(枚方市)、天満橋総合クリニック(大阪市)があり、それぞれ地域の特性に応じた医療を展開している。

「特定機能病院」の指定を受ける同大学病院は、大阪府北河内医療圏の基幹病院として高度・先進医療を提供する。加えて「地域がん診療連携拠点病院」「高度救命救急センター」「大阪府災害拠点病院」などの指定も受けており、多様な診療ニーズに対応している。

教授(診療部長)の岡本祐之氏が率いる皮膚科では、炎症性疾患から感染症、皮膚腫瘍まで幅広く診療を行っている。「私たちの診療圏である北河内医療圏には規模の大きい市中病院がないため、市中病院で診るような一般的な皮膚疾患についても対応しています」と岡本氏は説明する。また、系列の医療機関とも連携を図り、皮膚悪性腫瘍については関西医科大学総合医療センターに患者を集約して専門性の高い治療に取り組んでいる。

さらに岡本氏は同科の特色として「難治性炎症性疾患の治療を得意とし、光線療法では国内屈指の施設として知られている」ことを挙げる。外来では、有効性が高く副作用が少ないといわれる「ナローバンドUVB療法(narrow band UVB:中波紫外線療法)」や「エキシマライト療法」を中心に行い、より難治性の高い疾患や皮膚悪性リンパ腫に対しては入院によるPUVA療法(psoralen-ultraviolet A)を実施している。「対象となる皮膚疾患は尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、菌状息肉症、強皮症、環状肉芽腫、円形脱毛症、皮膚そう痒症と幅広く、1日数十人の難治性疾患の患者さんに光線療法を行い、良好な成績を得ています」と岡本氏は説明する。

岡本 祐之
皮膚科 教授

「難治性炎症性疾患の治療に高い効果が期待される光線療法についても引き続き研究に取り組み、その治療法を確立させていきたい」

外来では「narrow band UVB療法(左写真)」や「エキシマライト療法(右写真)」を中心に1日数十人の難治性疾患に光線療法を実施し、良好な成績を得る。

2. サルコイドーシス 病変組織を採取しやすい皮膚科の
利点を生かし確定診断に貢献する

一方、岡本氏は厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されているサルコイドーシス(類上皮細胞肉芽腫ができる全身疾患で、皮膚に発症する頻度は約20%)の専門家としてもよく知られる。「日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会」の専門医に登録される皮膚科医は全国で数名しかおらず、岡本氏のもとには各地の医療機関からの紹介患者が大勢やってくる。現在、定期的に通院する患者は約80人に上る。

岡本氏が、サルコイドーシスの診療において重点を置いていることが2つあり、まず1つは「診断」である。サルコイドーシスの確定診断を行う場合、組織診断が必須だが、症状がよく出現する眼、肺、心臓などの臓器から組織を採取して調べるのは患者にも医療者にも負担が大きい。そのため臨床診断に留まる患者も少なくない。しかし、適切な治療を行うためには確定診断が不可欠だ。「皮膚には他の臓器より組織を採取しやすいという大きなメリットがあります。確定診断に貢献することが皮膚科の大事な役割であると考えています」(岡本氏)。

そして、岡本氏は「経過観察」にも重点を置く。多様な症状を呈するサルコイドーシスには経過とともに症状の出現する臓器が移り変わる特徴がある。岡本氏は確定診断がついた患者にはガリウムシンチグラフィで全身チェックを行い、どの臓器に病変があるのかを確認する。「最も注意しなければならないのが心臓です。突然死の原因になるものの予見することが難しいため、症状がなくても定期的に心電図をとるなど経過観察を怠らないことが大切です」と岡本氏は強調する。

また、サルコイドーシスの症状が皮膚に出現した場合、顔に出ることが多く、美容上の悩みを抱えた患者のQOLは著しく低下する。「副腎皮質ホルモンの一種であるステロイド内服薬がよく効くので、積極的に使用しています。サルコイドーシスの治療に関して、他の医療機関で困っておられる患者さんに対応しています」と岡本氏は語る。

3. 強皮症 内臓病変の重症化が予測される段階で
タイミングを逃さず多科と連携する

大学病院の皮膚科として同科では、サルコイドーシスのような難病と称される疾患の治療に取り組んでいる。なかでも内臓病変を伴う全身性強皮症は、循環器内科やリウマチ・膠原病科と緊密に連携しながら診療にあたっている。強皮症を専門とする講師の植田郁子氏によると、連携のタイミングは病状の進行によって異なるそうだ。なかには10年以上レイノー現象(冷感および皮膚色の変化)が続いた後に内臓病変が現れる患者もいる。「いずれにせよ、進行性の病気であるのと生命予後には内臓病変が影響を及ぼすため、重症化が予測される段階でタイミングを逃さず循環器内科やリウマチ・膠原病科に紹介することが重要です」と植田氏は示唆する。

つまり、皮膚症状だけが長く続いても経過観察を怠らないことが肝心で、内臓病変は見た目で判断することができないので、定期的に検査を行い、全身スクリーニングを行うことも欠かせない。「特に肺高血圧症は短期間で悪化することがあり、初期のうちから循環器内科やリウマチ・膠原病科に相談しています」(植田氏)。

こうして肺高血圧症の治療から始まった連携がベースとなり、現在3診療科合同で月1回「膠原病カンファレンス」を開催している。「それぞれの診療科で抱える難治症例を中心に治療方針や治療法について検討しています。このような関係性を築いたことにより日常診療においても困ったことがあると相談し合えるようになりました」と植田氏は多科連携の効果について語る。

皮膚科だけでは強皮症をサポートしきれないため、植田氏は「他科と協力しながら、その患者さんに最もよい治療法を提供することを診療の目標にしています。これは必要な診療科が揃っている大学病院だからこそ可能なことだと思っています」と話す。今後は3診療科以外の診療科との連携をさらに拡大し、多様な症状が出現する強皮症に適切に対応していきたいと考えている。

植田 郁子
皮膚科 講師

「膠原病カンファレンスを始めて5~6年になるが、お互いにメリットがあると実感しているので続いていると思う。日常診療を通して他科にも広げていきたい」

4. アレルギー疾患 アレルギー拠点病院の指定を目指し多科連携と多職種連携が大きく前進

また、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患においても多科連携が進展している。「当院がアレルギー疾患対策基本法に基づくアレルギー疾患医療の拠点病院への指定を目指したことがきっかけになりました」と免疫・アレルギー疾患を専門とする准教授の神戸直智氏は説明する。光アレルギー治療で高い実績を積んできた同科に加え、耳鼻咽喉科や小児科も花粉症や食物アレルギーを得意とし、同大学病院にはアレルギー疾患に強いという伝統がある。

「この強みを生かして多科連携で横断的に診療する体制を目指し、アレルギー疾患のセンター化を行いました」(神戸氏)。その取り組みは始まったばかりだが、日常診療がよりスムーズになるなどの効果が現われている。「他科のコンサルテーションを受けたほうがよいと判断した場合、以前よりも迅速に対応できるようになりました」と神戸氏は一例を挙げる。また、3カ月に1回の頻度で関連する診療科が集まり意見交換する場も設けられ、顔が見える関係づくりは一層進んでいる。神戸氏によると合同勉強会や市民公開講座を開催する予定もあるそうだ(2018年2月に市民公開講座を実施)。

「アレルギー疾患は上手にコントロールして付き合っていく病気なので、患者さんのセルフケア能力を高めることが肝心です」と神戸氏は言う。例えば難治化しやすいアトピー性皮膚炎もステロイド外用薬を怖がらずに適量をしっかり使うと多くの患者は改善する。ただし、このような効果を得るには薬剤の機序や副作用について患者に納得してもらえるよう丁寧に説明し、実際の使用量を具体的に提示しながら正しい塗り方を指導することが欠かせない。「この一連のサポートを外来診療中に医師だけで行うことには限界があります」と神戸氏は指摘する。重症化させないアレルギー診療を実現するために、神戸氏はアレルギー治療チームの一員として看護師や薬局薬剤師を巻き込んでいくことを考えており、その第一歩としてメディカルスタッフが参加できる勉強会を計画していることを明かす(2017年にスキンケア講習会を実施)。「当院だけでなく、この地域全体に科学的根拠に基づいた治療方針を普及させ、どこの医療機関を受診しても同レベルの治療が受けられるようになることを最終ゴールとして設定しています。なぜなら、それがアレルギー疾患医療の拠点病院の使命だと考えるからです」(神戸氏)。よりよい治療とケアを目指し、多科連携は今、多職種連携へと広がり始めている。

神戸 直智
皮膚科 准教授

「アトピー性皮膚炎をこじらせてしまう患者さんを減らすため、市民にも正しい情報を伝え、重症化する前に治療することを目指したい」

5. 乾癬治療の実際 致命的な合併症である心血管病変を
早期発見し生命予後を延伸させる

同科は乾癬治療も得意とし、なかでも生物学的製剤治療においては国内トップクラスの実績を誇る。乾癬を専門とする病院准教授の山崎文和氏は「当科に通院する400~500人の患者さんのうち、約半数に生物学的製剤を使用しています。従来の薬剤と比較して奏効率が7~9割と圧倒的に高いので、単に治療の選択肢が増えたということだけでなく、患者さんのQOLを著しく向上させ、日常生活を取り戻すことに大きく貢献しています」と生物学的製剤のメリットを語る。また、免疫抑制剤のように肝臓や腎臓に対する負担が少ないため、結核や肝炎などの感染症に注意すれば比較的安全性も高く、山崎氏には使いやすい薬という印象もある。

一方、乾癬には関節症状をはじめ皮膚症状以外の合併症も多くみられるが、生物学的製剤の登場により新たに注意しなければならない疾患もわかってきた。それは狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患だ。「イギリスで生物学的製剤を使用する乾癬患者を追跡調査したところ、心血管疾患が減少し生存が延伸したという報告が出たのです。以前から心血管疾患を併発する乾癬患者が多いことは知られていましたが、これにより乾癬による炎症が体内のサイトカインを増やし心血管病変を引き起こしていることが明らかになりました」と山崎氏は説明する。

同科でも循環器内科と共同で調べてみると乾癬患者の心血管疾患の有病率が高いことがわかり、なかでも乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、関節症性乾癬の患者に多くみられた。そこで、関節症状を併発するなどリスクが高い患者を積極的に拾い出し、患者が希望する場合は循環器内科での精密検査を行っている。「心血管病変が見つかり、予防的治療を開始した人が結構います。皮膚症状に限ると乾癬は治る病気になってきたものの、致命的な内臓病変も引き起こすため、これからはより一層全身管理の観点から乾癬を治療していくことが求められます」と山崎氏は示唆する。同科では循環器内科をはじめ、リウマチ・膠原病科、呼吸器・感染症内科、消化器内科、整形外科、眼科の6診療科と連携し、乾癬の合併症に迅速に対応できる診療体制を構築する。

「皮膚症状のスコアの悪い人が合併症のリスクも高いといえないのが悩ましいところです。だからこそ、少しでも早く関節症状や心血管病変のスクリーニング指標を確定していきたいと考えています」と山崎氏は今後の課題を語る。それは乾癬治療の最先端をゆくパイオニアとしての使命でもある。

  *  *  *

最後に同科を率いる教授の岡本氏は「皮膚病は一般的に考えられているよりも奥が深く、サルコイドーシス、強皮症、アレルギー疾患、乾癬といずれの疾患においても内臓病変と密接に関係しています。すなわち、皮膚科は多科連携においてコーディネーターの役割を担うことができる診療科であり、これからも医局員が一丸となって患者さんの全身管理に積極的にかかわり、生命予後の延伸に貢献していきます」と力強く語って締め括った。

山崎 文和
皮膚科 病院准教授

「乾癬は治せる時代になってきたので、患者さんのQOL向上を重視し、その人が最も望んでいる生活が実現できるよう治療も選択していくことが大事」

KK-18-04-21911

乾癬治療最前線

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