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独立行政法人労働者健康安全機構 東北労災病院
[乾癬治療最前線~患者とともに歩む~]

2019年11月15日登載/2019年11月作成

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  • ●院長:徳村 弘実 先生
  • ●開設:1954年
  • ●所在地:宮城県仙台市青葉区台原4-3-21

治療費や投与方法など患者の要望を反映し
治療を継続しやすい環境づくりに力を入れる

以前から紫外線療法に定評のあった東北労災病院の皮膚科では、乾癬の治療にも積極的に取り組んできた。生物学的製剤が乾癬治療で保険適用になると、いち早く導入し、この地域の患者に最先端の治療を提供した。また、生物学的製剤の選択には治療費や投与方法など患者の要望も反映させ、治療を継続しやすい環境づくりにも力を入れている。

1. 施設の特徴 労災病院群の中核施設として
臨床研究活動にも参加

東北労災病院は、1954年の開院以来、仙台北部地域の中核病院として地域に密着した医療活動を展開するとともに、北海道・東北地区における労災病院群の中核施設としての役割も果たしてきた。

近年は、地域がん診療連携拠点病院としてがん医療の充実に注力し、診断や治療だけでなく、勤労者の療養環境を守る視点から職場復帰に対するサポート体制(治療就労両立支援)の整備などにも乗り出している。同時に地域包括ケア病棟を新設し、地域診療所との医療連携を深め、在宅復帰支援を推し進めている。

皮膚科においても地域の中核病院としての役割を担うべく、病床を確保し、入院治療にも積極的に対応している。「体を動かすことのできない脊損患者さんは褥瘡や蜂窩織炎を起こしやすく、当院では近隣に、脊損患者をケアする宮城労災特別介護施設(ケアプラザ富谷)と連携していることから、そうした患者さんの治療にあたることも多いです」と谷田宗男皮膚科部長は説明する。また、同科では、勤労者(がん患者を含む)健康のサポート(治療と就労の両立など)を行っていることも特色の一つだ。

一方、全国の34病院を束ねる独立行政法人労働者健康安全機構では2004年から2013年までの10年間、労災疾病をはじめ13分野の勤労者の健康課題を抽出し、複数の労災病院群で共同臨床研究に取り組むプロジェクトを実施。皮膚科は同プロジェクトの職業性皮膚炎の臨床研究に参加し、このときの研究成果をもとに「理・美容師の手あれ予防ガイドブック」を作成した。このガイドブックは現在も活用されており、同機構の普及サイトからダウンロードすることもできる。

谷田 宗男
皮膚科部長

独立行政法人労働者健康安全機構の労災疾病等医学研究に2期連続で参加し、その研究成果をもとに作成した「理・美容師の手あれ予防ガイドブック」。職業性皮膚炎の臨床研究に続き、九州労災病院を中心に行われた職業性皮膚疾患のデーターベースづくりにも分担研究者として加わる

2. 生物学的製剤導入のポイント 関節炎併発例では
整形外科と協議して治療薬を決定

さらに、皮膚科では日常診療として乾癬治療にも積極的に取り組んできた。2010年にはいち早く「生物学的製剤使用承認施設」となり、この地域の患者に最先端の乾癬治療を提供してきた。「当科ではもともと紫外線療法に力を入れていたことから乾癬の患者さんが多かったのです。その中で、生物学的製剤が保険適用になる前からこの薬剤による治療を切望されていた患者さんがいて、そのご要望に応えるような形で生物学的製剤の治療をスタートさせました」と谷田部長は振り返る。

当時、仙台市内で生物学的製剤による治療が行える医療機関は同病院と東北大学病院だけだったことから、近隣の医療機関から紹介されてくる乾癬患者はさらに増えた。現在、定期的に通院する乾癬患者は170~180名で、うち80名が生物学的製剤を使用する。

生物学的製剤の導入にあたっては、がんと感染症の既往歴に注意を払い、導入後も定期的にチェックを続ける。「紫外線療法を長期間行ってきた患者さんは、そうでない人に比べてがんのリスクに気をつける必要がありますし、B型肝炎もいつのまにか感染していた症例を経験してから、前の検査で陰性であっても安心はできないと考えるようになりました」と谷田部長は指摘する。

さらに、関節の状態は生物学的製剤の選択にもかかわるため、必ず確認し、痛みなどの自覚症状がある場合は整形外科やリウマチ科に乾癬性関節炎かどうかの診断を依頼している。「整形外科副部長の奥野洋史先生が乾癬性関節炎を専門にしているので、関節炎を併発している場合は二人で協議して治療に使う生物学的製剤を決定しています。数年前に奥野先生が当院に赴任されてから、以前にも増して専門性の高い治療を行えるようになったと感じています」と谷田部長は評価する。

紫外線療法では以前から定評があり、現在も乾癬やアトピー性皮膚炎の治療に積極的に活用する

皮膚科と整形外科の外来ブースは隣り合っており、普段から緊密に連携して乾癬患者の診療にあたる

3. 生物学的製剤実施のポイント 治療参画と継続を促すために
患者と十分に話し合う

また、生物学的製剤の選択にあたっては病状だけでなく、治療費や投与方法など患者のさまざまな要望も最大限に考慮する。この意図について谷田部長は「生物学的製剤には劇的な効果を期待できますが、どんなに優れた薬でも最終的に選択するのは患者さん自身です。そのために大切なのは患者さんに納得して選んでもらうこと。治療継続の観点からいっても患者さんの利便性を考えることは必要だと思います」と話す。

谷田部長によると、生物学的製剤による治療を始めた頃は、高額な費用に治療を見合せる人も少なくなかったという。そして、その中には治療を中断する人もいた。ある患者は乾癬性関節炎の痛みがひどくなって再び来院。生物学的製剤による治療を実施したところ、症状が劇的に改善し、谷田部長は患者に回り道をさせてしまったことを悔やんだ。この症例を通し、情報提供の方法を工夫し患者とよく話し合うことの重要性を痛感した。

「当科では導入を決めてから治療開始までに1週間ほどの時間があり、その間に多ければ3回ほど面談する機会があります。そうした機会も利用しながら患者さんとはとことん話し合うようにしています」と谷田部長。近年は豊富な経験に裏打ちされた説明もできるようになり、患者は安心して生物学的製剤による治療に臨んでいる。

患者の治療参画を重視する谷田先生。生物学的製剤の選択には治療費や投与方法など患者の要望も反映させる

4. 乾癬治療と連携 フォロー体制の充実に向け
地域の皮膚科との併診を

仙台市内で「生物学的製剤使用承認施設」は増えているものの、同科の診療に対する地域の信頼は厚く、仙台北部で生物学的製剤の治療を希望する患者は同科にほぼ集約されている。患者が増え続ける中、同科では治療を効率的に行うために他職種との連携を図り、自己注射のトレーニングは看護師に任せている。「トレーニングは3回実施しており、患者さんは毎回自己注射のキットで練習した後、実際に自分で注射します。医師の役割はこのときの手技を確認するだけです」と谷田部長。患者が自己注射の手技を獲得したら、3カ月に1回の外来通院となる。

このような診療体制の中、受診間隔を短くしてフォロー体制を充実させるには地域の皮膚科と併診できるような関係が望ましいと谷田部長は考える。「地域の皮膚科から紹介されてくる患者さんは多いですし、生物学的製剤でどのくらい改善したのかを実際に確認してもらうのは紹介元の医師にとっても勉強になると思うのです」。しかし、半年に一度、血液検査などの副作用チェックが入ってくるため、治療スケジュール的に連携を組みにくい状況だと明かす。「乾癬研究会の活動などを通し、この病気に対する地域の皮膚科医の関心が高まる中、病診連携は今後の大きな課題の一つです」と谷田部長は話す。

一方、生物学的製剤による治療の存在を知らない、あるいは正しく理解していない患者も少なくないことから、より一層の啓発活動が必要だとも感じている。「情報の伝え方によって患者さんの反応はまったく異なります。これからも市民向け公開講座などを通し、乾癬治療の正しい知識の啓発と普及に取り組んでいきたい」と谷田部長は意欲的だ。仙台北部地域の乾癬患者に最先端の治療をいち早く届けるために診療活動を展開する、東北労災病院皮膚科の存在は頼もしい。

自己注射のトレーニングを受け持つ看護師の伊藤順子さん。本物そっくりのキットを使って練習することで、どの患者も確実に手技を獲得できるという

KK-19-08-26515

乾癬治療最前線

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