KYOWA KIRIN

このサイトは、日本国内の医療関係者(医師、薬剤師、看護師、技師・技士等)を対象に、弊社が販売する医療用医薬品を適正にご使用いただくための情報を提供しています。国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。
このサイトのご利用に際しては、協和キリンメディカルサイトのご利用条件が適用されます。

つばさ皮膚科
[乾癬治療最前線~患者とともに歩む~]

2021年3月12日公開/2021年3月作成

印刷用PDF

  • ●院長:橋本 秀樹 先生
  • ●開院:2000年
  • ●所在地:山形県東根市中央3-2-21

「患者の声」を原動力に
安心して治療が継続できる診療体制を
地域で作り上げる

塗り薬の配合剤をはじめ、より使いやすい薬剤が増えてきたことで乾癬を重症化させずコントロールしやすい状況が生まれている。それは、病院以外の皮膚科クリニックにおいても軽症から中等症の乾癬患者をサポートする機会が増えることを意味する。地域ではどのような支援が望まれ、その期待に開業医はどう応えていくのか。20年前から地域で乾癬治療に熱心に取り組んでいる、つばさ皮膚科・橋本秀樹院長の診療活動に一つの答えがある。

1. クリニックの概要 患者会の支援をきっかけに
乾癬治療に取り組む

橋本 秀樹 院長 往年の鉄道マニアで、クリニック名は山形新幹線「つばさ」に因んで命名された

橋本 秀樹 院長
往年の鉄道マニアで、クリニック名は山形新幹線「つばさ」に因んで命名された

2000年に開設されたつばさ皮膚科は、今年で20周年を迎える。橋本秀樹院長は、山形県立新庄病院の勤務医として働いた後、つばさ皮膚科を立ち上げた。今も皮膚科一般のプライマリケアを中心に診療を行っているが、乾癬患者会の相談医をしているということもあり、山形県内全域から乾癬患者が集まってくる。

直近のデータによると2020年1月~6月までの半年間に同皮膚科を受診した乾癬患者は122名(男性78名、女性44名)で10~80代と年齢は幅広いが、40~50代の患者が最も多い(表参照)。

「私が乾癬の治療に本格的に携わるようになったのは山形県の患者会の設立にかかわったことがきっかけです」と橋本先生は振り返る。2004年に第19回日本乾癬学会学術大会が山形市で開催された際、患者向けの学習懇談会(市民公開講座)が同時に開催された。橋本院長は、当時山形大学医学部皮膚科助教授だった三橋善比古先生に請われて学習懇談会の講師を務めた。「その会を機に山形県にも患者会をつくることになり、トントン拍子に話が進んで翌2005 年には全国で9番目、東北地方では初となる乾癬患者会『山形乾癬友の会』が設立されたのです」。

以来、橋本先生はこの患者会の相談医を務め、事務局業務も一手に引き受け、県内の乾癬患者を支え続けている。

表

2. 診療の実際 病態の理解を促し
外用療法の指導に注力する

こうした背景を持つ橋本院長が乾癬患者を診察する際、最初に注力することがある。それは患者に病態を理解してもらうことだ。「病態理解はどの病気にも共通することですが、特に乾癬の場合は外用療法が治療の土台となるため、病態について正しく理解していないと医師とのコミュニケーションを図りながら自分に合った治療法を選べないし、継続することも難しくなるからです」と橋本院長は指摘する。

つばさ皮膚科を受診する新規患者の中には、すでに診断がついているケースも少なくないが、話をしてみると病態について理解している人はそれほど多くないのが実情だ。そこで、橋本院長はパンフレットを使って病態の解説を丁寧に行った後、外用療法で主に使用するステロイド剤とビタミンD3剤の役割と効果について説明する。「一人ひとりに十分な時間をかけたい」ので、診察は完全予約制で乾癬の新患では、1名でも時間枠を3名分まで拡大して対応している。

次に力を入れているのが外用剤の塗り方だ。「たっぷり塗ってくださいと指導しても人によって使用量はまちまちです。なかにはべたつくのが嫌で量を控える人もいます。また、使用量は問題ないけれど、強くすりこんで塗ってしまう場合もあります。外用剤の指導は患部に実際に塗ってあげることがポイントです」(橋本院長)。

この指導は看護師が担当し、病態の説明同様、しっかり時間をかけて行う。「外用剤を正しく使ってもらえば効果は必ず出ます。効果を実感できれば、それが患者さんの成功体験となって治療意欲も高まります。また、これまで治療がうまくいかなかった人にとっては気持ちを切り替えるきっかけにもなりますし、正しく塗ったのに効果が出ない場合は内服療法の適応であると判断できます。ゆえに外用療法の指導は絶対に欠かせないのです」と橋本院長は力を込める。

表

診療ではパンフレットを活用し、平易な言葉づかいで説明する
ことを心がける。橋本院長が座っている椅子の生地は山形新幹線
「つばさ」のシートカバーをリサイクルした特注品

スキンケア指導に力を入れるつばさ皮膚科では、
「スキンケア通信」を定期的に発行し、患者が正しく
ケアできるように情報を提供している。

スキンケア指導に力を入れるつばさ皮膚科では、
「スキンケア通信」を定期的に発行し、患者が
正しくケアできるように情報を提供している。

3. 治療の継続性を重視 患者個々の状況を把握して
チームで支える

さらに乾癬の治療を行っていくうえで、橋本院長が重視しているのが継続性だ。「2回目以降の診察では、効果とともに治療がきちんと継続できているかどうかを確認し、その妨げになっていることがあれば治療の方法を調整していきます。例えば、生活スタイルに合わせて使いやすい剤形に変更するといったことなどを行います」。

橋本院長によると、近年、1日1回塗布の配合剤が登場したことによりセルフケアの負担はずいぶん減ってきたものの、外用療法を続けることに疲れ切っている人もときどき見かけるという。「そのままにしておくと治療をやめてしまう人もいるので、外用剤の減り具合や皮疹の状態から患者さんのストレスの程度を判断し、外用療法の負担がより少ない内服療法に切り替えることもあります」。また、病気や治療のことで一人で悩まず、孤立しないためにも患者会への参加を勧めている。

そして、診察前には看護師が一人ひとりの患者に丁寧な問診を行い、日常生活における悩みや困りごとを通して治療に対する要望を拾い上げ、橋本院長にフィードバックする仕組みも取り入れている。「長い経過をたどる病気なので、患者さんが乾癬とうまく付き合っていくためにはニーズに応じて治療を組み立てていくことも必要です。このような対応は医師一人だけではできないので、看護師の力も借りることが大切です」と橋本院長は話す。

4. 乾癬患者会 患者会活動で得た"患者の声"を
日常診療に生かす

治療を組み立てる際には、治療目標を設定することも重要だ。「鉄道の旅にたとえて"私(医師)は駅員のような存在で、目的地(治療目標)を決めてくれないと切符(治療法)が発行できない"と患者さんには伝えています。しかし、治療のゴールをイメージできる人はとても少ないのです」(橋本院長)。

こんなときにも助けになるのが患者会だ。例えば患者同士の交流会で先輩患者の体験談を聞くことで、さまざまな選択肢やゴールがあることを知り、自分自身の治療目標が明確になってくるという。「この場合、失敗談も参考になるので、それが聞けるのも患者会に参加する大きなメリットの一つだと思います」と、橋本院長は言う。

一方、医師や医療スタッフにとっても患者会は患者の本音を聞ける絶好の場であり、診療の新たな気づきや展開にもつながる。「診察室では見えてこない患者の心の動きを知ることで、それが手がかりとなり、コミュニケーションがうまく取れるようになって治療の選択や見直し、治療目標の設定などが円滑に図れるようになります。そして診療の質はもちろんのこと、治療に対する患者さんの満足度も確実に高まります」(橋本院長)。

このような手応えを感じているからこそ、橋本院長はもっと多くの医療者に患者会活動に参加してほしいと願っている。「県内全域から時間をかけて受診してくる患者さんに接していると、各地域で乾癬治療ができる仲間を増やしていくことの必要性を感じます。患者会活動に参加してくれる診療所の医師や医療スタッフを核にネットワークをつくり、患者さんが安心して治療を継続できる環境を整えていきたいと考えています」と橋本院長は抱負を語る。

ちなみに関節症性乾癬(乾癬性関節炎)に関しては、各地域で1人ずつリウマチ診療を専門とする整形外科医を見つけ、診診連携体制を構築しており、現在7名の患者をフォロー中だ。

5. 地域連携 病院で導入した生物学的製剤の
自己注射をサポート

一方、生物学的製剤についても基幹病院との連携を開始している。「県内には生物学的製剤を導入できる病院が山形地方に2カ所、庄内地方に2カ所、計4カ所しかなく、この治療においても患者さんは距離的なハンディを負います。その上、自己注射の場合、高齢の患者さんにとって治療継続のハードルがさらに上がることになります」と橋本院長は説明する。

そこで、こうしたことがネックになって生物学的製剤を導入できない患者に対してつばさ皮膚科が自己注射の投与と日常管理を引き受けることにした。「基幹病院では年1回、効果の判定と副作用のチェックを行ってもらっています。現在は1例だけですが、患者の高齢化が進む中、病診連携で維持療法を支えるケースは、ますます増えてくるでしょう」と橋本先生は予測する。

最後に、橋本院長はこう締め括る。「患者さんに対する視点が変わり、診療の質も向上したのは患者会のおかげです。私は患者会活動に参加する機会を与えてもらったことに本当に感謝しています。これからも患者さんの声を原動力に山形の乾癬治療の底上げに貢献していきたいと考えています」。

効果のある薬剤が増えてコントロールしやすくなり、乾癬を重症化させることが少なくなった今だからこそ、質の高い治療を実践するつばさ皮膚科のような、"地域の開業医"の存在がより重要度を増していく。

山形乾癬友の会

「学習会」と「交流会」を活動の柱に
患者が安心して集える場所を提供する

2005年3月に全国で9番目、東北地方では初となる乾癬患者会として設立された。2020年10月現在、会員数は17名。
活動の柱は、病態の理解を手助けする「学習会」と、お互いの悩みを共有して分かち合う「交流会」。


学習会」は年2回行われ、専門医による講演会に続き、日頃の悩みや疑問を専門医に質問できるQ&Aタイムを設ける。2020年は設立15周年記念大会を開催する計画だったが、コロナ禍のために延期となった。「交流会」ではお茶を飲みながら家族や友人にも話せない悩みや心の内を明かし合う。「ここでは自分の病気を隠さなくてもいいから、心が解放される」と参加者の安らぎの場となっている。新型コロナウイルス感染拡大の第1波に襲われた3月にも「乾癬ホットサロン」と銘打った交流会を開催した。

2020年3月に開催した「乾癬ホットサロン」

山形乾癬友の会 facebook
https://www.facebook.com/pso.yamagata/

KKC-2021-00104-2

乾癬治療最前線

おすすめ情報

  • おすすめ情報は、協和キリンのウェブサイトにおける個人情報の取扱い方針に基づき、お客様が閲覧したページのアクセス情報を取得し、一定の条件に基づき自動的に表示しています。
    そのため、現在ご覧いただいているページの情報との関連性を示唆するものではございません。

くすり相談窓口

弊社は、日本製薬工業協会が提唱するくすり相談窓口の役割・使命に則り、くすりの適正使用情報をご提供しています。
弊社医薬品に関するお問い合わせは、下記の電話窓口で承っております。

フリーコール

0120-850-150

受付時間 9:00~17:30
(土・日・祝日および弊社休日
を除く)

※新型コロナウィルスの感染予防・感染拡大防止を全社方針として徹底していくことから、お電話が繋がりにくい可能性があります。

※お電話の内容を正確に承るため、また、対応品質の維持・向上等のため通話を録音させていただいております。あらかじめご了承ください。

お問い合わせ