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医療法人社団鐵櫻会 シャルムクリニック
[乾癬治療最前線~患者とともに歩む~]

2022年8月2日公開/2022年8月作成

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  • ●院長:櫻井 直樹 先生
  • ●開設:2011年6月
  • ●所在地:千葉県松戸市秋山68-5

入院以外のすべての症例に対応
乾癬治療は患者の希望に合わせて柔軟に

医療法人社団鐵櫻会シャルムクリニックは、2011年の開業以来、一般的な皮膚疾患への対応はもとより、難治性皮膚疾患の治療、皮膚疾患の手術、美容医療などを幅広く実践している。入院が必要となる症例以外のすべてに適切な対応ができるよう、常に最新の技術をキャッチアップし、先進的な検査機器、治療機器を導入しているのも特徴だ。乾癬は、アトピー性皮膚炎、レーザー治療と並んで櫻井直樹院長の専門分野で、東京大学医学部附属病院時代の経験を生かし、患者の希望に沿った治療を質高く提供している。

1. クリニックの概要 皮膚科診療と美容医療を提供する
自己完結型クリニック

櫻井 直樹 院長

櫻井 直樹 院長

シャルムクリニックは2011年6月2日に開業した、皮膚科・形成外科・小児皮膚科・アレルギー科・美容皮膚科・美容外科を標榜するクリニックだ。同クリニックのある千葉県松戸市は、櫻井直樹院長が3歳から暮らしたなじみのある地域。「祖父の代までは医師の家系でした」という院長は、いつの頃からか自然に医師になりたいと思うようになり、東京大学理科Ⅲ類に進学。10代でアトピーに悩まされた経験から皮膚科医を志し、大学病院、総合病院、皮膚科クリニックなど多様な医療機関で皮膚科診療の研鑽を積んできた。さらに美容皮膚科クリニック、美容外科クリニックで美容医療のスキルも磨いた。

「皮膚科というのは、入院を必要とする症例以外は、医師個人の努力によって、クリニックの外来でも大学病院と同等の医療を提供できる診療科目です。私はこのクリニックで、大学病院並みの皮膚科医療を提供することを自らのミッションとし、自己研鑽を惜しまず、最新の医療技術、最新の医療機器を積極的に導入することに努めています。外来診療が可能な症例はすべて診る、手術も含めて自己完結できるクリニックを目指しています」と、櫻井院長がシャルムクリニックのコンセプトを語る。

このように高い志を持ち、診療環境のグレードアップを重ねてきた結果、患者は右肩上がりに増加。開業7年目の2017年には増え続ける患者に対応するため現在の場所に新築移転した。新クリニックの規模は旧クリニックの約4倍。105台分の駐車場、80人が座れる待合室などを備えているが、それでも足りなくなるほどの集患力を誇る。

診察室は待合室奥の通路に沿って左右に5室ずつ。その奥のエリアに、血球計算機やCRP測定装置などを備えた検査室、第1UV室(全身照射型)、第2UV室(部分照射型)、第3UV室(ターゲット型)、エコー室、2つの手術室などが並ぶ。さらに、8つの施術室を備えたエステゾーンが、診療ゾーンとは別に設けられている。

2. 診療状況 多い日は1日500人が来院
大学病院からの手術依頼にも対応

患者層も多様だ。アザのレーザー治療や食物アレルギーのプリックテストなどを行っていることもあり、小児の患者も多数いる一方、褥瘡に悩む高齢者が来院することもある。多い日は1日500人を数えるという患者に対応するのは、櫻井院長をはじめとした40名のスタッフだ。常勤医は櫻井院長1人だが、毎日2~4名の皮膚科医が、東京大学医学部や帝京大学医学部から派遣され、外来診療にあたっている。

「診察室が10あるのは、基本的に医師1人につき2つずつ診療室を使うからです。皮膚科の診察では服や靴の脱ぎ着が必要な場合が多いので、患者さんを診察室に案内し、準備していただいている間に、私たち医師はほかの患者さんを診ます。終わったら診療室を移動して、準備のできた患者さんを診る。その繰り返しでロスタイムを減らしています」と櫻井院長。光線療法などは医師の指示のもとで看護師が行う。患者情報は電子カルテで管理して共有。患者への治療法の説明などもあらかじめ用意した資料などを使って効率的に行っている。

もう1つ、同クリニックの特徴として、手術需要の高さが挙げられる。ほくろ、粉瘤、脂肪腫、皮膚がんの切除、陥入爪の手術、眼瞼下垂の手術などへのニーズは櫻井院長の想像以上で、自らも毎日複数件の手術にあたるほか、月に1回、高田章好・大阪大学形成外科招聘教授(美容医療)による美容外科・形成外科外来(要予約)を開設し、この日に高田教授と共同で手術も実施し、手術手技向上の研鑽につとめている。

開業して11年。ハイレベルの皮膚科クリニックとして地域での認知度も高まっている。特に、レーザー治療や光線療法については、周辺地域に設備の整った医療機関が少ないこともあり、多くの患者が紹介されてくる。大学病院からの手術依頼、併診依頼も珍しくない状況だ。

3. 乾癬治療 関節症状があれば速やかに総合病院に紹介
なければ患者の悩みの大きさに応じて治療

乾癬は、シャルムクリニックで特に力を入れている疾患の1つだ。同クリニックに通院する乾癬患者は2022年4月現在、約80名。大半は松戸市内はじめ、柏市、流山市、鎌ケ谷市、市川市など、いわゆる東葛エリアと呼ばれる地域の住民だ。受診のきっかけは、患者自身が調べてくるか、他院からの紹介が主。紹介の場合は光線療法目的がほとんどのため、医師の診察後、速やかに光線療法を開始する。

光線療法目的以外で乾癬を疑う患者が来院した場合は、最初の診察(主に視診、症例によっては皮膚生検)で乾癬であることを確認できたら、必ず関節症状の有無を確認する。ここで痛みなどの訴えがあれば、すぐに院内でエコー検査を行い、乾癬性関節炎の疑いが高い場合は生物学的製剤療法を行っている総合病院に紹介する。

関節症状が見られない場合は、外用療法、内服療法、光線療法、生物学的製剤療法の各療法について通院頻度や効果などを説明し、患者に選択を促す。このとき最も重視するのは、「乾癬の症状を本人がどの程度気にしているか」だ。

「医師から見てかなり症状が重くても、『慣れているから塗り薬だけで大丈夫』とおっしゃる患者さんもおられますし、反対に、わずかな症状でも気にして『早くきれいに治したい』とおっしゃる方もいますので、そこは本人の気持ちを優先します。ただし、患者さんの選んだ療法が、思うように効かなかった場合にはやり方を変える必要があることはあらかじめお話ししておくようにしています。また、たとえば人前に手を出す患者さんの爪の症状が消えない、内服と光線を併用して3カ月程度経過しても良くならないなど、生物学的製剤への移行を考えるタイミングについても事前にお伝えしています」と、本人の意思を尊重しつつも専門家としてより良い治療に導こうとする様子を櫻井院長が話す。

こうした対応により現在行われている治療法の内訳は、乾癬患者約80名中、約30名が光線療法、内服と光線療法の併用、あるいは内服療法が約20名、生物学的製剤療法が2名、外用療法のみが約30名である。

なお、診察の内容は電子カルテに記録し、診療をする医師がかわっても、スムーズに診察が進むようになっている。

4. 光線療法 UV専用の治療室を3室完備
4種の光線療法を症例に応じて活用

「紹介患者は光線療法目的の場合が多い」と先に書いたが、シャルムクリニックは大病院も含めて近隣の医療機関の中でも光線療法の設備が充実している。それゆえ、大学病院や総合病院からも光線療法適応の患者が紹介されてくる。

同クリニックで採用している光線療法は、ナローバンドUVB療法、エキシマライト療法、UVA-1療法、チタンサファイアレーザー療法の4種だ。ナローバンドUVB療法の照射装置は全身照射型と部分照射型を導入し、それぞれ第1UV室、第2UV室に設置している。第2UV室には、UVA-1療法の照射装置もある。エキシマライト療法とチタンサファイアレーザー療法はターゲット照射型で、第3UV室に配置されている。

これらの機器は、おおむね患部の面積によって使い分ける。「乾癬患者さんの場合は、全身照射型を使うことが多く、部分的に症状が残った場合などは、エキシマライトやチタンサファイアレーザーをあてて治療します。乾癬の類縁疾患である掌蹠膿疱症の場合は、皮膚のより深層に光線が到達するUVA-1療法が有用です。チタンサファイアレーザーとUVA-1は2021年に国内承認されたばかりですが、当院ではいち早く導入し、活用しています」と櫻井院長が紹介する。

光線療法の種類も件数も多く、できる限り最新型を採用する方針の同クリニックでは、看護師を採用するたびに、最初に各種照射装置の操作を覚えてもらうという。

5. 生物学的製剤療法 患者の利便性の観点から総合病院に一任
希望者のみ導入から対応

生物学的製剤療法を希望する患者については、基幹病院に紹介し、そのまま任せることを基本方針としている。その理由を櫻井院長は次のように話す。

「松戸のような都市型の地域には医療機関が十分にあり、多くの市民が難なく基幹病院にアクセスできる環境が整っています。そんな中で、定期的な検査のみ病院で行い、治療のためにクリニックに通うというのは患者さんの利便性を考えてもメリットが少ないと思います。当院は2018年に日本皮膚科学会生物学的製剤承認施設となり、導入も可能ですが、患者さんの立場になると、検査も治療も1つの医療機関で受けられるほうが良いと考えています」

ただし、中には「どうしてもシャルムクリニックで治療を受けたい」という患者もいて、そうしたケースのみ、定期的な検査を病院で行い、生物学的製剤療法は同クリニックで行う。この場合は、関節症状があるか、自己注射が可能か、どれくらいの頻度で通院可能かなど、詳細を確認してから導入する。同クリニックで生物学的製剤療法を受けている患者は現在2名である。

6. 今後の課題・展望 新しい情報をアップデートし
よりハイレベルな診療を目指す

櫻井院長は、乾癬治療について、「めまぐるしく進歩している分野」と話し、「その進歩に取り残されないように、私自身がセミナーなどに積極的に参加し、新しい情報をキャッチしアップデートするように努めています。このことはアトピー性皮膚炎に関してもまったく同じです」と、専門医として、また経営者として多忙をきわめるいまも勉強を欠かさない姿勢を語る。

また、乾癬の生物学的製剤療法については、ガイドラインが変わらない限り、これまで同様、基幹病院に委ねる方針とし、「当クリニックでやるべきことは、適切な治療に結びついていない患者さんをできるだけ早くサルベージすること。そのためにも初診でしっかりと診察・検査をして的確な診断をくだし、患者さんにとって最も良い方向へ導くことが使命だと思っています」と話す。

一方、櫻井院長はいまでも、東京大学医学部附属病院皮膚科の教授回診に月2回参加し、現在の医療の最前線を体験するようにしている。「皮膚疾患の治療法・治療薬は日々進歩し、時代の変化を感じています。今後も、こうした自己研鑽は重ねていきたいと思っています」と、医師になって以来、変わらぬ思いを語る。

シャルムクリニックのこれからについては、「よりレベル高く、精度の高い診療を目指すことに尽きる」と明言する。今後も増加し続けるであろう患者たちをどう受け入れるか、規模の拡大と質のアップをどう両立していくかなど、難しい課題への挑戦は続く。「私の診療姿勢の基本は、『簡単な道と難しい道があれば、あえて難しい道を選びなさい』という教えです」という櫻井院長の、真の意味での本領発揮は、これからなのかもしれない。

KKC-2022-00536-3

乾癬治療最前線

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