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医療法人 和香会 倉敷スイートホスピタル[糖尿病治療最前線]

2019年09月04日登載/2019年09月作成

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  • ●理事長:江澤 和彦 先生
  • ●院長:松木 道裕 先生
  • ●開設:2012年8月
  • ●所在地:岡山県倉敷市中庄3542番1

専門医とCDEを中心に治療、ケア、教育を推進
各種勉強会で地域全体のレベルアップを図る

倉敷スイートホスピタルは、医療機関、介護関連事業所、高齢者住宅などの複合施設、「倉敷スイートタウン」内に、2012年8月にオープンした。22の診療科と196床の病床(全室個室)を持ち、24時間365日の医療介護体制を完備。地域の診療所や高齢者施設などと連携し、地域包括ケア実現を推進している。糖尿病については、専門医である松木道裕院長を中心に多職種チームを組織して、合併症予防と進行抑制を目指した治療や患者教育に取り組む。また、日本糖尿病学会認定教育関連施設として専門医の育成にも力を注いでいる。

1. 倉敷スイートタウンの概要 出会い、笑顔、会話、幸せを生む
ホスピタリティあふれるコミュニティタウン

倉敷スイートホスピタルを含む倉敷スイートタウンは、JR山陽本線倉敷駅から1つ岡山寄りの中庄駅の近くにある。同駅から倉敷スポーツ公園につながるマスカット通り沿いに建つ5階建ての建物は一見シンプル。しかし、一歩中に入ると、高級ホテルや結婚式場と見紛うような華やかなエントランスホールが広がる。経営母体である医療法人和香会の、「スイート(優しい)なホスピタリティで皆さまをお迎えする」という方針が具現化された空間である。

1階にはフロント(総合受付)や待合室のほか、外来診察室、点滴・化学療法室、倉敷スイート訪問看護ステーション、倉敷スイート訪問介護ステーション、カフェ、コンビニエンスストア、保育所などがある。2・3階は病棟で、各階とも全室個室の98床。2階西病棟が、急性期の患者を対象とした地域一般病棟、2階東病棟が在宅復帰支援や在宅患者の急性増悪時の受け入れを担う地域包括ケア病棟、3階西・東病棟が、主に重度の肢体不自由、重度障害、神経難病の人などを対象とした障害者施設等一般病棟となっている。

4階にはサービス付き高齢者向け住宅「倉敷スイートレジデンス」、カラオケや映画が楽しめる「スイートシアター」、展望風呂「ビューバス」が、5階にはフレンチレストラン、多目的スペース「スイートホール」、ビューティーサロン、「倉敷スイートレジデンス」の特定施設部分が入っている。

「増え続ける高齢者の方々の生活に必要なほとんどのサービスを、1つの建物の中で利用していただけるようにできています。患者さんや入所者さんだけでなく、市民の方々も気軽に来てくださるので、館内はいつも活気があります」と、倉敷スイートホスピタルの松木道裕院長が紹介する。

なお、2階以上はロの字型の造りで、建物に囲まれた部分(1階の屋根)は季節の花々が咲く庭園「スイートパーク」として整備され、施設を利用する人々やスタッフの癒になっている。

倉敷スイートタウンのコンセプトは、「心温まる想いやりあふれるコミュニティタウン」である。常日頃から人々が行き交い、出会い、笑顔が生まれ、会話が弾み、幸せが生まれるような場づくりを目指している。

また、医療法人和香会の理念としては、「Satisfaction:お客様の満足度の向上を Quality:より良質のサービス提供を Kindness:優しさを持って Respect:互いに尊敬を Joy:喜びにあふれ」を掲げる。この文言を職員が携帯するセキュリティカードに印字することで、理念の共有を図っている。

松木 道裕 院長

病院にいながらにして四季の変化を楽しめる庭園、スイートパーク

2. 法人の歴史と新病院の概要 法人設立以降順次グループ施設を拡充
新病院開設を機に多機能を集約

倉敷スイートタウンのルーツは、1977年に、倉敷市東塚に江澤英光先生が開設した倉敷廣済病院である。医療法人和香会の設立は1993年。1996年に江澤和彦理事長が就任して以降は、老人保健施設、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、ヘルパーステーション、グループホーム、高齢者支援センターなどを順次開設。これらの実績をベースに、倉敷スイートタウンをオープンした。

「倉敷廣済病院の老朽化を機に新病院の開設を考えたわけですが、移転場所に中庄を選んだのは、この地域に川崎医科大学附属病院以外の総合病院がなかったことから医療ニーズがあると判断してのことです。開設して7年近く経ち、当法人の医療・介護が多くの市民の方々に受け入れられているのを感じています。また、周辺の医療機関や介護施設との連携も進み、いわゆる地域包括ケア実現に向けて、当院なりの役割が果たせているように思います」と松木院長は語る。

同院は在宅療養支援病院であり、特に在宅療養支援診療所との連携は密である。在宅で療養している人に何かあったときには、主治医を介して積極的に入院を受け入れ、必要な治療を行ったうえで地域に返す流れができている。こうした対応が、地域住民や医療・介護関係者の安心感につながっている。

また、倉敷スイートホスピタル自身も在宅医療を実践しており、松木院長をはじめとした医師、看護師、介護福祉士、リハビリテーションスタッフなどが、それぞれ訪問診療、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリテーションを行っている。往診依頼にも快く応じる。理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)による通所リハビリテーションも行っている。

住民対象の介護予防教室も定期的に行うなど、多くの人が、住み慣れた中庄地域でその人らしく暮らし続けることができるようにするための医療サービス、介護サービスを提供している。

3. 病院の特徴 リウマチ、糖尿病分野で高い専門性を発揮
効率化・見える化を推進し医療の質を向上

医療機関としての専門性も追求している。倉敷廣済病院時代から看板の1つとなっているのが「リウマチセンター」である。内科と整形外科(リウマチ専門医)が協力し、多職種が参加して薬物療法や手術、リハビリテーションなどを提供しており、倉敷市を含む県南西部医療圏(5市3町)全域から患者が集まっている。センター長は、日本リウマチ学会専門医・指導医、日本内科学会認定医である江澤和彦理事長が務める。日本糖尿病学会専門医・指導医である松木院長を中心とする糖尿病診療チーム(くわしくは後述)も同院を代表する組織であり、やはり県南西部医療圏全域の患者が診療対象となっている。

一方で、疾病予防にも力を入れている。たとえばインフルエンザの予防接種は2018年実績で約6,000人に実施。多い年には年間1万人に実施したこともある。また、人間ドックや健康診断も充実しており、毎日5~10人は健診目的で来院している。

時代の変化に伴い病院の役割も変化している昨今だが、そうした中で、地域のニーズに応えるべく松木院長が重視していることに、「効率化」や「見える化」といった業務改善がある。

「ほんの一例ですが、たとえば各種会議などは30分程度で切り上げる、毎朝、各部門の長に集まってもらって5分程度のミーティングを開き、情報共有を図る、といった取り組みを始めています。情報共有によって業務が見える化され、効率化も進むと考えています。また、何事も先手先手で取り組むことが大事だと考え、職員にも、何かが起こってからではなく、起こることを見越して備えるように話しています。医療や介護を実践するにあたっても、患者さんの病状を追いかけるのではなく、病状の変化を見越して早めに対応することが必要です。そうした心がけが、効率的な医療に結びつくと考えています」と松木院長が言う。

倉敷スイートホスピタルの病室は全室個室でプライバシー保護や感染対策が万全

外来の点滴・化学療法室も完全個室となっている

4. 糖尿病医療 院長率いる専門家集団が
約700人の糖尿病患者を継続管理

糖尿病診療チームのメンバーは、松木院長をはじめとした常勤医3名、川崎医科大学糖尿病内科OB を中心とした非常勤医5名、日本糖尿病療養指導士(CDEJ)6名(看護師4名、管理栄養士1名、臨床検査技師1名)、地域糖尿病療養指導士であるおかやま糖尿病サポーター6名(すべて看護師)、理学療法士である。

これらのメンバーは、外来診療を中心に多くの患者の継続管理を行っている。現在、糖尿病内科の外来に継続的に通院している患者の数は約700人。主治医制をしいており、うち400~500人は松木院長の患者である。療養指導は看護師中心に、栄養指導は管理栄養士中心に行う。継続管理の決まったシステムは特にはないが、必要に応じて多職種が介入するスタイルは定着しているという。また、フットケアは必要に応じて、リウマチセンターなどでも活躍している専任看護師に依頼する仕組みである。

地域の拠点病院や総合病院との連携も積極的に行っている。また、院内に専門医がいない診療科については外部から専門医を招聘している。眼科外来はないものの、外部の専門医が定期的に病棟に診療に来てくれる仕組みになっている。

松木院長が考える糖尿病管理のコツは、「患者さんの話をよく聞くこと」だという。医療側が伝えたいことを一方的に話しても、患者は返事はするものの本当には理解していない場合も多い。だからまず本人の話を聞き、患者さんの抱える問題や状況を引き出し、把握することから始めるのだという。

「以前に比べたら、いまは自ら学び、知識を貯えた患者さんが増えたと思います。しかし、生活習慣を変えるのは難しく、コントロールがうまくいかない患者さんも一部にはおられます。そういった患者さんほどじっくり向き合って、改善すべきことに気づいていただくことが大事だと思っています。持続皮下インスリン注入療法(CSII)や、血糖値の日内変動を見る持続グルコースモニタリング(CGM)は14日間のモニタリングが可能で、いつでも血糖値をリアルタイムで知ることができるフラッシュグルコースモニタリング(FGM)なども活用しながら、適切な治療を行いながら、良いコントロールを目指しています。良い結果が出れば、患者さんの治療に対するモチベーションも上がります。そういう良い循環をつくることを重視しています」

チームでかかわる意義については、「患者さんを多面的に観察でき、情報が集約できること」と指摘。チームメンバー全員の視点を生かすためにも、従来は医師だけで行っていた糖尿病診療のカンファレンスを、2019年度からは多職種で行うかたちに変えた。回数も隔週から毎週1回に増やし、症例検討を中心に意見交換を重ねている。

糖尿病患者を対象とした臨床研究にも取り組んでいる。岡山市にあるノートルダム清心女子大学や岡山県立大学とともに、食事療法により糖尿病患者の体組成の変化を検討している。測定には外来診察室に配備した体成分分析装置InBodyを活用している。研究成果は日本糖尿病学会などでも報告している。

患者から話を引き出すことを重視して診察にあたる松木院長

5. 教室・イベント 糖尿病教室、糖尿病週間行事など
患者教育にも力を入れる

外来のほかに、入院治療、教育入院、糖尿病教室、糖尿病関連の各種イベントなどにもチームで取り組む。糖尿病治療のために入院する患者は概ね20人前後で推移。教育入院は徐々に着手はしているが、体制づくりはこれからだという。

糖尿病教室は毎月第2・第4金曜日の午後1時間。外来患者、入院患者を対象とし、医師とほかの職種が30分ずつ使い、わかりやすく解説している。1回の参加者は6~7人前後。1クール20回でスケジュールを組み、多様な情報を繰り返し提供している。

イベントとして最も大きなものは、主に患者を対象とした糖尿病週間行事で、(1)測定・相談コーナー、(2)講演会、(3)食事会・体操・お楽しみ会で構成。(1)の測定コーナーでは体重、血圧、血糖を測定。相談コーナーでは、医師、看護師、管理栄養士が対応する。(2)ではテーマに合わせて院内の医師が講師を務める。2018年度のテーマは「防ごう転倒~骨折しないために」だった。(3)では、管理栄養士が考案したヘルシーなメニューを特注弁当として提供。食事前には管理栄養士による食事のポイントなどの話も交える。体操は食後に音楽に合わせて行う。最後にジャンケン大会など簡単なゲームをして楽しんでもらうという内容だ。

ほかにも、地区単位で行われている住民対象の生活習慣病予防教室の講師を年に3回程度、引き受けている。その教室のテーマに合わせ、医師だけでなく、他の職種が出向くこともある。中でも松木院長の出番が比較的多い。また、不定期ではあるが、スイートホールに地域住民を集め、市民講座のようなかたちで糖尿病への啓発を行うこともある。

各種パンフレットやチラシ類。院長やスタッフの持ち回りで担当している山陽新聞の連載「人生100年時代を健康に生きる!」も好評

6. 人材育成 教育関連施設として糖尿病専門医を育成
療養指導士の育成、介護職の教育にも積極的

人材育成は、職種ごと、院内、院外などさまざまなかたちで実施している。

医師に関しては、日本糖尿病学会認定教育関連施設として糖尿病専門医の育成に取り組んでいる。現在は2名が専門医取得を目指して松木院長のもとで学んでいる。前述した多職種カンファレンスでの症例検討も専門医を目指す医師にとっては貴重な勉強の場だ。「1つの症例を深く掘り下げることが疾病の理解につながります」と院長は言う。さらに、最新の情報を得るためにも各種ウェブ講演を頻繁に活用している。

医師以外の医療職については、多職種カンファレンスに参加してもらうことで症例を通した理解を促している。ほかに、糖尿病に関するさまざまな知識を身につけてもらうために、「糖尿病療養指導ガイドブック」に沿った勉強会を週1回のペースで実施している。CDEJやおかやま糖尿病サポーターの資格取得は推奨している。

介護関係者の教育は、年に2~3回、倉敷スイートホスピタル主催の糖尿病勉強会をスイートホールで開催し、院内外のケアマネジャーや介護職に参加してもらっている。地域住民に向けたものより少し専門的な内容が含まれるが、かといって医療職向けほど専門的過ぎない内容を心がけている。

「私たち医師は、専門分野を深く勉強し、それを用いて治療や指導にあたります。しかし、介護職はあらゆる疾病、あらゆる障害の方々をケアしなければなりません。だから、専門知識や技術を身につけるにも限度があります。そういう介護職の方々の置かれた状況や介護現場の大変さに配慮しながら、糖尿病の患者さんをケアするためにぜひ知っておいてほしいことをお伝えするようにしています」と松木院長。

地域の高齢者施設などに請われれば、快く出向いて糖尿病について話す。こうして糖尿病医療やケアにかかわる関係者全体のレベルアップを図っている。

7. 今後の課題・展望 メタボ対策からフレイル対策へ
地域全体での高齢者支援を強化

今後の課題について松木院長は、地域をあげた高齢者支援の強化をまず挙げる。メタボリックシンドローム対策からフレイル対策への切り替えを促すなど、若い世代とは違う健康づくりについて啓発しなければならないと指摘する。

「どこの地域でも同じだと思いますが、高齢者の独り暮らしやいわゆる老老介護、認知症の問題などが年々深刻化しています。こうした問題と密接に関係するフレイルへの対応は不可欠です。フレイルを予防し、できるだけ自立した生活を続けていただくためにも、地域全体で支える仕組みが必要です。その意味でも関係機関の連携を一層推進しなければなりません」

倉敷市の高齢化率は2018年現在で全国平均(28.0%)とほぼ同じだが、地域包括ケアシステムづくりや、認知症対策などは比較的進んでいるという。ただし、糖尿病患者のサルコペニアなど難しい課題はまだまだある。新病院として地域に根ざしはじめた倉敷スイートホスピタルの活躍の場は、これからますます広がりそうである。

KK-19-07-26284

糖尿病治療最前線

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