KYOWA KIRIN

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バイオシミラーとは

バイオシミラーとは

バイオシミラーとは

バイオシミラー(バイオ後続品)とは、国内で既に承認され、特許期間、再審査期間が満了した先行バイオ医薬品に対して、品質、有効性、安全性に関して同等・同質であるように開発されたバイオ医薬品で、先行バイオ医薬品を製造・販売するメーカーとは異なるメーカーが開発したものです。市販後の安全性管理は新薬と同様に行われており、安全性の確保が図られています。

● 日本で承認されたバイオシミラー(2019年12月時点)

*先発品と効能又は効果が異なる場合があります。
ご使用に際しては各製品添付文書をご参照ください。

製品名 一般名 製造販売業者 先行品
(製品名)
承認年月
(製造販売承認)
ソマトロピンBS皮下注「サンド」 ソマトロピン
(遺伝子組換え)
サンド ジェノトロピン 2009年 6月
エポエチンアルファBS注「JCR」 エポエチン カッパ
(遺伝子組換え)[エポエチンアルファ後続1]
JCR ファーマ エスポー 2010年 1月
フィルグラスチムBS注「モチダ」同「F」 フィルグラスチム
(遺伝子組換え)[フィルグラスチム後続1]
持田製薬販売
富士製薬工業
グラン 2012年 11月
フィルグラスチムBS注「NK」同「テバ」 フィルグラスチム
(遺伝子組換え)[フィルグラスチム後続2]
日本化薬
武田テバファーマ
グラン 2013年 2月
フィルグラスチムBS注「サンド」 フィルグラスチム
(遺伝子組換え)[フィルグラスチム後続3]
サンド グラン 2014年 3月
インフリキシマブBS点滴静注用「NK」同「CTH」 インフリキシマブ
(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続1]
日本化薬
セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン
レミケード 2014年 7月
インフリキシマブBS点滴静注用「あゆみ」同「日医工」 インフリキシマブ
(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]
あゆみ製薬
日医工
レミケード 2017年 9月
インフリキシマブBS点滴静注用「ファイザー」 インフリキシマブ
(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]
ファイザー レミケード 2018年 7月
インスリン グラルギンBS注「リリー」 インスリン グラルギン
(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続1]
日本イーライリリー ランタス 2014年 12月
インスリン グラルギンBS注「FFP」 インスリン グラルギン
(遺伝子組換え)[インスリン グラルギン後続2]
富士フイルム富山化学 ランタス 2016年 3月
リツキシマブBS点滴静注「KHK」 リツキシマブ
(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続1]
サンド リツキサン 2017年 9月
リツキシマブBS点滴静注「ファイザー」 リツキシマブ
(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]
ファイザー リツキサン 2019年 9月
エタネルセプトBS皮下注「MA」 エタネルセプト
(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続1]
持田製薬 エンブレル 2018年 1月
エタネルセプトBS皮下注「TY」同「日医工」 エタネルセプト
(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続2]
YLバイオロジクス
共和薬品工業
エンブレル 2019年 3月
トラスツズマブBS点滴静注用「CTH」同「NK」 トラスツズマブ
(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続1]
セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン
日本化薬
ハーセプチン 2018年 3月
トラスツズマブBS点滴静注用「第一三共」 トラスツズマブ
(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続2]
第一三共 ハーセプチン 2018年 9月
トラスツズマブBS点滴静注用「ファイザー」 トラスツズマブ
(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続3]
ファイザー ハーセプチン 2018年 9月
アガルシダーゼ ベータBS点滴静注「JCR」 アガルシダーゼ ベータ
(遺伝子組換え)[アガルシダーゼ ベータ後続1]
JCRファーマ ファブラザイム 2018年 9月
ベバシズマブBS点滴静注「ファイザー」 ベバシズマブ
(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続1]
ファイザー アバスチン 2019年 6月
ベバシズマブBS点滴静注「第一三共」 ベバシズマブ
(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続2]
第一三共 アバスチン 2019年 9月
ダルベポエチン アルファBS注シリンジ「JCR」 ダルベポエチン アルファ
(遺伝子組換え)[ダルベポエチン アルファ後続1]
JCRファーマ ネスプ 2019年 9月
ダルベポエチン アルファBS注シリンジ「三和」 ダルベポエチン アルファ
(遺伝子組換え)[ダルベポエチン アルファ後続2]
三和化学研究所 ネスプ 2019年 9月
ダルベポエチン アルファBS注シリンジ「MYL」 ダルベポエチン アルファ
(遺伝子組換え)[ダルベポエチン アルファ後続3]
マイランEPD ネスプ 2019年 9月
テリパラチドBS皮下注キット「モチダ」 テリパラチド
(遺伝子組換え)[テリパラチド後続1]
持田製薬 フォルテオ 2019年 9月

一般社団法人 日本バイオシミラー協議会 日本で承認されているバイオシミラー(2019年12月13日更新)より作成
*最新情報を適宜ご確認下さい。

医療費節減が期待されます

近年、がん、糖尿病、関節リウマチなどの領域では、高い有効性を示すバイオ医薬品が開発され、使用量が増加しています。バイオ医薬品の開発・製造には高度な技術が必要で、巨額な費用がかかり、薬価はどうしても高額になります。そのため、国や健康保険の財政への影響が大きく、何らかの対策が求められています。
バイオシミラーの薬価は先行バイオ医薬品の薬価から新薬創出加算を除いた額の70%を基準として設定されていることから、バイオシミラーの使用促進により、医療費節減そして患者さんの経済的負担の軽減が期待されます。

● バイオシミラーの薬価(例)

先行バイオ医薬品に対して「同等・同質」であり、高度な類似性を有します

一般的に化学合成されるような低分子医薬品では、先発品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)は有効成分、品質特性、有効性・安全性の全てが同一です。一方、その名前が示すように、バイオシミラーの品質特性は先行バイオ医薬品と類似しているものの、全く同一というわけではありません。バイオシミラーの先行バイオ医薬品に対する「同等・同質」とは、品質特性が全く同一であることを意味するのではなく、品質特性において類似性が高く、かつ、品質特性に何らかの差異があったとしても、最終製品の有効性や安全性に有害な影響を及ぼさないと科学的に判断できることを意味します。そのため、バイオシミラーはジェネリック医薬品とは異なる規制審査プロセスが必要です。

バイオ医薬品は培養細胞、大腸菌などの産生細胞を用いて作り出される医薬品です。常に完全に同一の産生細胞を作ることは事実上不可能で、バッチ間において有効性・安全性に影響しない範囲内で品質特性に変動が認められることがあります。バイオシミラーもこれと同様で、先行バイオ医薬品と完全に同一の品質特性をもたせることは困難です。

● 先行バイオ医薬品とバイオシミラー、先発化学合成低分子医薬品とジェネリック医薬品の比較

先行バイオ医薬品 バイオシミラー 先発化学合成
低分子医薬品
ジェネリック医薬品
平面構造
(アミノ酸配列)
同じ 同じ
立体構造
(品質特性)
同等・同質
(高度な類似性)
同じ
有効性・安全性 同等・同質
(高度な類似性)
同じ
分子構造が巨大かつ複雑

先行バイオ医薬品と品質特性が
完全に一致したバイオシミラーの
製造は極めて困難
分子構造が小さく単純

化学合成が比較的容易で、
先発品とジェネリック医薬品の
品質特性、有効性・安全性は同一

厚生労働省 バイオシミラーの現状について(平成27年7月23日)、バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針(平成21年3月4日付 薬食審査発第0304007号)より改変

新薬に準じたプロセスを踏襲することで、「高度な類似性」が実証されています

バイオシミラーの製法はメーカーが独自に開発する必要があります。その上で、品質、有効性・安全性の観点から先行バイオ医薬品と高度に類似していることが実証されると、バイオシミラーとして承認されます。バイオシミラーの先行バイオ医薬品に対する高度な類似性は、品質分析、非臨床試験、臨床試験のそれぞれで、先行バイオ医薬品を対照薬とした直接比較により検証されます。また、日本人を組み入れた臨床試験を実施する必要もあります。このように、バイオシミラーに適用される承認申請プロセスはジェネリック医薬品とは異なり、新薬に準じたプロセスを踏襲しています。

●バイオシミラーの承認申請時に必要なデータパッケージ

承認申請時に必要な資料 新 薬 バイオシミラー ジェネリック医薬品
起源または発見の経緯および外国における使用状況など O O
製造方法並びに規格および試験方法など O O O
安定性 O O O
薬理作用 O O
吸収、分布、代謝、排泄 O ▲ O
急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、催奇形性、その他の毒性 O O
臨床試験の成績 O O

O:必須 ▲:個別に判断
荒戸照世: 臨床医薬30(2), 93-106(2014)、バイオ後続品の承認申請について(平成21年3月4日付 薬食審査発第0304004号)より改変

有効性・安全性は臨床試験により確認されています

バイオシミラーの承認申請時に臨床試験の成績として求められるのは、臨床薬物動態(PK)試験、薬力学(PD)試験、臨床的有効性の比較試験、そして臨床的安全性の確認試験の結果です。原則としてPKの同等性・同質性の確認が必要とされており、可能であれば臨床効果を反映するPDマーカーを選択して比較することが推奨されています。PK/PD試験によって同等性・同質性が保証できた場合は、有効性の比較試験は省略できることがあります。また、有効性と安全性は1つの試験で検討することもあります。さらに承認後は製造販売後調査が実施され、安全性プロファイルが追跡されます。

●バイオシミラーの臨床試験の流れ

薬理作用が同じであれば、効能・効果の外挿が認められています

先行バイオ医薬品が複数の効能・効果をもつ場合、効能・効果Aについて先行バイオ医薬品とバイオシミラーの有効性が同等・同質であり、かつ効能・効果Bにおいても薬理学的に同様の作用が期待できることを説明できれば、効能・効果Bをバイオシミラーにも外挿することができます。なお、効能・効果の外挿は、対照薬とした先行バイオ医薬品の効能に限られます。また、それぞれの効能・効果で薬理作用(作用機序)が異なる場合や作用機序が明確ではない場合は、効能・効果ごとに臨床試験を実施する必要があります。

●効能・効果の外挿

【参考】バイオ医薬品について ─その特徴と製造プロセス─

バイオ医薬品(バイオテクノロジー医薬品)とは、遺伝子組換え技術や細胞培養技術などを応用し、微生物や細胞がもつタンパク質(ホルモン、酵素、抗体など)を造る力を利用して製造される医薬品を指します。代表的なバイオ医薬品として、インスリン、インターフェロン、リツキシマブなどがあります。

●バイオ医薬品の特徴

バイオ医薬品は、化学合成の低分子医薬品に比べて分子量が大きく、構造が複雑であり、その品質特性は基本的に製造工程に依存します。すなわち、微生物や細胞の状態によって生産物が変わり得ることから、バッチ間で有効性・安全性に影響しない範囲内で品質特性に変動が認められることがあります。

●バイオ医薬品の製造プロセス

Q&A

  • バイオシミラーを使用する意義は何ですか?

    医療費節減、患者さんの経済的負担の軽減が期待されています。

    世界の医薬品の売上高上位の品目の多くをバイオ医薬品が占めています。バイオ医薬品は高い有効性を示す一方、開発費用が巨額のため薬価が非常に高く、健康保険や国の財源を圧迫する側面もあります。また、患者さんのなかには、高額療養費制度を利用しても経済的負担が大きく、治療継続を諦めざるを得ない方もいます。バイオシミラーの薬価は先行バイオ医薬品の70%を基準に設定されており、バイオシミラーを使用することで、医療費の節減につながり、患者さんの経済的負担の軽減が期待できます。

  • 薬価の設定基準はありますか?

    先行バイオ医薬品の薬価の70%です。

    バイオシミラーの新発売時には、先行バイオ医薬品の薬価から新薬創出加算を除いた額の70%を基準として設定されています。さらに、臨床試験の充実度に応じて、最大10%の加算が認められています。なお、以降はその他の医薬品と同様に、薬価改定時に使用実態に合わせ価格が改定されます。

  • 後発医薬品調剤体制加算および後発医薬品使用体制加算の対象ですか?

    バイオシミラーも対象になっていますが、先発品と薬価が同額又は高いものについては、診療報酬における加算等の算定対象とならない規格もあります1)

    最新の対象の確認は厚生労働省ホームページよりご確認下さい。

    1) 厚生労働省 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和2年2月1日適用)

  • バイオシミラーと先行バイオ医薬品は同じですか?

    バイオシミラーは先行バイオ医薬品と有効性、安全性について高度な類似性を示す医薬品です。
    そのため、先行バイオ医薬品と同じように使用できます。

    バイオ医薬品は、分子量が大きく構造が複雑であるため、多様性が排除できません。そのため、バイオシミラーと先行バイオ医薬品の品質特性は完全に同一ではありません。しかし、アミノ酸配列は先行バイオ医薬品と同一で、品質分析、非臨床試験、臨床試験から有効性、安全性に関する高度な類似性が実証されています。

  • バイオシミラーの安全性はどのように確認されますか?

    臨床試験にて安全性が確認され、承認後は製造販売後調査が実施されています。

    バイオシミラーは安全性に関する臨床試験が行われています。また、免疫原性については、経験的にバイオ医薬品で懸念されており、治験段階から、特に検討の必要性の高い項目として情報収集が必要とされます。しかし、非常に頻度の低い安全性上の問題を治験のみで明らかにすることは、先行バイオ医薬品でも非常に困難であるため、市販後にも引き続き、免疫原性の検討を含む安全性に関する調査を実施する必要があります。そして、製造販売後調査実施中は、得られた情報が定期的に報告されています。

  • なぜジェネリック医薬品とは区別して取り扱われるのですか?

    バイオシミラーは分子量が大きく、複雑な構造であるため、ジェネリック医薬品とは異なる規制審査プロセスを必要とするためです。

    ジェネリック医薬品は分子構造が小さく、構造が単純で、化学合成も比較的容易です。そのため、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与する製剤であれば、治験を実施しなくても先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品として承認されます。一方、先行バイオ医薬品と品質特性が完全に一致したバイオシミラーを製造することは極めて困難です。そのため、バイオシミラーには、新薬に準じた試験成績の提出が求められています。

  • バイオシミラー開発時の臨床試験はPK試験だけでは不十分なのはなぜですか?

    バイオシミラーの血中薬物濃度の推移が先行バイオ医薬品と同じであっても、有効性や安全性に差異がある可能性があるからです。

    血中濃度の測定だけでは、有効性のプロファイルまでは評価できません。また、バイオシミラーと先行バイオ医薬品は品質特性に高度な類似性はあるものの、何らかの差異がある可能性は否定できず、その差異が有効性や安全性に有害な影響を及ぼしていないかどうかを確認する必要があります。原則としてPKの同等性・同質性の確認が必要とされており、その上で、有効性と安全性も同等・同質であるかどうかが確認されます。

  • バイオシミラーの承認申請データに日本人は含まれていますか?

    日本人を組み入れた臨床試験を実施する必要があります。

    先行バイオ医薬品との同等性を検証するPK試験または有効性試験(PD試験を含む)の少なくともいずれか一方は、日本人を組み入れて実施する必要があります。また、日本人を組み入れた国際共同試験として実施する場合は、日本人集団の結果と全体集団の結果に矛盾がないことを説明できるような計画とすることが必要とされています。

2020年2月時点

KKC-2020-00779-1

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