KYOWA KIRIN

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施設紹介

社会福祉法人
京都社会事業財団

西陣病院

最新医療から看取りまで─ 高齢透析患者の最期を支える

〒602 - 8319 京都市上京区五辻通六軒町西入溝前町1035 番地 http://www.nisijin.net/

施設紹介
  • 柳田國雄

    西陣病院 副院長・内科部長

    1983年京都府立医科大学医学部卒業後,同大学第一内科に入局。社会保険京都病院内科,京都府立洛東病院第四内科など京都府内の総合病院勤務を経て2003年より現職。総合内科的視点で患者さんを診る全人的医療を実践。地域に密着した優しい医療を目指す。各医師が最新の医療技術を習得しながら,高齢患者さんの複合的な病態もみられるように後進の指導に力を入れる。

  • 今田直樹

    西陣病院 腎臓・泌尿器科部長/透析センター長

    1988年京都府立医科大学医学部卒業後,同大学泌尿器科に入局。静岡県清水厚生病院泌尿器科や名古屋泌尿器科病院,京都府立医科大学泌尿器科勤務を経て1997年に西陣病院泌尿器科医長に就任,2007年より現職。透析センター長として透析センターのリニューアルや「にしがも舟山庵」併設「にしがも透析クリニック」開設の指揮をとり,スタッフを率いて地域の透析医療の中核を担う。

京都市北西部の中核病院として二次救急を担い,地域に密着した福祉医療を提供して約80年の歴史を有する社会福祉法人京都社会事業財団 西陣病院。「一般診療」と「透析医療」を2本柱に,各診療科・専門職が相互に緊密な連携をとりながらチーム医療で総合診療を行っている。2007 年にリニューアルされた透析センター(125床)では,透析患者の終末期までのトータルケアを掲げるほか,2010年には特別養護老人ホーム「にしがも舟山庵」併設「にしがも透析クリニック」を開設し,高齢者の透析医療という全国的な課題に1つの道筋をつけた。副院長で内科部長の柳田國雄先生と腎臓・泌尿器科部長で透析センター長の今田直樹先生に,病院の特徴や地域における役割,日常診療にかける思いについてお話を伺った。

一般診療と透析医療を柱に総合診療を提供

特別養護老人ホーム「にしがも舟山庵」に併設した「にしがも透析クリニック」.本人と家族にとって,終の棲家で安定した透析を受けられるという安心感は大きい.

病院の沿革と現在の診療体制を教えてください。

柳田 当院は,1934 年に京都府社会事業協会(当時)により大報恩寺(千本釈迦堂)の境内に西陣診療所として開設されました。その2年後には西陣救療所を併設して入院医療を開始。1950年に名称を現在の西陣病院に改め,地域に密着した良質な福祉医療の提供を使命として,約80年間にわたり施設規模の拡大と医療内容の充実を図ってきました。現在は,社会福祉法人京都社会事業財団を母体とし,関連施設には京都桂病院をはじめ,保育施設や児童養護施設,老人介護施設などがあります。

現在は22 診療科・320 床を有する中核病院として機能しており,一般急性期病床4病棟,地域包括ケア病床1病棟,障害者病床2病棟の構成となっています。入院・外来患者ともに上京区と北区在住の方が中心で,全体の約7割を占めます。当院の大きな特徴は「一般診療」と「透析医療」を柱として,各診療科・多職種が相互に連携をとりながら総合診療を行っているところです。透析医療は1972 年に腎臓科を設置してスタートし,1999 年に透析センターを開設。2007 年には病院本館の増改築に合わせ,3フロアに分かれていた透析センターをワンフロアに集約し,115 床(現在は125床)の快適な透析環境を整備しました。2010年には京都社会事業財団が特別養護老人ホーム「にしがも舟山庵」に隣接するかたちで「にしがも透析クリニック」を開設。透析患者さんの高齢化という社会的な問題に対応する先進的な取り組みを行い,透析患者さんの終末期に向き合っています。

内視鏡検査の実施数増加にともない2016年拡張リニューアル.スタッフルームでは各検査室の内視鏡
画像,X線画像,バイタルサインをモニターで確認しながら忌憚のないディスカッションが行われる.

西陣病院の「強み」は何でしょうか。

柳田 各診療科間の垣根が低いことです。低いというより「ない」と言ったほうが正しいかもしれません。お互いの顔と名前が一致する規模ですし,医局もすべての診療科がワンフロアに収まっているため,自然と電子カルテを見ながらのミニディスカッションが始まります。特に高齢の透析患者さんはほとんどの方が複数の疾患を併せもっていますので,他科との連携は不可欠です。当院では,透析センターの医師が主治医として管理しながら緊急時には他科の医師に声をかけ,連絡を受けた医師はすぐに透析センターのベッドサイドに駆けつけて対応するなど,院内他科連携は非常にスムーズに行えています。

また,当院のある西陣地区は京都市の中でも少子高齢化が進んでおり,老老介護や高齢者の一人暮らしも多い地域です。当院には5 人のソーシャルワーカーが在籍し,充実した支援を行っています。急性期治療後はできるだけ在宅で過ごすというのが国の基本方針ですが,身体状況や環境,介護者,経済面などの条件は個々の方で異なります。退院に向けてはソーシャルワーカーが中心となり,訪問看護師やケアマネジャー,地域の開業医などと連携して環境を整備し,状態が悪くなればまた当院で診るというサイクルで,地域で安心して過ごしていただける体制づくりを行っています。当院では介護者が休養するためのレスパイト入院も受け入れており,大病院とはまた異なる小回りのきく病院として地域の方に活用していただきたい,それこそが当院の役割であると考えています。

病気だけではなく"人生"をみる全人的医療を実践

高齢の患者さんを多く診療される中で感じる難しさについてお聞かせください。

柳田 当院のある西陣地区は70 代の患者さんが来られたら「若い」と感じるほど高齢化の進んだ地域であり,なかには100歳を越えた入院患者さんもいらっしゃいます。高齢の方の場合は,病気が発見されたからそれに対する治療を行えばよいという単純なものではありません。病気を治しても生活の質(QOL)が低下する可能性もありますので,患者さんやご家族のニーズを捉えて,病気だけでなくその方の生活や人生もみていくことが求められます。また,身体機能が低下した高齢者に対する薬物療法に関しては薬効や副作用のエビデンスが乏しく,患者さんの状態によっても至適用量が異なりますので,当院に蓄積した経験をもとに処方を行っています。さまざまな疾患を併せもつ高齢者の治療は難しい面もありますが,当院では高齢者に多い誤嚥性肺炎や尿路感染症などはどの診療科の医師でも自ら対応しており,全人的な医療を実現する姿勢が養われています。

CKDから終末期まで透析患者さんをサポート

2007年にリニューアルした透析センターの特徴をご紹介ください。

図1

図1 運営会議・連絡会議を核にした多職種による透析関連委員会

今田 透析導入期,維持期,重症の3フロアに分散していた透析センターをワンフロア125床に集約しました。フロアをA・B・C の3ブロックに区切り,重症度ごとに透析開始時間をずらすことで,患者さんの利便性を高めるとともに業務の効率化を図っています。現在,約400人をフォローしており,約9割が外来通院,約1割が入院患者さんです。スタッフは腎臓・泌尿器科医7名,看護師40名,臨床工学技士26名が中心となりチーム医療を展開するとともに,外科,整形外科,消化器内科,循環器内科,糖尿病内科,呼吸器内科,麻酔科,放射線科,皮膚科,眼科など他科の医師と連携し,病院全体で透析患者さんの全身管理を行っています。そのほか,透析患者さんに重要な問題に対しては,フットケア委員会やバスキュラーアクセス委員会,糖尿病管理委員会,リンカル(リンカルシウム)委員会などの委員会を設置し,月1回開催の「透析連絡会議」にて各委員会の課題を取り上げ改善を図っています(図1)。また,業務の効率化と安全面の向上を目指して,2012年に透析支援システム「Future Net Web+」を導入し活用しています。

Future Net Web+とはどのようなシステムですか。

表1 Future Net Web+導入による透析業務・注射業務の改善点

透析通信システムFuture Net Web+ 導入により

注射業務の何が変わった?

  • 注射ラベルが発行されるので,薬剤名や患者氏名を手書きする必要がない。
  • 注射ラベルにベッド位置が印字されているので,配薬がスムーズに行える。
  • 透析コンソールに投与薬剤が表示されるので,投与時に内容確認ができる。確認操作で薬剤名が記録される。
  • 透析スケジュールに変更があっても,スケジュールの変更操作のみで薬剤も連動して変更される。
  • 使用する薬剤品目・個数が計集できるので在庫管理が容易。不良在庫が発生しない。

透析通信システムFuture Net Web+ 導入により

透析業務の何が変わった?

透析記録などが紙ベースの時と比べて

  • 転記作業が不要。
  • 透析記録への書き込みに待ち時間がない。
    透析コンソールからも一定の愁訴・処置の記録が可能。
    静脈圧・透析液圧・除水量は自動入力。
    コンソール連動の自動血圧計なら値も自動入力。
  • 透析記録が倉庫に行かない。
    保管場所が増えない。
    過去の透析記録をいつでも見ることができる。
    ワード検索で関連記事を自動収集できる。
  • 個性豊かな文字との格闘不要。FAXしても文字が擦れない。
  • その他,多数。

今田 透析センター内の機器をネットワークでつなぎ,透析業務で発生する計算や透析記録用紙への記入を不要にするものです。たとえば,それまで体重測定の際にはスタッフが体重計の数字を見て用紙に記入していましたが,Future Net Web+ では体重計から体重の数値が転送されるため,車椅子の方の体重測定は半分以下の時間に短縮されました。透析条件もコンソールにそのまま入力されるため計算ミスの心配もありません(表1)。また,注射業務においても,これまで医師の指示により一覧表を準備し,注射器に手書きで薬剤名と患者氏名を記入していましたが,Future NetWeb+では複雑な投薬パターンの管理も簡単にでき,かつ投与内容に応じたシールが発行されます。シールには薬剤名と患者氏名に加えベッド番号も記載されるため,配薬がスムーズに行えます。透析スケジュールの変更があった場合にも,スケジュールの変更操作のみで薬剤も連動して変更されますので,利便性の向上に加え安全性が高まりました(表1)。実際に,注射準備から投与に至るまでのインシデント・アクシデントが導入前は年間25件(2005年)あったのに対し,導入後は7 件(2015 年)に減少しています。

透析センターではどのような透析医療を目指していらっしゃいますか。

今田 われわれのモットーは,「慢性腎臓病(CKD)から終末期までトータルで診療する」ことです。そのため各患者さんに主治医だけではなく,担当看護師と担当ソーシャルワーカーを決め,ご家族とも密に連携をとりながら長年にわたるお付き合いをさせていただいています。病棟内には,ベッドに寝たままの状態で透析が行える処置室を8 床設け,寝たきりの患者さんでもベッドごと搬送して透析を行うことができる体制を整えています。

ほとんど壁のない広々としたワンフロア構造.中央に配置した作業スペースからは全体を見渡すことができる.

CKD の早期発見・早期介入のために実施されている取り組みがありましたら教えてください。

今田 2010年にCKDの進行抑制を目的とした「CKD外来」を開設しました。週2日の予約制で,血液検査や検尿などの検査に加え,管理栄養士による栄養指導などの生活指導を行っています。また,希望者には3泊4日の「CKD 教育入院」を実施しています。「CKD教育入院パス」と入院中にシャント造設を行う「シャント造設CKD 教育入院パス」の2 種類を運用し,腎機能や心機能の精査とよりきめ細やかな生活指導を行っています。

かかりつけ医との連携には「CKD医療連携パス」を活用しています。開業医の先生が診療している患者さんの腎機能が低下してきたときには,当院のCKD外来を利用していただき,腎機能の評価と行うべき治療内容についてフィードバックしています。

現在,20 名に運用していますが,日常の診療は開業医の先生に行ってもらいながら,当院を定期受診いただくという循環型のパスになりますので,連携パスは1冊のファイルにまとめ,検査結果や処方内容,推奨する食事内容,鉄剤・エリスロポエチン製剤の服薬管理表,CKD 外来受診スケジュールなどを綴じて,患者さんに持参していただくかたちで情報共有を行っています。

高齢者の透析医療の新たな道筋

「にしがも舟山庵」併設「にしがも透析クリニック」は,高齢者の透析医療という全国的な課題に解決の糸口を提示するものではないかと思います。開設の経緯をお聞かせください。

柳田 透析医療の進歩により透析患者さんの予後は劇的に改善され,同時に高齢の透析患者さんが増加しています。高齢の透析患者さんの中には高齢者のみの世帯や一人暮らしの方も多く,十分な介護を行える身内のいない患者さんは,年を重ねるごとに週3日の通院が困難になっていきます。しかし,現行の医療制度の下では,そうした患者さんを急性期病院で長期入院として受け入れることは難しく,介護保険施設では透析が必要な患者さんは敬遠される傾向にあります。そこで当院の母体である京都社会事業財団が京都市から依頼を受け,特別養護老人ホーム「にしがも舟山庵」に透析クリニック「にしがも透析クリニック」を併設した複合施設が誕生したのです。にしがも舟山庵は定員80名のうち透析を要する方が20 名という構成ですが,開設当初から非常に反響が大きく,現在,多くの方に入所をお待ちいただいている状況です。

今田 私は日頃から,患者さんやご家族には「透析センターの患者さんは西陣病院の患者さんですから」とお伝えし,合併症発症時の入院治療という受け皿があることで安心感をもっていただけるよう努めてきましたが,加えて透析医療を受けられる特別養護老人ホームという選択肢も提示できるようになったことは,患者さんの大きな安心につながっていると思います。にしがも舟山庵では,施設に入所しながら安定した透析医療を受けることができるほか,適切な透析食が提供されますし,急変時ににしがもクリニックで対応できない場合には西陣病院が連携して緊急対応を行います。入院設備のない透析クリニックに通院されている患者さんも年をとりますから,全国的にこのような施設の必要性は高まるのではないでしょうか。また,クリニックのスタッフは看取りまで携わる経験ができ,舟山庵のスタッフは透析患者さんへの対応スキルが身につくため,スタッフにとっても,モチベーションを常に高く維持して取り組めるという利点もあります。

地域医療の要となる病院に

最後に,今後の抱負をお聞かせください。

今田 透析センターに通院されている方が,合併症を併発しても,高齢になり通院が難しくなっても,できる限りの対策を講じ,安心して最期を迎えていただけるように努めたいと思います。そして患者さんやご家族に「西陣病院で最期を迎えられてよかった」と思っていただければこれほど嬉しいことはありません。

柳田 スタッフが心身ともに健康を保ち,力を存分に発揮できるようサポートしていきたいですね。そのうえで社会のニーズに合った医療を提供し,地域の方々に喜んでいただける良質な医療の提供を実現していきたいと思います。さらに,地域医療を支える介護職や訪問看護師など患者さんをサポートする仕事をされている方たちの力になれる病院でありたいと考えています。また当院は,これまでも最先端の医療を積極的に導入してきましたが,今後も若手の医師が新しい技術を習得できる働きがいのある病院づくりを目指していきたいと思います。

職員食堂の窓から見える大文字.「職員を大切に」との思いから,最もロケーションのよい場所に職員食堂がつくられた.

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