KYOWA KIRIN

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施設紹介

医療法人社団
緑成会

横浜総合病院

地域の医療ニーズに応える診療体制の構築
─脳神経疾患診療の充実と認知症への早期対応を目指して

〒225 - 0025 神奈川県横浜市青葉区鉄町2201-5 http://yokoso.or.jp/

施設紹介
  • 横内 哲也

    横浜総合病院 副院長/
    脳神経センター長

    1987年東邦大学医学部卒業後,同大学脳神経外科学教室に入局。スイス・ジュネーブ大学病院,スペイン・カタルーニャ総合病院などを経て2005年より横浜総合病院脳神経外科に勤務し,外科的手術と脳血管内治療を中心とした質の高い脳卒中医療をはじめ,脳神経疾患全般の充実した診療を実践。現在,同院副院長ならびに脳神経センターのセンター長を務め,急性期病院としてのさらなる発展を目指している。

  • 長田 乾

    横浜総合病院
    臨床研究センター長

    1978年弘前大学医学部卒業後,群馬県脳血管研究所美原記念病院神経内科での研修を経て,1983年より米国・コロラド大学神経内科に留学。1984年の帰国以来,2016年3月まで約32年間にわたり秋田県立脳血管研究センターに勤務し,脳卒中の研究・治療に携わるほか,2004年に同センターに開設された「もの忘れ外来」で認知症診療を担う。2016年4月より現職に就いた後も毎月秋田県へ足を運び,認知症患者さんのケアを続けている。

横浜市北部の中核病院として40年近く地域医療を支えてきた横浜総合病院は,13診療科300床を有し,救急から専門診療まで質の高い医療を幅広く提供している。近年は外科・内科といった壁を越え,各科専門医が連携して診療にあたれるよう,各種センター(脳神経センター,ハートセンター,消化器センター,腎センター,創傷ケアセンター,健診センター)を開設し,地域の中で医療が完結する診療体制の構築を推進する。2016年10月より新体制でスタートした脳神経センター(脳神経外科・神経内科)にて外科部門を率いる副院長で脳神経センター長の横内哲也先生と,内科部門を率いる臨床研究センター長の長田乾先生に,センターの現状や特徴,それぞれの役割,地域での取り組みなどについてお話を伺った。

救急医療から専門的な医療までを担う脳神経センター

2016年10月より脳神経センターは新体制でスタートしました。発足の経緯についてお聞かせください。

横内 これまで,当院には神経内科が設置されていなかったため,われわれ脳神経外科医が脳神経疾患全般の診療を行ってきました。しかし,神経内科的疾患を抱える患者さんに安心・納得して治療を受けていただくには,やはり専門医による診断が必要です。一般の方々の疾患に対する知識レベルも向上しており,ますますその必要性は高まっています。こうしたニーズに応えられるよう,当院では秋田県立脳血管研究センター(以下,秋田脳研)で認知症の先駆的な診療を行ってこられた長田先生を中心とする「もの忘れ診療チーム」を招聘し,2016年4月より「物忘れ外来」を開設するとともに神経内科疾患の診療に力を入れてきました。そして,2016年10月には脳神経外科と「物忘れ外来」を含む神経内科を集約した脳神経センターが発足し,脳血管障害,頭部外傷,腫瘍性疾患,脊髄・末梢神経疾患などの外科的治療から内科的治療までを行っています。

脳神経センターの診療体制や外来患者さんの特徴などについて教えてください。

横内 脳神経外科部門は,院長の平元周先生と私を含む4名の医師が,神経内科部門は5名の医師が受けもつ中,長田先生をはじめとする3名の先生方は「物忘れ外来」も兼務しています。脳神経外科では,脳卒中や頭部外傷の急性期医療,脳血行再建術,脳腫瘍の診療の充実に努め,さらに開頭手術などの外科的治療から脳血管内治療まで対応できる体制を整えています。また,専門医が24時間常駐し,いつでもMRI撮影や緊急手術を行える体制を整えているほか,脳神経疾患病棟(50床)には脳卒中ケアユニット6床を併設して急性期治療と同時に早期リハビリテーションを提供しています。一方,神経内科では,「物忘れ外来」による認知症への早期対応を強化するとともに,全身を診る内科的アプローチで各種神経内科疾患に対応しています。

脳神経センターの外来患者数は1日あたり平均100~120名で,横浜市北部および川崎市北部から来院される患者さんの割合はおよそ半々です。この辺りは長寿地域のため高齢の患者さんが多く,100歳近い患者さんが自宅から徒歩で来院し,外来を受診することも珍しくありません。外来を受診する患者さんの多くは頭痛,めまい,しびれなど脳神経疾患が疑われる症状を主訴とするほか,頭部を打撲して来院される方などがいらっしゃいます。

長田 当院では一般の神経内科外来に加えて「物忘れ外来」を月曜日から土曜日まで毎日診察しており,予約なしで来院された方も受け入れています。「物忘れ外来」が設置されてから半年も経たないうちに,私が受けもつ患者さんは100名を超えました。当院に専門外来が設置されたことを知って受診されたり,近隣の医療機関や院内他科からの紹介で受診されたり,きっかけはさまざまです。

天井が高く明るい通路を抜けると脳神経センター.
外科的治療から内科的治療まで脳に関する総合的な診療を担う.

脳神経外科と神経内科を集約した脳神経センターで,特に注力されていることは何でしょうか。

横内 神経内科を併設したこともあり,パーキンソン病関連の治療に力を入れています。認知症の患者さんや脳卒中後の患者さんの中にはパーキンソン病の症状がみられる方も少なくないため,双方の治療を同時に受けていただけるようになったことは集約のメリットのひとつです。最近では,パーキンソン病治療薬の進歩にともない,多面的な治療が可能となりましたので,患者さんの良好な予後に大きく貢献できると考えています。

長田 近隣にはパーキンソン病を専門とする医師が少ないため,われわれが積極的にパーキンソン病診療を行っていきたいと考えています。横内先生がおっしゃったように,画期的な治療薬が登場したことによりパーキンソン病の生命予後は著しく改善し,天寿を全うできるようになったことから,パーキンソン病患者の3分の1程度の人が認知症を発症するといわれています1)。認知症の発症を予防するうえでも,パーキンソン病に対する適切な診断・治療は重要です。

脳神経外科と神経内科が集約されたことによるメリットはありますか。

脳神経外科と神経内科の診察室が並んでいる脳神経センター.行き来しやすく,患者さんにとってもスタッフにとっても利便性が向上した.

横内 脳神経外科医と神経内科医が日常的にFace to Faceで患者さんの情報を共有できる体制にありますので,初診で患者さんが来られた時に受けもつ診療科をスムーズに振り分けることができ,医師も患者さんもストレスを感じることなく治療に臨めるというメリットがあります。また,われわれのもっていない知識を神経内科の先生方から得られるのも大きなメリットです。脳神経外科と神経内科で互いにもっている知識の質・量ともに充実させることができれば,患者さんに伝えられる情報も増えますので,当センターを受診する患者さんにより安心な医療を提供できると思います。

長田 脳神経外科と神経内科の外来診察室はL字型につながっていて行き来しやすく,脳神経疾患が疑われる症状をもつ患者さんが受診するには利用しやすい環境にあると思います。また,風通しがよく,双方の医師が情報を共有するのに適した環境です。われわれ神経内科医としては,これまで脳神経外科の先生が中心となって診ていた神経内科疾患の診療を引き継ぎ,脳卒中の再発予防などにも携わっていきたいと考えています。

地域の医療ニーズを見据え,「物忘れ外来」を開設

「物忘れ外来」を受診する患者像から見えてくる地域特性はありますか。

長田 以前の勤務先である秋田脳研の「もの忘れ外来」を受診する患者さんの平均年齢は78歳くらいでしたが,当センターでは80代半ばとかなり高齢になってから物忘れが心配になり,受診される方が多く見受けられます。これは,生活環境の違いが大きく影響していて,地方に比べて都心では交通の利便性が高く高齢者でも電車やバスを使って移動しやすいほか,高齢になっても就労している方が多いため,認知症の発症が比較的遅い傾向にあると考えられます。また,当院のある横浜市青葉区の平均寿命は全国市区町村の中でも男女ともに上位であり,長寿地域とされています。つまり,この地域はこれから認知症を発症する高齢者数が増える可能性が高いことから,平元院長の考えのもと,認知症を包括的に診る医療体制を整え,地域にさらに貢献していくことを目指してわれわれが招聘されました。

横浜総合病院の「物忘れ外来」の強みについて教えてください。

長田 秋田脳研で物忘れ診療を一緒に行っていた神経内科医の山﨑貴史先生,髙野大樹先生に加え,認知機能の評価に特化したトレーニングを受けた臨床心理士がおり,認知症の診療経験豊富なスタッフが揃っているところが強みのひとつです。われわれは,神経心理学あるいは認知神経科学的側面から認知症患者さんの症状を詳細に分析することが得意であり,MRIなどを駆使した画像診断を組み合わせて総合的に認知症を診断しています。

また,家族介護者の教育にも力を入れています。認知症のBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)と呼ばれる行動・心理症状は家族の対応に起因することもあるため,診察にはできるだけご家族にも同席していただき,病気の基礎情報や怒らない対応が症状改善に貢献することなどを時間をかけてわかりやすく説明するよう心がけています。そのほか,病歴,治療歴,介護認定などの状況,ご家族との関係など患者さんの背景を丁寧に聞いたうえで介入するようにしていますので,患者さん一人あたりの診療時間は最低でも30分,新患の場合は1時間くらいかかることもあります。

「物忘れ外来」の今後の展望についてお聞かせください。

長田 画像検査に血流の低下状況などを調べる脳血流SPECT検査などを導入し,より精度の高い検査・診断を行っていきたいと考えています。また,現在,認知症の心理検査を担う臨床心理士は常勤1名,非常勤2名体制ですが,今後は再診の患者さんも多く来院されますので,即戦力となる臨床心理士を増員し1日に対応できる患者数を増やしたいと思います。

脳神経外科,神経内科,物忘れ外来が集約された脳神経センターの待合室.

地域における医療連携・支援に向けた取り組み

脳卒中の急性期治療後の診療連携において,工夫されている取り組みはありますか。

横内 回復期リハビリテーション病院の先生方とはカンファレンスを実施して,患者さんの経過について情報交換を行っています。また,かかりつけ医の先生方に定期的な血液検査の実施と危険因子の管理をお願いし,当センターでは年に2回ほど脳の検査を実施して,患者さんの経過を共有するかたちで再発予防に向けた連携を進めています。

認知症診療の地域連携はどのように進めていますか。

長田 横浜市北部の地域は認知症の専門医が少なく,これまで十分な地域連携ができていなかったようです。そこで,近隣地区の先生方にわれわれの存在を知ってもらい,当院の「物忘れ外来」に認知症の患者さんを紹介していただけるよう研究会や講演会を通じて働きかけています。また,地域のソーシャルワーカーやケアマネジャーがもち寄った症例についてディスカッションを行う事例研究会もスタートし,認知症を支える地域連携の取り組みが進みつつあります。そのほか,青葉区役所が近隣地区の認知症診療にかかわる医療機関の関係者を集めて開催する連絡会議が定期的に行われており,各地区の先生方と連携しやすい環境が整っています。

認知症への早期対応に向けた地域での取り組みについて教えてください。

長田 現在,横浜市では政府が推進する「認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業」が展開されており,青葉区は当院が中心となって進めています。認知症初期集中支援チームのメンバーは専門医,看護師,保健師,作業療法士,社会福祉士,介護福祉士など。地域の認知症が疑われる人や認知症の人のもとを訪ねて,病院への受診を促したり受診の必要性を判断したりすることにより,早期診断・早期対応に向けた支援を行っています。

さらに,当院では健診にも力を入れており,2016年6月から院内の健診施設を近隣の駅近くに移転して,私が施設長を務める「あざみ野健診クリニック」を開設しました。当クリニックでは人間ドック,各種健診,がん検診などを実施するとともに,2016年10月より認知症の予防・早期発見に向けて「メモリードック」を開始しています。メモリードックでは,神経心理学的検査,MRIによる画像検査,血液検査,心電図検査などを行うほか,認知症の兆候のひとつとされる運動機能低下をきたしているかを調べるために歩行速度や握力などの測定,社会活動に関する聴取を行い,認知症のリスクを総合的に判断します。また,認知症を促進する生活習慣病や動脈硬化などにも着目し,認知症発症前の予防指導もあわせて行う予定です。

地域医療の柱となる認知症医療・脳卒中医療

最後に,どのような認知症医療,脳卒中医療を目指しているかお聞かせください。

長田 認知症の根本的な治療法はいまだ確立されていませんが,脳卒中の合併を予防し,高血圧,糖尿病,脂質異常症,心不全,心房細動,さらには慢性腎臓病(CKD)などのいわゆる血管性危険因子をしっかり治療・管理することによってアルツハイマー病を含む認知症の発症や進行を遅らせることができると考えられています。こうした血管性危険因子,すなわち生活習慣病に対して総合的な内科的アプローチができるのは総合病院の強みだと思います。認知症治療は頭部だけでなく全身の治療・管理が必要な時代に入ってきていますので,物忘れ診療チームでは,これまでの経験から得たあらゆる知識を駆使し,根本治療に近づける総合的な対応をしていきたいです。

横内 脳卒中の急性期医療において,神経内科の先生方の力もお借りしてより多くの患者さんを救うことはもちろんのこと,一人暮らしや夫婦二人暮らしの高齢者は,緊急事態が発生した場合の対処に不安を抱えながら暮らしていますので,そうした不安を取り除いてあげられる存在でありたいと思っています。普段はかかりつけ医を受診している患者さんが一度でも当センターを受診していれば,緊急時に相談・対応できるような体制を築いていきたいです。

また,脳神経外科では平元院長を中心に患者さんの生活背景や心のケアにも配慮した医療を実践し,治療法に選択肢が生じた時などは患者さんやご家族の本音を引き出して治療方針に反映するよう心がけてきましたので,多くの患者さんに満足いただけているのではないかと自負しています。厚生労働省が推進する地域医療構想に向け医療機能の分化が進む中,当院のような急性期病院が回復期以降の治療にも携わることは難しい時代になりつつありますが,開院以来約40年間,地域に密着した医療を行ってきた実績に基づき,可能な限り対応していきたいと考えています。

長田先生と神経内科(物忘れ外来)のスタッフのみなさん.
認知症診療の経験豊富なエキスパートが揃う.

引用文献

  1. 1.Aarsland D, et al. Mov Disord. 2005; 20: 1255 - 63.

KK-17-03-17849

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