KYOWA KIRIN

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施設紹介

公立

陶生病院

地域住民の期待に全力で応える,医療圏唯一の公立病院

〒489 - 8642 愛知県瀬戸市西追分町160番地 http://www.tosei.or.jp/

施設紹介
  • 酒井 和好

    公立陶生病院 院長

    1975年名古屋大学医学部卒業。公立陶生病院にて研修後,1979年名古屋大学医学部附属病院第二内科を経て,1982年より公立陶生病院勤務。循環器内科部長,医局長,副院長を経て2006年より現職。専門分野は循環器内科学全般。全国自治体病院協議会常務理事,全国公立病院連盟理事。「地域住民から何を期待され,それにどう応えていくか」を常に問いながら病院経営を行い,医療の質と経営の質両面の向上に力を尽くす。

  • 吉岡 修子

    公立陶生病院
    内分泌・代謝内科
    主任部長兼栄養管理部長

    1988年名古屋市立大学医学部卒業。公立陶生病院にて初期研修後,1995年名古屋大学医学部糖尿病・代謝内科に入局。関連病院勤務を経て2006年より公立陶生病院勤務。内分泌・代謝内科を新たに立ち上げ,現在は,同科主任部長と栄養管理部長を兼務。生活習慣病対策チーム,栄養サポートチームに参加し,多面的に患者さんを支える医療を提供するとともに,チーム医療の担い手であるスタッフの育成にも力を注ぐ。

名古屋市の北東約20kmに位置する「せともののまち」愛知県瀬戸市一帯の公立病院として,80年の歴史を有する公立陶生病院。地域住民の願いである「24時間365日断らない救急」を使命としてきた同院は,急性期医療部門を集約した新病棟(西棟)の稼働と同時に,長年の悲願であった救命救急センターに認定された。常に地域住民に寄り添いながら,求められ,それに応える病院づくりを志向してきた院長の酒井和好先生と,急性期病院において手薄になりがちな慢性疾患の生活指導や地域医療連携を推進する内分泌・代謝内科主任部長の吉岡修子先生にお話を伺った。

「断らない救急」を支える新病棟が稼働

病院の成り立ちと地域での役割について教えてください。

酒井 当院は「瀬戸地域に病院を」という地域住民の強い要望のもと,9,000人もの人々が一口10円という当時としては大金を出資することによって,1936年10月に開設されました。1959年には瀬戸市,尾張旭市,長久手町(現 長久手市)の2市1町が組織する組合立病院となり,現在は28診療科,701床に規模を拡大。尾張東部医療圏の中核病院として,幅広い診療機能をもつとともに,救急医療に力を注いでいます。

1人でも多くの命を救いたいとの思いから「ラピッドレスポンスカー(乗用車型ドクターカー)」の運行を開始した.

2014年1月には,新たに急性期医療部門を集約した地上9階・地下1階建ての西棟が運用を開始。念願であった救命救急センターの指定を受けることができました。救急医療に力を入れているのは,当然のことですが,地域住民は「いつでも何でも診てくれる病院」を望んでいるから。そのため,「24時間365日絶対に断らない救急」をモットーに,いつどんな場合でもできる限りの救急医療を提供できるよう救急医療体制の充実に取り組んできました。もちろん,三次救急を担うようになったからといって一次や二次の救急患者さんを断るわけではありません。現在,年間の救急外来患者数は27,305人,うち救急車搬入患者数は6,641人に上ります(データは2015年度)。また,2001年から医師が同乗する救急車「ドクターカー」を出動させていましたが,2015年にはさらなる救命率の向上を図るため,当院所有のラピッドレスポンスカー(乗用車型ドクターカー)の運用を開始し,週3回運行しています。いち早く医師を現場に投入することで,できるだけ早期に適切な治療を開始できるようにしています。

新病棟の西棟はどのような点にこだわって建設されたのでしょうか。

西棟の屋上にはヘリポートを設置。ドクターヘリによる患者の移送に加え,大規模災害の発生にも対応できる体制が整った。

以前の建物は救急外来と手術室のフロアが異なり,重症の患者さんを100m以上も移送しなければならない非効率な構造でした。そこで,新たな西棟は患者さんに負担の少ない動線を第一に考えました。1階の救命救急センターの一角に緊急手術が行える処置室を設け,レントゲンやCT,内視鏡室もその近くに配置しました。2階には集中治療室と血管造影室を隣り合わせで配置。3階には手術室を10室設け,うち1室には内視鏡手術支援ロボット・ダヴィンチを設置しました。手術台と心・脳血管X線撮影装置を組み合わせたハイブリッド手術の導入を想定した仕様の手術室も1室あります。4階は病理部と中央材料室を整備。5~8階は主に外科系の病棟を配置しました。屋上にはドクターヘリや防災ヘリにも対応できるヘリポートを設置し,東海地震・東南海地震の発生が懸念される中,災害拠点病院としての機能も充実しています。

今後,病棟と診療・診療支援,経営管理の各部門を"新東棟"と"南棟"に再編・整備し,2019年にはすべての工事が完了する予定.地域医療の砦として,病院機能の整備・強化を続ける.

がん診療と地域医療連携が大きな柱

地域の基幹病院として,急性期医療のほかにはどのようなことに力を入れていらっしゃいますか。

酒井 ニーズの高いがん診療にも力を入れており,胃癌,大腸癌,肝癌,膵癌などの消化器癌や,乳癌,前立腺癌,さらに白血病や悪性リンパ腫など血液癌の治療,緩和ケアなどに幅広く取り組んでいます。2007年には尾張東部医療圏の地域がん診療連携拠点病院に指定され,地域の医療従事者を対象とした研修会や医療講演会,市民公開講座の開催,当院スタッフが地域に出向いて相談に応じる「出張がん相談」などを行い,地域のがん医療向上に努めています。

また,当院の3本目の柱といえるのが地域医療連携です。瀬戸市は地場産業である陶磁器産業が伸び悩み,高齢化の進展に加え若年層の流出による高齢者の独居が増加しています。地域で患者さんを支える地域医療連携,さらに介護・福祉との連携の重要性がますます高まることを見据え,当院では早期より登録医制度を取り入れ,地域連携クリニカルパスの運用を行ってきました。2011年には地域医療支援病院の承認を受け,近年は地域医療を支える医療者の人材育成にも力を入れています。

内分泌・代謝内科立ち上げに孤軍奮闘

続いて吉岡修子先生にお話を伺います。内分泌・代謝内科は先生が立ち上げられたそうですね。

吉岡 私は2006年に当院にまいりましたが,当時は内分泌・代謝内科という独立した科がありませんでした。腎臓内科に間借りをするようなかたちで細々と診療を行っていたところ,酒井先生にお声がけいただき,思い切って内分泌・代謝内科を立ち上げる決意をしたのです。当時,病院スタッフの間に「内分泌・代謝内科は単に血糖値をみているだけ」というイメージがあることをひしひしと感じていましたので,患者さんの全身を診て,重大な合併症を防ぐために重要な疾患教育・生活指導を行っているのだということを認知してもらうことから始めました。

そして,疾患教育や生活指導には多職種の協力が必要であるため,病院中のさまざまな部署へお願いに回りました。スタッフは皆,患者さんのために何かできるということがモチベーションになるようで,私の想像を超え時間を割いて応援してくれました。着任の翌年には内分泌・代謝内科を発足することができ,現在は医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,理学療法士からなる生活習慣病対策チームの活動も活発になっています。当初,医師はわたし1人からのスタートでしたが,現在は若手医師が増え,当科を卒業して大学や現場の第一線で活躍する医師も多く出ていますので,頑張って取り組んできたことが実を結んでいることを嬉しく思います。

高齢化に対応し地域でのチーム医療構築へ

酒井先生が地域の高齢化について触れられましたが,内分泌・代謝内科でも実感されていますか。

吉岡 私が当院に来た10年前とは比べものにならないほど,患者さんの年齢層が上がっています。70歳の患者さんであればまだ若いほうで,80歳で標準と感じるくらいです。糖尿病は高齢になるほど発症のリスクが高まり,慢性腎臓病(CKD)の合併や糖尿病性腎症に至る方も増加しますので,なるべく早期から介入し,疾患教育と生活指導を行うことが重要であると考えています。

高齢化でさらに大きな問題が認知症です。認知症の方は糖尿病治療の基盤となる食事療法や運動療法についての理解を得ることが難しく,さらに治療薬が適切に使用できないと低血糖を起こして救急搬送となることもあります。特に独居の方は,薬の管理をどうするか,インスリン注射は誰が打つのか,食事療法はどのように行うかなどが問題となります。現在は訪問看護師と密に連携をとり,血糖値の状態や治療薬について疑問があれば逐一電話をもらうという地道な取り組みで,患者さんをサポートしています。

地域との連携がますます重要になりますね。

患者さんにやすらぎを与えるアートワークは「海上の森」をイメージしたもの.アートを飾る壁には,陶磁器の原料として古くから使われている瀬戸産の木節(きぶし)粘土を使用している.

吉岡 認知症はご本人や家族にとってはもちろん,行政にとっても重大な問題です。糖尿病は血管性認知症やアルツハイマー型認知症のリスクを上昇させますので,地域医療連携を通じた早期介入と血糖コントロールにより認知症を発症しない,あるいは悪化させないための予防的な取り組みをしていきたいと考えています。当院に在籍していた糖尿病専門医がちょうど2017年の春から地域で開業しましたので,まずは小さな連携グループを発足し,糖尿病に特化した病診連携が行える体制づくりを始めようと動き出したところです。長年多くの患者さんをみていますと,指導をしても生活習慣を変えられず,将来的に合併症を起こすことが予測される方が見分けられるようになってきました。当院でフォローすべき方と実地医家の先生にお任せする方を見極め,治療中断に陥らないよう地域で患者さんを支えていきたいと考えています。そして将来的には行政を巻き込み,瀬戸市全体で取り組める連携システムを構築することが目標です。

スムーズな院内連携の秘訣はファミリー感

院内の他科連携についてはいかがでしょうか。

吉岡 診療科間の垣根が低く,連携が電話1本でスムーズに行えることは当院の強みのひとつといえると思います。特に腎臓内科とは同じ病棟をもっていますので,透析導入に至った患者さんも自然と連携して一緒に診ています。糖尿病性腎症の患者さんについても,診療をお願いするほどではないかなり早期の段階から腎臓内科にコンサルトをし,カルテ上で状態をチェックをしていただいてアドバイスをもらいながら診療しています。連携がうまくとれている背景には医師同士の仲の良さがあり,私はそれをとても大切にしています。

酒井 組織が大きくなると縦割りになってしまい,他科に何かを頼むことに気兼ねをするようになりますが,当院は住民のために小さな病院として始めた頃のアットホームな性格がいまも残っているように思います。特に近年はチーム医療が盛んになり,診療科を越えた活動が活発になっていることも,垣根を低くすることに一役買っているかもしれません。また,当院は長年医師の育成に力を入れ,40年以上にわたって臨床研修医を受け入れてきた歴史があります。私も吉岡先生も当院で研修を受けた一人ですが,ほかにも当院で卒後臨床研修をした医師が多く活躍しており,それも当院をアットホームな雰囲気にしているのでしょう。

吉岡 辞める医師も少ないので,ファミリーのような感覚があるように思います。「住民のために」という病院の理念に共感し,一緒に頑張ろうという気持ちで働ける環境であることは大変貴重です。他科の看護師が「血糖値の高い患者さんがいるので診てほしい」と医師に気軽に声をかけてくれる。これが当院のよき伝統・風土であり,結果的に患者さんに優しい病院になっているのだと思います。

栄養指導は個々に合わせた内容と方法で

吉岡先生は栄養管理部長も兼任されています。一般的に難しいとされる糖尿病性腎症の栄養指導について,先生の方針を教えてください。

吉岡 糖尿病性腎症の場合,患者さんはそれまで糖尿病の食事療法でカロリー制限を行ってきています。そこへ腎症のたんぱく質制限が加わり,エネルギー確保のために砂糖や油類を摂るようにという指導をすると混乱を招いてしまいます。そのため,塩分制限やカリウム制限はしっかり指導しますが,たんぱく質制限については「肉や魚はあまり摂らないでね」といった緩やかな指導をするに留めています。患者さんができないことに固執して指導しても意味がありませんので,患者さんが実行しやすい方法を提示することが重要であると考えています。

特に高齢の方には,細かな指導をすることが必ずしも有効とは限りませんね。

吉岡 年齢や理解力によって指導内容には濃淡が必要です。食事は日常生活の楽しみとしても大切なものですので,癌で余命の限られた方に必要以上の食事制限を行うことはしませんし,高齢で食欲がないけれどもこれだけは食べられるという方の食事内容を無理に厳しく制限することもしません。また当院は呼吸器内科の患者さんが多いのですが,慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などで痩せてきた方には,しっかり食べてもらってインスリン療法により体重を増やす指導を行うこともあります。個々の病態,さらには生活背景や患者さんの思いを含めて,テーラーメイドの栄養指導を行うよう心がけています。

今後も変わらず,地域住民に親しまれる存在で

最後に今後の展望についてお聞かせください。

吉岡 今後,高齢化はますます進展しますので,糖尿病をはじめCKD,認知症について地域医療連携を推進し,患者さんとご家族にとって最も望ましい生活と治療を提示していければと思います。また,現在私の大きなやりがいとなっている若手医師の育成に今後も力を入れ,高齢社会でさらに重要性を増す患者さんの全身,そして生活をみることのできる医師を育てていきたいです。

酒井 当院の基本理念は,「地域の皆さんに親しまれ,信頼され,期待される病院をめざします」であり,何よりも先に「親しまれる」ことが宣言されています。今後も変わらず親しまれる病院であるよう地域住民に寄り添い,尾張東部医療圏唯一の公立病院として地域医療を守る役割を果たしていきたいと考えています。国の地域医療構想のもと,病床の機能分化と在宅医療の強化が進められ,急性期病院は厳しい経営を迫られています。しかし,環境の変化にも柔軟に対応し,医療機能やマネージメント力を向上させて,住民のために何とか生き残っていきたい,それがわれわれの正直な思いです。

内分泌・代謝内科のチーム医療を支える医師の皆さん.
患者さんに「陶生病院で診てもらってよかった」と言ってもらえることが何よりの喜び.

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