KYOWA KIRIN

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施設紹介

医療法人

輝山会記念病院

「保健・医療・福祉」を三位一体としたサービスの提供で地域医療に貢献

〒395 - 8558 長野県飯田市毛賀1707 http://www.kizankai.or.jp

施設紹介
  • 土屋 隆

    医療法人輝山会 理事長

    1962年名古屋市立大学医学部卒業後,同大学第二外科に入局。研究員,助手を経て,講師を務めた。1970年に第二外科医局長,その後1974年より現職。同グループ法人の社会福祉法人悠水会総長,藤田保健衛生大学医学部客員教授も務めている。公職は飯田下伊那医師会総務理事,長野県医師会常務理事を経て,2004年には日本医師会常任理事を務めた。その他公職として,【内閣府】食品安全委員会専門委員,【厚生労働省】医師の需給に関する検討会委員,社会保障審議会(医療部会)委員,厚生科学審議会(地域保健健康増進栄養部会)委員ほか,数多くの審議会,検討会委員を務める。

  • 原 修

    医療法人輝山会 理事長補佐

    1981年筑波大学医学専門学群卒業後,国立病院医療センター外科(現国立国際医療研究センター)に入局。同センターレジデント,厚生技官を経て,1990年輝山会記念病院診療部長,その後副院長を務め,1998年同院院長に就任。2017年より現職。飯田医師会副会長も務めている。地域住民の皆様から安心,信頼される病院づくりに尽力した。専門は,消化器外科・一般外科,また総合診療科を立ち上げ,何の病気でも一通り診療できる質の高い医療を提供している。

  • 露久保 辰夫

    医療法人輝山会記念病院 院長

    1989年筑波大学医学専門学群卒業後,国立病院医療センター(現国立国際医療研究センター)に入局。2001年輝山会記念病院に勤務,2005年に同院診療部長,2011年副院長を務め,2017年より同院院長に就任している。日本外科学会専門医,日本消化器外科学会認定医,日本消化器内視鏡学会専門医,またICDとして,感染対策にも力を注いでいる。専門分野にとらわれずに一人ひとりの患者さまを総合的に診察するよう心がけている。

  • 下平 隆寛

    医療法人輝山会記念病院内科医長

    2008年愛知医科大学卒業後,愛知厚生連知多厚生病院に勤務,その後,2010年に輝山会記念病院に勤務。同院内科医長を務めている。日本透析医学会専門医である。分院の名古屋東栄クリニックにも指導医師として勤務している。地域に根ざした病院になることをモットーとして,患者さま一人ひとりの顔を拝見しじっくり話を聞くことができるよう務め,身体の不調だけでなく,心の元気まで取り戻していただけるよう日々の診療を行っている。

輝山会記念病院は,長野県飯田市の南北に流れる天竜川河畔に位置し,窓外には日本アルプスの壮大な景色が広がる。飯田市は古い歴史をもつ城下町であり,都市部に先んじて地域の高齢化が進行した。高齢化への対策として近年,国は医療と介護の連携強化を推奨しているが,輝山会記念病院は数十年前から「保健,医療,福祉」の連携強化に取り組み,地域包括ケアシステムのプロトタイプともいえるネットワークを構築してきた。地域医療における同病院の役割について,医療法人輝山会理事長の土屋隆先生,理事長補佐の原修先生,医療法人輝山会記念病院院長の露久保辰夫先生,内科医長の下平隆寛先生にお話を伺った。

輝山会記念病院の原点は,プレハブ造りの診療所「飯田クリニック」

輝山会記念病院の成り立ちについて教えてください。

土屋 輝山会記念病院は今年で創立44周年を迎えますが,始まりは1973年2月21日の夜にかかってきた1本の電話でした。当時私は名古屋市立大学の外科に勤務していましたが,そこに両親の郷里である飯田市から患者さん(Kさん)が送られてきたという連絡が入ったのです。その日は夜も遅かったので,Kさんにはひとまず旅館に宿泊していただき,翌日外来で診察したところ重篤な末期腎不全であることが判明しました。当時は透析医療がまだ一般に普及していませんでしたが,私は大学病院の中央透析室長を兼務していたので,すぐに治療を開始し,Kさんはほどなく回復されました。

実はKさんのご家族はすでに覚悟を決め,お墓の相談までされていたので,奇跡的に救命されたという情報はたちまち地域に広まりました。そうすると今度は,より重症のMさんが紹介されてきたのです。Mさんは尿毒症のあらゆる症状を発症していましたが,約1ヵ月にわたる治療が効を奏し,一命を取りとめられました。

こうしておふたりは元気を取り戻しましたが,当時飯田下伊那地域には透析に対応できる施設がなかったため,大学病院での長期入院を余儀なくされました。ところがその年の末,私が回診の際に「もうすぐお正月ですね」と何気なくお話したところ,おふたりは自宅のある飯田市でお正月を迎えられると解釈して,喜んで郷里に連絡してしまったのです。そこで,私が同行して,おふたりには年末年始を郷里で過ごしていただくことにし,透析を行う六畳程度の空き家の準備をお願いしました。

暮れも押し迫った大雪の日です。私はローカル線の飯田線で名古屋から約4時間半かけて,夜遅く飯田に到着しました。翌日,透析を行う空き家に案内されましたが,なんとそこは田んぼの真ん中。しかもプレハブ小屋を建てている真っ最中だったのです。思いがけない展開に私は大いに戸惑いましたが,患者さんを放っておくことはできないので,年末年始10日ほどの予定で透析を開始しました。

そして年が明け名古屋に戻る日がきましたが,KさんとMさんは生まれ育った飯田を離れたくないとの思いから,名古屋行きを拒んだのです。私はおふたりの願いを叶えるため,自身が大学と飯田を行き来することを決意しました。こうして飯田で透析を始めたところ,それまで治療を受けることが叶わなかった近隣の患者さんが続々と来院され,私は名古屋に戻れなくなってしまいました。恩師の永井良治教授(故人)は,最初は「絶対に戻ってきなさい」と反対していましたが,とうとう根負けして飯田で診療に専念することを許してくださいました。これが「飯田クリニック」の始まりです。

基本理念は「保健・医療・福祉」を三位一体としたサービスの提供

土屋 飯田クリニックを開設して地域医療を始めてみると,透析だけでは対応しきれない課題がたくさんあることがわかってきました。まず問題になったのが,救急医療の整備です。今では考えられないことですが,当時の透析患者さんは尿毒症のさまざまな症状が出た段階で,救急車で搬送されていました。こうしたケースに対応していたところ,脳卒中,骨折,急性アルコール中毒といったあらゆる救急患者さんが搬送されるようになったのです。このため当院は,現在でも救急医療に力を注いでおり,24時間365日体制で患者さんを受け入れています。

さらに地域医療では,あらゆる疾患に対応することが求められます。透析患者さんはさまざまな合併症をもっていますし,地域の高齢化もどんどん進行していました。そこで眼科や整形外科の専門医を招聘するとともに,総合診療の考え方を取り入れ,自己完結型の医療を提供する体制を整えました。

図1 基本理念

図2 飯田メディカルヒルズ(Iida Medical Hills)

こうした地域医療への取り組みを基盤として当院は,健康をサポートする予防としての「保健」,医療からリハビリテーションそして療養まできめ細やかに対応する「医療」,高齢者の介護ニーズに応える「福祉」という3つを一体化したサービスを提供することを,開院当初から基本理念として掲げてきました(図1)。そしてこの理念を実現するため,「保健・医療・福祉」を担う施設群が飯田メディカルヒルズ(Iida Medical Hills;IMH)として連携する,地域包括ケアシステムのプロトタイプともいえるネットワークを構築しました(図2)。

「保健・医療・福祉」が一体化したサービスを提供することで,患者さんのライフサイクルのどの時点にもかかわれることが,IMHの重要な特徴となっています。

土屋 われわれは入院や介護が必要になった患者さんを,同一建物内にall in oneで設備されている急性期病床(52床),回復期リハビリテーション病床(100床),療養病床(47床),介護老人保健施設(100床),特別養護老人ホーム(56床)の中で,最も適切な場所にご案内することを心がけています。近年では特別養護老人ホームの入居待機者が,順番がまわってきたときには体調が悪化して入居基準をクリアできないことがよく問題となっていますが,当院では一番適切な病棟への入院という対応がとれるため,患者さんのライフサイクルとのミスマッチが生じることはありません。

関連施設の名古屋東栄クリニックは全国的に有名な健診を専門とする医療機関ですね。開設の経緯についてお聞かせください。

土屋 名古屋東栄クリニックは輝山会記念病院創立10周年記念事業として,1984年に名古屋市の中心部に開設された総合健診センターです。当時人間ドックの利用者は,病気ではないのに病室に宿泊し,食事もベッドで提供されていました。ホスピタルはホテルと語源が同じですが,"ホスピタリティ(おもてなし)"の観点が抜け落ちていたのです。そこで上層階をホテル,下層階をクリニックとした複合施設をつくったところ,周辺の企業からのご依頼が相次ぎ,全国的に注目を集めるようになりました。

「広く深く」がモットー ─ 総合診療科の立ち上げ ─

原先生は1990年に輝山会記念病院に着任された際,総合診療科を立ち上げたそうですね。その背景についてお聞かせください。

私は外科を専門としていましたが,当院で診るのは内科的疾患の患者さんが多く,一方で手術を行うことも必要でした。そこで当時注目されていた欧米のGP(General Practitioner)を意識し,かかりつけ医のような立場で1人の患者さんを総合的に診療する総合外来を開設しました。近年は日本でも総合診療科が多く誕生していますが,その役割に対する考え方はさまざまで,何の病気かわからない患者さんを各科に振り分けるといった入口の役割を担っているケースが多いのではないでしょうか。しかしわれわれが実践している総合診療は,「広く浅く」ではなく「広く深く」であり,すべてをやり尽くすことをモットーとしています。こうした意味での総合診療を学びたい方は,当院に研修にいらしていただければ,さまざまなことが体験できると思います。

土屋 近年は医療を細分化しすぎたことへの反省から,総合診療が注目されていますが,われわれは何十年も前からそうした取り組みを実践してきました。地域医療では専門分野しか診ないというのは,通用しないのです。

実際の診療はどのようにされているのですか。

当院はこの地域の中核的病院であり,総合外来には週に500~600人の患者さんが来院されます。その中には直接来院,紹介,救急,健診,在宅医療,介護施設の入居者といった,あらゆるケースが含まれています。また外来だけでなく入院においても,患者さんを総合的に診るという立場から,病床を診療科別にせず,重症度つまり急性期,回復期,慢性期という区分で分けています。

土屋 構造的にも腎透析センターと回復期リハビリテーション病棟がつながっているので,患者さんは透析を受けながらリハビリテーションに取り組むことができます1)。病床を診療科別にしていないので縦割りにならず,必要な治療をスムーズに受けていただくことができるのです。

露久保 患者さんには主治医が付きますが,糖尿病の患者さんはこの先生に任せるというのではなく,1人の医師が糖尿病も診るし,心臓も診るし,肺炎も診る,という体制で診療に臨んでいます。それでわからないことがあれば相談しながら対応するので,心臓血管系の手術と神経外科的治療以外は,ほとんどの疾患を院内で治療しています。

地域医療における輝山会記念病院の役割

地域医療において輝山会記念病院はどのような役割を果たしているのでしょうか。

露久保 先ほど土屋先生から当院の基本理念について説明がありましたが,この理念に基づいて毎年,基本方針を打ち出しています。2018年は地域医療に関して,かかりつけ病院的機能を強化するとともに,訪問診療で在宅の患者さんが住み慣れた場所で暮らせるよう貢献することなどを掲げています。リハビリテーションに関しては,藤田保健衛生大学リハビリテーション科と連携して,回復期リハビリテーションに力を入れているので,非常に質の高い取り組みを行っている自負があります。透析では,高齢化に対応した透析医療を提供していくことを挙げています。健診については,現在建築中の新棟に健診センターが移ることが予定されているので,移転に向けさらに充実を図っているところです。

透析の普及に関しては,どのような役割を果たしてこられましたか。

土屋 飯田クリニックを開設した当時,南信地区(長野県南部)の透析医療は諏訪赤十字病院で行われていましたが,諏訪以南には透析施設がなく,当院が遠方の患者さんを受け入れていました。その後,飯田下伊那地域では,複数の医療機関が透析医療の機器を導入しましたが,その際は各施設のご依頼により,われわれが,スタッフの教育や機器の扱いなどの指導を行いました。現在,透析施設数はほぼ適正に整備されていますが,将来に向けて透析専門スタッフを育てる必要があるため,そうした人材育成にも力を注いでいます。

飯田下伊那地域には透析を行っている病院が7施設あり,患者さんの振り分け,学術講演の開催,データの収集といった取り組みを,お互いに連携しながら推進しています。こうした連携の中で当院に任せられている役割のひとつは,シャント管理への対応です。外科医が多いこともあり,他院でトラブルが生じた患者さんをご紹介いただくことも多く,約半数は紹介例となっています2)

通院透析が困難な高齢者は,併設する介護施設で受け入れ

南信地区の透析医療を支えてきた腎透析センター.臨時透析,緊急透析,夜間透析にも対応し,通院困難な患者さんは病院併設の老人保健施設「万年青苑(おもとえん)」,特別養護老人ホーム「きりしま邸苑」を利用することもできる

腎透析センターの取り組みについて教えてください。

下平 当院の腎透析センターには,透析導入が必要になった患者さんが紹介されてくることが多く,CKDステージ4~5の方が大半を占めています。ご紹介いただく時期は,近年では透析導入3~6ヵ月前がスタンダードとなっています。透析導入直前のご紹介ですと,患者さんの活動性が低下して入院が長引くことも多いので,やはりある程度の余裕をみて紹介していただければありがたいです。

腎透析センターの特徴は,当院は介護施設を併設しているので,通院透析が困難な高齢者を受け入れていることです。現状では,特別養護老人ホームに入居すると透析のための通院が自己負担になりますが,当院ではそうした負担は発生しません。現在,24~25名の方が,介護施設に入居しながら透析を続けていらっしゃいます。

高齢者の透析ではどのような対応が必要でしょうか。

下平 高齢者の特徴として,認知症を伴うと穿刺部分を触ってしまい,安全な透析の実施に支障をきたすことがあります。そうした場合には,患者さんの負担の少ない保護シートを選択するなどの工夫を心がけています3)。また介護施設に入居されている患者さんは,最初は譫妄や興奮が出現しても,環境に慣れてくると落ち着くケースが少なくありません。できるだけその患者さんに適した環境を整備するよう,配慮しています。

透析患者さんの中で高齢者はどのくらいいらっしゃいますか。

露久保 現在トータルで130例に透析を行っていますが,そのうちの46例が80歳以上です。この中には90代の方も数例含まれているので,高齢者の比率はかなり高いといえます。また長期透析例も多く,土屋先生が透析導入した患者さんの中には,40年近く透析を続けている方もいらっしゃいます。

下平 透析患者の高齢化は飯田下伊那地域全体の問題です。当地域は全国平均に比べて透析患者の年齢が高く,透析歴が長いことが明らかになっています4)

今後の展望

飯田下伊那地域の将来展望について,ご意見をお聞かせください。

露久保 これからは日本全体が高齢化し,人口が減少することが予測されています。一方,飯田はリニア中央新幹線が開通する予定もあり,この地域の人口構成が今後どうなっていくか見通せない部分がありますが,これからも住民のみなさんのニーズに沿った地域医療に取り組んでいきたいと思っています。

当地域は都市部に先んじて高齢化が進行しましたので,今後大変になるのはむしろ都市部のほうであるともみられています。そうすると介護や医療が必要な方が,都市部から流入してくるという時代が到来するかもしれません。

下平 特に透析に関しては,通院困難例が全国的な課題となっているので,そうした患者さんを積極的に受け入れる施設の需要が高まるのではないでしょうか。

最後に土屋先生に,これまでの歩みを振り返ってメッセージをお願いします。

土屋 近年,医療と介護の連携強化が推奨されていますが,われわれは数十年前から両者の連携を推進してまいりました。そうしないと困る患者さんが大勢いたので,必要に迫られて対応してきた面もあります。経営だけを考えれば,利益の上がる部分に集中することが最善なのかもしれませんが,われわれが目指している医療とは違います。

今では,「保健,医療,福祉」を三位一体としたサービスを提供するというわれわれの基本理念を,多くの地域住民の皆さんがご理解くださっているのは大変ありがたいことです。また「困ったときは輝山会」というのが,地域の合言葉になっていると仄聞すると,身の引き締まる思いがいたします。私たち医師をはじめスタッフは,南信地区の地域医療で大きな役割を担っていることを肝に銘じ,これからもより一層,精進を重ねてまいる所存です。

Reference

  1. 1.加藤譲司 他. Jpn J Rehabil Med. 2013; 50: 751-6.
  2. 2.前本勝利 他. 長野県透析研究会誌. 2017; 40: 28-31.
  3. 3.片桐希恵 他. 長野県透析研究会誌. 2014; 37: 12-4.
  4. 4.村松彩也. 長野県透析研究会誌. 2015; 38: 25-30.

KK-18-08-23148

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