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医療法人仁栄会 島津病院[透析施設最前線]

2017年08月24日登載/2017年08月作成

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病院外観
  • ●理事長:島津 栄一 先生
  • ●院長:三宅 晋 先生
  • ●開設:1973年3月
  • ●所在地:高知県高知市比島町4-6-22

四国初の人工透析センターとして地域の腎医療を牽引
VA閉塞・狭窄治療も県下で高いレベルを維持

1973年に四国初の人工透析センターとして開院し、1996年、法人化と同時に「島津病院」となった。以来、透析医療を柱に据えながらも、外科系、内科系ともに診療の幅を広げ、地域連携も推進しながらその機能を拡張してきた。また、グループ内の介護施設なども活用しつつ、透析患者の生活全体を支えている。2016年7月に完成した新病院には、2フロアにわたる広々した透析室を新設。合計89床の透析ベッドで約220名の患者が、腎臓や糖尿病、外科系の専門医たちに見守られながら透析を続けている。

1. 病院の概要 「思いやり」「安全」「安心」をキーワードに
透析を主軸とした医療を展開

三宅 晋 院長

 JR高知駅から北東に1kmほど。久万川のほとりに建つ島津病院は、14の診療科と69床の入院ベッドを持つ、透析医療を主軸とする病院である。同院を率いて16年になる三宅晋院長が、「人工透析を基本に、腎臓内科や糖尿病内科など、透析にまつわる医療に力を入れています。また近年は、高齢化する透析患者さんのフレイル対策(加齢に伴い心身の活力が低下している状態)などを意識して、整形外科やリハビリテーション科の活動も活発化しています」と紹介する。

 同院の経営母体である医療法人仁栄会については、「法人としての取り組みのキーワードは、理念にも盛り込まれている思いやり、安心、安全の3つです。島津栄一理事長の方針で、患者さんが自宅近くで透析を受けられるように複数のクリニックを開設していること、認知症対応型老人生活介護、小規模多機能型居宅介護、高齢者向け賃貸住宅、特定施設入居者生活介護などの介護事業所も運営し、高齢患者さんのニーズにも応えていることが、主な特徴といえると思います」と三宅院長が続ける。

 島津理事長が、四国初の人工透析センターとして「島津外科胃腸科」を開設したのは1973年3月のこと。当時は18床の入院ベッドを持つ有床診療所だったが、開業9年目に27床に増床して病院になり、10年目にはさらに50床に増床。1996年1月の法人化と同時に「島津病院」となり、在宅サービスにも着手した。翌97年にはグループ施設として須崎市に「島津クリニック」を開き、以降、さまざまな事業所を開設している。現在は島津病院、島津クリニックを含めて透析施設だけで5施設を運営しており、透析患者数は総計で528名。これは高知県全体の透析患者の約5分の1にあたる。

 三宅院長が就任した2000年には日本透析医学会教育施設に認定。2008年、日本医療機能評価機構Ver.5.0を取得。2013年からは、地震や津波など災害対策強化と機能の充実を目指して大規模な病院の建て替え工事に着手し、2016年7月、主に臨床部門が入った新病院が完成した。

 新病院は病院のテーマカラーである水色と白を組み合わせた爽やかな外観が印象的な5階建て。透析室は2階、3階フロアにあり、透析ベッドは2フロアで89床と建て替え前の2倍近い規模になっている。自家発電機と1万9000Lの軽油、300tの水など災害への備えも十分である。

2. 人工透析内科 透析患者の管理を集約した診療科
腎臓内科、糖尿病内科と役割分担しつつ協働

大﨑 史淳
糖尿病専門医・透析専門医

 標榜科目の1つの「人工透析内科」について三宅院長は、「検査データの分析・管理、薬剤処方、診察など、透析患者さんの管理に必要なことすべてを行う科としてこの名称を使っています。ですから、内科と謳っていても、所属する医師には外科医もいれば泌尿器科医もいます。維持透析を受けておられる患者さんが風邪をひいた、ケガをしたなど、医療が必要になったら外来を受診していただきます。また、透析中の患者さんの回診も担当しています」と説明する。

 人工透析内科とは別に、腎臓内科も標榜している。こちらはステージ4~5の保存期腎不全患者が主な対象である。また、健診などでステージ3程度であることがわかった人たちが紹介されてくる場合もあり、こういうケースは腎臓内科で診察し、治療の必要性の判断などを行っている。
 また、これらの診療科とリンクする診療科に糖尿病内科がある。同科に所属するのは大﨑史淳医師、大﨑多加医師の2名。ともに糖尿病や人工透析が専門で、外来および透析室での糖尿病治療にあたっている。

3. 透析室 2フロアで89床の透析ベッドが稼働
機械室の状況はカメラで監視

松田 卓也 臨床工学技士長

 89床の透析ベッドの割り振りは、2階が44床、3階が45床と半々。患者数は外来透析が約180名、入院透析が約40名でオンラインHDF(Hemodiafiltration:血液透析濾過)とHD(Hemodialysis:血液透析)を患者の症状に合わせて選択している。

 「透析装置はすべて、オンラインHDF対応タイプで、プライミング、脱血、緊急補液、返血までが自動で行える機能がついています。また、今回の建て替えに際して透析支援システムを更新しましたので、透析条件や透析中のデータはすべてシステム上で一括管理ができ、より便利になりました。自動化により、省力化や安全面の強化を実現しています」と、松田卓也臨床工学技士長。また、「透析液はガイドラインに則って標準以上の清浄化を目標としています。RO装置は熱水消毒対応型を採用しました。以前から清浄化対策は行っていましたが、新病院ができたのを機に、すべての機器を最新型に切り替えリニューアルしています」と旧透析室との違いを語る。
 透析液の清浄化や透析機器の保守管理については、経験豊富な臨床工学技士6名で組織する「透析機器安全管理委員会」で継続的に評価検討し、何か問題があれば迅速に対策を議論することになっている。

 透析スケジュールは外来、入院ともに午前が8:20スタート、午後が14:00スタートで、毎日2クールだが、月・水・金は22:30まで外来透析が可能なので、18:30にスタートしても4時間透析を行うことができる。
 快適性という意味では、照明やエアコンの風が患者に直接当たらないようにした。「古い施設のときによく言われた、まぶしいとか、寒い、暑い、といった言葉はほとんど聞かれなくなりました」と松田技士長が笑顔を見せる。

 機械室の設備は、新たに緊急警報通知システムと監視カメラが導入され、院外にいても室内の異常が確認できるようになったのは画期的だ。画像の受信はパスワードで管理されており、見ることのできるスタッフは限られているが、何かあったときに目で確認できるのは利点である。また、警報が鳴った場合は、特定の6名のスタッフに緊急電話がかかるシステムも完備している。たとえば機器の故障や誤作動、水漏れなどが生じた場合にはいち早く情報共有し対応できる。

4. 透析室の人員配置 医師7名がスタッフからの情報を元に回診
糖尿病専門医の指示でCDEJも活発に活動

武田 功 副院長

透析室の人員は、回診を担当する医師7名、看護師15名、臨床工学技士30名である。医師の回診については武田功副院長が、次のように説明する。

「透析は基本的に午前2フロア、午後1フロア。7名の医師がシフト制で回診をしています。加えてシャントのことなら外科系の医師が、糖尿病のことであれば糖尿病専門医が、というように、特定の問題がある場合には、専門医が診るようにしています」

大﨑(史)医師も、「糖尿病性腎症から透析導入となる患者さんも年々増加していますので、患者さんに対する専門的な糖尿病教育指導はその重要度を増しています。当院では透析室で、CDEJ(Certified Diabetes Educator of Japan:日本糖尿病療養指導士)が各種患者指導を行っていますが、このCDEJへの指示、指導という意味でも私たち専門医は透析室での業務に深くかかわっています」と話す。

小川 栄子 看護部長

なお、同院のCDEJは、管理栄養士1名、看護師2名、薬剤師3名、臨床検査技師2名と多彩。これらのメンバーがそれぞれの職能を発揮し、食事栄養指導、服薬指導、インスリン自己注射指導、自己血糖測定指導などを担っている。

看護業務に関しては小川栄子看護部長が、「89床に看護師24名(専任15名、兼務9名)で、1フロアにつき看護師3〜4名ということもあります。夜勤帯は1フロア3名体制。ですので、さまざまな業務で臨床工学技士の協力を得ています。看護師が専門的に行うのは薬に関すること、フットケア、難度の高い穿刺など。ほかの業務は協働です」と説明する。

家族の支援もまた、看護師主体で行われている。活用するのは「連絡ノート」と名づけた患者1名につき1冊の大学ノートだ。
「このノートには、透析中の患者さんの様子や、ご家族にお聞きしたいことを毎回、看護師が手書きして患者さんに渡します。一方、ご家族には看護師の質問に対するコメントや、ご自宅での患者さんの様子や訴えなどを記入していただき、次の来院のときに患者さんにご持参しただく方法でコミュニケーションをとっています。ご家族が記入してくださった内容は、看護師間で共有したり、必要に応じて医師に伝えて相談したりしています」と、小川看護部長がノートを活用した家族支援の様子を語る。
看護師は患者担当制ではないので、ノートの記入や受け取りはその日の担当者が行う。透析室内のエリアをA〜Fに区切り、勤務する看護師の数によって割り振りする仕組みだ。

看護師と臨床工学技士は、日々の業務の中で患者に関して気づいたことがあれば、電子カルテのS(Subject)欄に記入する。それをスプレッドシートにまとめて回診の朝プリントアウトしたものを医師が確認し、診察に活かす。

「私たち医師は、皆で"S"と呼んで活用しているこのシートによってかなり詳しい内容を把握できるので、業務が軽減され助かっています。その分、検査データの解析などに朝の貴重な時間を使うことができます」と武田副院長が多職種連携のメリットを語る。こうした連携はカルテが電子化された2011年より継続しておりすっかり定着しているという。

5. フットケア チェック項目を電子化しフットケアを効率化
情報共有にも活かす

 フットケアは、必要に応じて看護師が行っている。そのうち糖尿病合併症管理料を算定している患者は月約60名。小川看護部長によれば15名の看護師のほとんどがフットケアの技術を身につけている。
 2016年4月の診療報酬改定で、「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」が新設され、その算定条件として必須となった、慢性維持透析患者全員に対する末梢動脈疾患(PAD)のリスク評価を効率的に行うため、フットケア委員が中心となり、フットチェック項目の電子情報化を実現。観察所見、病歴やPAD治療歴、ABI検査、SPP検査などの結果を書き込めるスペースを電子カルテ内に設けることで記録や情報共有をしやすい環境を整えた。
 従来の紙媒体によるフットチェックでは、1カ月ごとの全例評価は困難だった。今回、電子化して操作画面を工夫することで、継続的な活動としてフットチェックができるようになったという。

 実際にケアにあたる小川看護部長も、「必要な項目がすべて集約されているので記入も管理も楽です。これまで透析室だけで行われていたフットチェックが病棟でも行われるようになり、情報共有はますます重要になりました。フットチェックやケアはとても充実してきています」と話す。

6. 人材育成 学会などで得た知識を院内に還元
経費支援や報奨金制度も完備

 同院は人材育成にも熱心で、職種ごとに研修などスキルアップの機会を設けている。看護師の育成については、小川看護部長が次のように紹介する。
 「当院には54名の看護師が勤務しており、その大半が高知県看護協会に入会していますので、それぞれの成長段階に合わせて看護協会の教育プログラムを利用して勉強を重ねています。また、毎月第3木曜日の夕方、看護師全体会を開催していますので、学んだことを発表し、皆で知識を共有しています。さらに2016年4月にはオンデマンド研修を導入し、自宅にいながらにして勉強ができるシステムを整えました。看護師はどうしてもライフイベント(結婚、出産・子育てなど人生上の出来事)などの影響で、じっくり学ぶ時間を確保しにくいのですが、これによってそうした問題はかなり緩和されると思います。また、オンデマンド研修は、誰が研修を受けて、誰が受けていないかが一目瞭然なので、受けていない看護師には管理者が介入してサポートするなど対応が可能です。学会発表は、病棟、透析室、外来といった部門ごとに毎年行うことにしていますので、それに向けた看護研究がスキルアップにつながっています」

 臨床工学技士も、各種学会や研修に積極的に参加するよう推奨している。発表前には医師を前に予行練習もしている。長年、臨床工学技士の学会発表を指導してきた武田副院長が言う。
 「私が医学的なチェックやプレゼンのテクニックを指導するようになったのは約10年前からです。最初は使用するスライド1枚1枚を細かく見て、改善を重ねて発表に臨んでいましたが、これまでの積み重ねの甲斐あって、いまでは技士長が、以前の私と同じようにスタッフを指導してくれるようになりました。重視しているのは、予行練習での私たちの指摘を聞いて、何が重要なのかに気づいてもらうことです。誰が何を発表するかではなく、普段からどのような視点で、何を考えるべきなのかを学んでもらう。これがいまの指導スタイルです」

 組織にとって有用な学会発表を行ったスタッフには報奨金が与えられる制度や、学会参加の経費をサポートする制度なども完備しており、スタッフのスキルアップを後押ししている。武田副院長は、「医学は常に進歩します。大事なのは、その進歩をキャッチアップしようとする職員の意識。その意識が芽生え、モチベーションが維持されるような組織であることを重視しています」と言う。

 もちろん資格取得も推奨しており、小川看護部長はじめ看護師4名は透析療法指導看護師。糖尿病療養指導士も4名いる。また、松田技士長が血液浄化専門臨床工学技士の資格を持つのをはじめ、透析技術認定士の資格を持つ臨床工学技士は10名おり、年に1~2名のペースで増えている。

7. バスキュラーアクセス外来 VAで困った人を広く受け入れるために開設
年間約400例以上に対応

 島津病院では各科による外来診療のほかに、専門外来も開設しており、その1つが「バスキュラーアクセス(Vascular Access:VA)外来」である。これは、視診・聴診・触診、必要に応じて造影検査も行ってVAの状態を正確にチェックし、機能不全を予防したり早期に発見して治療したりすることを目的に開設された地域に開かれた外来だ。

 ただし担当の武田副院長によれば、同外来は事実上の休眠状態。というのも、VAの作成やトラブル対応のために紹介する病院は、それぞれの透析施設によってほぼ限定されており、来院する前に通院施設から連絡があり、患者は入院の用意をしてくる場合がほとんどだからだ。

 「もちろん、これまでにはわずかですが『シャントが詰まったので診てほしい』などと直接、当院受付にこられた患者さんがおられました。こういうときは私に限らずVAを診られる外科系の医師がすぐに対応します」と副院長。今後もこうした患者を受け入れるため、専門外来は維持していく考えだ。

 一方、事前連絡を受けてVA治療のために来院する患者や他施設からの紹介入院などあわせて年間400件以上、その中で半分以上がVAトラブルの症例となっているのだ。
 武田副院長は、「電話を受けたらすべて引き受けます。もし閉塞であれば即日来ていただいて対応します。特に緊急時に用いるダブルルーメンカテーテル(内腔が2つある中心静脈カテーテル)の挿入は、紹介してくれる病院ではできませんので、仮にベッドが満床でも断りません。また、緊急でない場合でも、ほぼ2、3日のうちに入院していただけます」と、スピード感ある対応を語る。「VA関連のトラブル対応は、当院で完結できるようにしています」と副院長が言うように、同院外科には、この分野を牽引する強い自負と使命感がある。

 こうしたVAトラブル対応に携わる同院の医師には、武田副院長と、同じく外科が専門の島津理事長、理事長の娘である酉家佐吉子医師、整形外科医で理事長の息子である島津裕和医師がいる。このうち武田副院長はPTAを主に、島津理事長は手術を主に、酉家医師と島津(裕)医師は両方を担当している。

8. 栄養科の取り組み 保存期には特殊食品を利用した腎臓病食
維持期には高知・仁井田米を取り入れた透析食を提供

池田 砂都喜 管理栄養士

 栄養科による食事の提供や食生活指導も、患者をサポートするうえで大きな役割を果たしている。同科の池田砂都喜(さつき)管理栄養士は、「保存期腎不全の患者さんのための食事は制限がとても厳格で、当院では尿毒症患者さんへの食事と同等の制限食を提供しています。たんぱく、塩分、ときにはカリウム、水分などを的確に抑えつつエネルギーは十分確保しなければなりませんので、特殊食品である低たんぱくご飯や粉あめ、電解質を抑えたエネルギー補給食品などを効果的に活用しています」と語る。

 一方、透析患者に向けた透析食については、「保存期の患者さんよりはたんぱく制限が緩やかになりますので、特殊食品は利用しなくてもよくなります。しかし、リン制限など新たな制限も出てきますし、カリウム制限、水分制限はより厳しくなりますので、どうしても炭水化物の比率が高くなります」とポイントを指摘し、行っている工夫として、おいしいお米の活用を挙げる。

 「高知県には、窪川という地域で採れる仁井田米というおいしいお米があります。このお米を週に一度まとめて配送してもらい、主食として提供しています。また、白いご飯だけだと飽きてしまうと考え、混ぜご飯にしたり、カレーライスにしたりもしています」

 ほかにも麺類を適度に取り入れるなどメニューの幅を広げている。「提供量をコントロールすれば、比較的塩分の入ったメニューも食べていただけるので、うまく調整するようにしています。また、月に1回ペースで、行事食を提供し、時には手づくりカードを添えています」と池田管理栄養士が説明する。

 管理栄養士は食事指導でも患者に直接かかわっている。池田管理栄養士は、「たんぱく制限や塩分制限は比較的理解を得やすいのですが、エネルギー摂取の必要性については理解しづらい患者さんが多いようなので、この部分の説明には時間をかけます。また、保存期の患者さんの場合は、特殊食品の入っている人と入っていない人とでは説明の方法を変えますし、透析導入直後の患者さんには、導入前後の食事の相違点を中心にお話しします。摂取量については、食事も水分も具体的な量を示しながら話すと伝わりやすいようです」と工夫を語る。

9. CKD対策 行政や医師会も推進する病診連携で
透析導入患者の増加にストップ

 CKD対策については、三宅院長が、2008年に高知市医師会が中心となって立ち上げた「高知CKD病診連携協議会」の会長を長く務めるなど、高い意識をもって取り組んでいる。
 「世界腎臓デーには当院の職員の多くが街頭キャンペーンに参加してチラシを配布したり、年に3回程度はCKDをテーマに市民対象の関連の講演会を行ったりと、啓発活動に力を入れています。こうした活動をきっかけに、地域の医療機関からCKDの人が紹介されてくることが増えました」と三宅院長。

 2011年に特定健診にeGFR値が加わり、60以下は腎機能低下と表示されるようになってからは、特にこの傾向が強まったという。この前年の2010年には高知県が「日本一の健康長寿県構想」を策定しており、その中にCKD対策も盛り込まれている。こうしたことの相乗効果もあって、地域全体のCKD対策が活発になったことも背景にはある。

 三宅院長は、「こうした病診連携は、高知市内ではかなり進んできています。現在は、高知市の取り組みをたたき台に県全体で推進しているところです。近年、高知県の透析導入患者数は増加が見られなくなっており、これは亡くなる患者さんが増えていたこともありますが、こうした活動の成果も大きいと関係者は分析しています」と評価する。

10. 今後の課題・展望 本格的な超高齢社会を迎え
透析患者の在宅支援という新たなステージへ

 今後の大きな課題として院長は、透析患者の高齢化対策を挙げる。仁栄会ではすでに、冒頭で触れたように介護関連事業所を複数持ち、通院困難になった患者の施設入所などもサポートしている。同会の運営する老人ホームや小規模多機能施設などは、従来は一般の要介護高齢者向けであったが、近年はほかの施設には入所しにくい透析患者を優先的に受け入れるようにもなっている。

 こうした施設生活の患者も含め、外来透析患者の送迎サービスも実施しており、約70名が利用している。小川看護部長によれば、月に一度は仁栄会の施設の管理者、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー、看護師(小川看護部長)などが出席して介護の連絡会を開き、施設の空き状況など情報交換も行って、患者のニーズに応える努力を続けているという。

 介護の必要な高齢の透析患者を、在宅医療でサポートしていくことも視野に入れている。「個人的には、訪問看護師の方々全員に透析患者さんの専門的なケアができるようになっていただき、透析患者さんの在宅支援をしていただくのが良いと思っています。現在は訪問看護師が不足しているので難しい面もあるかもしれませんが、ぜひともそうしたシステムが必要ではないでしょうか。また、透析患者さんが在宅で療養できるようにするためには、HDからPDへの移行が不可欠です。透析を通して地域医療に貢献してきた当院にとって、PDの導入に力を入れ、患者さんの在宅生活を支えていくことはこれからの大きな使命なのかもしれません」と三宅院長。

 人工透析のニーズにいち早く応え、成長を遂げてきた島津病院、そして仁栄会。透析医療の先駆者は、本格的な超高齢社会を迎えたいま、新たなステージへ進もうとしている。

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透析室スタッフの皆さん。前列向かって左から3番目が島津栄一理事長

KK-17-08-19497

透析施設最前線

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