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医療法人衆和会 長崎腎病院[透析施設最前線]

2018年02月19日登載/2018年02月作成

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病院外観
  • ●理事長:舩越 哲 先生
  • ●院長:原田 孝司 先生
  • ●開設:1973年8月1日
  • ●所在地:長崎県長崎市興善町5-1

治療効果と生活の自由度を高める
HHDの普及に全職員をあげて取り組む

1973年に長崎県内初の民間透析施設として開設して以来、腎不全の地域医療に尽力してきた医療法人衆和会。長崎腎病院は2011年7月、市内にあった同会の病院とクリニックを統合して新たに開院した九州最大規模の腎医療専門施設で、患者のニーズに応じて多様な透析医療を、24時間体制で提供している。近年は、「もう1つの選択肢」としての在宅血液透析(HHD:Home Hemodialysis)の普及に特に力を入れており、全職員をあげて患者への啓発、HHDを担う人材育成などに取り組んでいる。

1. 病院の概要 県内初の民間透析施設として開業
九州最大規模の腎医療専門施設に発展

舩越 哲 理事長

医療法人衆和会のルーツは、1973年8月、舩越哲現理事長の父である故舩越衛一先生が開設した透析専門診療所、「舩越クリニック」である。同診療所は長崎県で初めての民間透析施設としても知られる。その後、移転や名称変更などを経て1979年に法人化。このとき舩越クリニックは「桜町クリニック」と改称し、1987年にはグループ施設として「桜町病院」(60床)を新設した。

現理事長が就任したのは1996年。以降も桜町クリニックの新築移転や、サテライト施設である「桜町クリニック時津」(時津町)の開設など発展を続け、2011年、桜町病院と桜町クリニックを統合した「長崎腎病院」(一般病床79床、透析ベッド144床)を開院した。

同院は地上9階・地下1階建てで、上階には、2010年に設立した社会福祉法人照善会が運営する特別養護老人ホーム「こくら庵」(29床)を併設し、通院が困難になった透析患者に、透析を受けながら安心して暮らせる住まいを提供している。血液浄化センターは、主に外来通院透析(個室透析4床)を行う3階フロア、こくら庵の入所者と入院患者、一部通院透析を行う4階フロア、入院患者の透析を行う6階フロアに分かれている。

長崎腎病院は九州最大規模の腎疾患専門施設であり、CKDの診療から終末期医療まで幅広くカバーする。「衆和会は、透析医療を中心とした24時間対応の腎疾患専門施設として、地域医療に貢献します」という理念のもと、多様な透析医療を提供する中で、近年はHHDの普及にことのほか力を入れている。

「腎移植が思うように進まないいま、もし私自身が腎不全になり透析が必要になったなら、迷わずHHDを選択します。それは、HHDが腎移植に次ぐ優れた治療法であり、その治療効果と生活の自由度は、自己穿刺への抵抗感を考慮しても余りあるからです(図1)。自分だったらこの治療法を選ぶと言えるようなHHDを多くの患者さんに提供したい。いまではこの思いを全職員と共有し、療法選択支援や生活支援に取り組んでいます」と舩越理事長は語る。

理事長が指摘するHHDの医学的有用性は、すでにコンセンサスが得られている。にもかかわらずなかなか普及しない背景には、多くの関係者が、「HHDはペイしない」と思い込んでいることがあると考えられる。これに対し舩越理事長は、「HHDはむしろ経営的にもメリットが大きい」と話し、このことを証明するデータを蓄積して、関連学会などで積極的に情報発信している。

図1 HHDのメリットとデメリット

HHDのメリットとデメリット

2. HHD開始の経緯 2006年から普及に取り組み
2014年まで1、2例で推移

舩越理事長がHHDに興味を持ったのは、いまから20年以上も前のことだ。1998年には保険適応となったこともあり、「自院でも取り入れたい」という思いが強まったという。しかし、実際に普及に乗り出したのは2006年になってから。HHDを希望する患者が現れたのがきっかけだった。

「最初の患者さんは医師で、ご自宅で家族に看取られたいと希望されていました。私たちは、この方の終末期の生活を支える医療として、HHDの導入準備を進めました」と舩越理事長。具体的には、介助者である妻とともにトレーニングを重ね、自宅に透析のためのスペースを確保し、給排水のための改装工事などのプランもつくった。しかしこの患者は、HHD開始予定日の直前に心不全で亡くなってしまった。舩越理事長は、「たいへん残念でしたが、この方のためにいろいろな準備をする中で、私たちはHHDを提供するノウハウを、実例を通して学ぶことができたのです」と振り返る。

この経験を機に同院では、より積極的にHHDを考えるようになり、折に触れて患者に説明したり、先進施設を見学したりと体制づくりを進めた。
 実際に1例目となるHHDが始まったのは2008年。男性患者で、看護師の資格を持つ妻が介助者だった。舩越理事長によれば、HHDを躊躇する患者の多くは、自己穿刺に強い抵抗感を抱いていたり、介助者が大きな不安や負担を感じていたりする。介助者が医療従事者の場合、これらの点がクリアしやすく、比較的導入がスムーズな場合があるという。

苦労したのはこのあとの5年間だ。HHDを希望する患者がなかなか出てこない中で、1例目の患者がさまざまな理由から施設透析に戻ってしまったのだ。「患者さんの生の声を聞いたり、アンケート調査を行ったりしながら、どうすればHHDがもっと進むのか、模索するばかりの日々でした」と理事長が言う。

ようやく2例目のHHDが始まったのは2013年12月。その3カ月後の2014年2月には、3例目もスタートできた。このときまで同院のHHDは、理事長と一部のスタッフで組織したHHDチームによる取り組みにすぎなかった。

3. HHDの推進 全部門合同の「HHD推進チーム」を結成
現場からの提案・報告を経営方針に生かす

佐藤 泰崇
HHD推進チームリーダー
(臨床工学技士)

「さらに推進するためにはいまのやり方では不十分」と考え、2015年には本格的に、HHDが進まない原因の分析や、それに基づく手法の改善、体制強化などに取り組んだ。最初に行ったのは、同年5月時点で在籍していた看護師71名、臨床工学技士11名の計82名を対象とする意識調査だった。その結果、HHDについて知っているスタッフが78%に上る一方で、同院の適応基準を知っているスタッフは23%にすぎず、また、HHDを普及させたいと思っているスタッフも33%にとどまることがわかり、舩越理事長の思いと現場の意識に大きな隔たりがあることが浮き彫りになった。

そこで、従来からのHHDチームをいったん解散。新たにHHDの導入を進めるための「HHD推進チーム」を組織し活動を強化した。チームのメンバーは院内の全部門から選出されており、事務部門の職員や、リハビリセラピストなども含まれている。臨床工学技士である佐藤泰崇チームリーダーが言う。

「新しいチームが行ったのは、ポスター掲示やパンフレット作成などによる広報活動、DVD上映や市民講座の開催などです。また、HHDについてスタッフ皆が統一して伝えることができるように、職員ハンドブックも作成して配付しました。中でも特に広報活動は、HHDについて知っていただくのに有効だったと思います」

さらに、こうした活動が一定のスキームに従って行われたことが功を奏したという。そのスキームとは、HHD推進チームがHHDの重要性や経営的メリット、現状の問題点や解決策を経営陣に報告・提案。これを受けた経営陣が、全職員に向けてHHDの啓発と推進を指示する、というものだ(図2)。
 現在、HHD推進チームは1カ月に一度集まり、情報交換を重ねている。また、チーム内に、患者と密にかかわってHHDを実践する「HHDグループ」を組織し、多面的な活動を展開している。

図2 長崎腎病院におけるHHD推進スキーム

長崎腎病院におけるHHD推進スキーム

4. 経営的メリット HHDと施設HDの保険点数を比較
損益分岐点も割り出しHHDの優位性を明らかに

城戸 優実 事務職員

HHD推進チームの取り組みで目を見張るものの1つに、HHDと施設HD(血液透析:Hemodialysis)の保険点数を比較した表を作成し、HHDのほうが高収益であると、明らかにしたことがある。ここでは1カ月に18回のHHDと2回の施設HDを行った場合と、1カ月に12回の施設HDを行った場合について、「慢性維持透析患者外来医学管理料」「在宅透析指導管理料」「透析液供給装置加算」「人工腎臓」「材料費」などをそれぞれ算出し、1カ月の収入(点数)を割り出している。

HHDチームの試算によれば、その値はHHDで3万2,232点、施設HDで3万186点(人工腎臓の診療報酬点数:厚生労働省、2016年4月改訂分による)。これだけでもHHDのほうが勝っているが、さらに水道・光熱費、人件費、メンテナンス費などの支出は施設HDのほうが遥かに高いことから、HHDの利益率は施設HDに比べてかなり高いという。これこそ、舩越理事長が「HHDは経営的メリットも大きい」と明言する根拠である。

「HHDはたしかに初期投資は大きいのですが、その利益率の高さから、想像以上に早く収益につながる治療法といえます。1週間に3回の施設透析よりも、毎日でも行えるHHDのほうが患者さんの体にとって良いことは明らかです。患者さんへのメリットが大きく経営的にも有利なのですから、HHDはもっともっと推進されてよいと思います」と舩越理事長。

HHD推進チームのメンバーで、経営指標となるさまざまなデータを集計している事務部門の城戸優実さんは、「私たちの試算では、HHDの損益分岐点は導入から20カ月以内となっています。さらに経営努力を重ねれば、もっと縮めることも可能だと思います」と分析する。

5. HHDの現状 HHD推進を病院全体の目標とし
訓練中含めて患者数は16名まで増加

藤原 久子 医療相談員
(介護福祉士・介護支援専門員)

図1で示したような、ボトムアップとトップダウンを循環させるHHD推進スキームを確立した同院では、2016年度の病院目標として「在宅血液透析の啓発と推進」を掲げ、全職員をあげてHHDの普及に取り組むことで、年度中にHHD患者を5名増やすことに成功。2017年度にはこの取り組みを一層強化するべく、「在宅血液透析のさらなる啓発と推進」を年度目標として掲げている。職員がこの年度目標を意識できるよう、院内のパソコンすべてのスクリーンセーバーにこの文言を表示するといった徹底ぶりだ。

2017年10月現在、同院のHHD患者は、訓練中も含めれば16名を数えるまで増えた。患者は男性13名、女性3名。年齢は27歳から73歳と幅広い。また、患者、介助者ともに医療従事者以外の人が目立つようになり、母親や息子、娘が介助者となるケースも増えるなど、HHDの患者層は確実に広がっている。

HHD普及が思うように進まなかった時代に舩越理事長は、とにかくHHDの良さを折に触れて説き、「絶対にできます」と患者を励まし続けた。この言葉がけの活動はいまでは全職員に浸透し、実行されている。進行した認知症であるなど、導入が難しい患者を除き、ほとんどの患者にHHDの良さや、「あなたにもできる」といったメッセージを伝え続けている。

「たとえいま独り暮らしでも、身近な誰かに透析の時間だけ介助者になってもらうことでHHDができる可能性が出てきます。諦めず、柔軟に考えられるような支援もしたいと思っています」と理事長が言うように、スタッフ皆が価値観を共有し前向きなメッセージを発することが、患者の後押しになっている。

「HHDを考えるにあたり、特に患者さんが心配されることの1つに費用があります。でも、導入のための工事費用、透析装置や水の供給装置の費用などはすべて当院の負担なので、患者さんの負担はそんなに大きくありません。『医療費は施設でも自宅でも同じで、水道・光熱費が1カ月に約1万円アップする程度です』とお話しすると、皆さんほっとされるようです」と話すのは、患者からのさまざまな相談に乗っている社会福祉士で介護支援専門員でもある藤原久子医療相談員である。

また、「自宅で透析しているときに何かあったらどうするのか」と心配する患者も多い。これについては舩越理事長はじめ医師が「何も起こりません。万一針が抜けてしまったら、機械のスイッチを切るだけでよいのです」と明確に答えている。「患者さんはさまざまな不安を抱えていますので、それに一つひとつ丁寧に答えます。すると不安が解消され、HHDをやってみようかという気になるのです」と舩越理事長が患者の思いに寄り添う姿勢を語る。

HHD 推進チーム手づくりの冊子、「もう一つの選択肢 在宅血液透析(HHD)」も、患者の不安や疑問の解消に一役買っている。この冊子には、施設HDと比較したHHDの特徴や、自宅で透析を行う場合のスペースの確保、費用、トラブル対応など、患者が疑問や不安に感じるようなことについて、Q&A形式でわかりやすくまとめられている。

もう一つの選択肢 在宅血液透析(HHD)

患者教育のためにHHD 推進チームが手づくりした冊子「もう一つの選択肢 在宅血液透析(HHD)」

6. 患者教育・訓練 HHDは患者自身が行うという意識を徹底
訓練は本人のペースに合わせて実施

美佐保 学 3階フロア看護師

HHD導入の一般的な流れは、図3の通りで、患者側からの問い合わせから、面談・面接、臨床工学技士による患者宅の下見訪問を経て、院内での適応会議を行い適応と判断されたら患者教育・訓練が始まる。

導入前後のステップの中でも重視しているのは患者に対する教育で、「在宅血液透析導入クリニカルパス」に沿って、約6カ月にわたって行われる。特に気をつけているのは、最初にHHDを始めるにあたっての心構えをしっかりと伝えることだ。

「これまでには、患者さんが介助者さんを頼りすぎてしまったために、介助者さんが疲弊しきってしまうケースも見られました。そうならないためにも、HHDは患者さんご自身で行う治療法であることを強調するようにしています」と佐藤チームリーダーが患者自身の姿勢の重要性を説く。こうして患者の意識を高めたうえで実技を指導する。

患者教育において豊富な経験を持つ3階フロアの美佐保学(みさほがく)看護師は、患者によりよく理解してもらうためのポイントとして「見守ること」を挙げ、「何でもすぐに理解できる患者さんもいれば、時間をかけて身につけていくタイプの患者さんもいます。実際にHHDを始めるまでにどれくらいの時間がかかるかは人それぞれでいいわけですから、私たちはその方のペースに合わせて指導をし、必要な部分だけ助言するようにしています」と続ける。

患者教育はHHD開始後も続き、1カ月に1回の通院時にはスタッフの見守る前で、自宅で行っている通り透析を行ってもらい手順などを確認。また、3カ月に1回、臨床工学技士が機器の点検のための訪問を実施する際にもチェックができる。さらに1年に1回、確認の意味も含めた再訓練を行っている。

図3 一般的なHHD導入までの流れ

一般的なHHD導入までの流れ

7. スタッフの育成 透析業務経験者を指導者として育成
育った指導者がさらに後進を育てる

羽田 鮎子 3階フロア看護師

久保 純子 4階フロア看護主任

HHD導入を最良のかたちで行うためには、教育にあたる人材の育成もしっかり行う必要がある。そこで実施しているのが訓練スタッフの育成である。育成の対象には透析室スタッフのみならず、病棟スタッフも含まれる。

育成は年間計画に沿って行われ、まずは訓練スタッフに教育を行うためのインストラクターを育てる。これは月に2回、業務後に、透析室に併設されている指導室を使って、実際に患者の自宅で透析を行っている場を想定して行われる。そうやってインストラクターが力をつけたら、今度は透析室スタッフ、病棟スタッフに訓練の仕方を伝授する。こちらは通常の透析が行われている時間帯に実施される。また、実際にベテラスタッフが訓練を行っている場を見学したり、ベテランと一緒に実務を行ったりする機会も設け、訓練スキルを磨いてもらう。

「忙しい業務の中で、教育の時間と労力を割くのは本当に大変だと思いますが、よくやってくれています」と職員を労う舩越理事長。これに対し、ベテランインストラクターの羽田鮎子看護師は、「当院には透析業務の経験者が多く勤務していますが、病棟に配属になったことで実務を長く離れていたり、一部には透析業務の経験のないスタッフもいたりします。そこで、インストラクター育成に際しては、まずは豊富な経験のある人を優先し、早く指導する立場になってもらうようにしています。こうすることでスタッフを指導できる人材が増え、教育がより効率的に進められるようになります」とスタッフ教育の工夫を語る。

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透析室の一角に設けられたHHD訓練のための一角。ベッドとHHD用の機器など一式が並ぶ

通常業務を行いながら十分な教育が行えるように透析室スタッフ、病棟スタッフのシフトを組むのは、4階フロア看護主任の久保純子看護師だ。久保看護師は、「勤務表は透析室、病棟、また看護部、臨床工学課それぞれと調整しながら1週間単位で作成します。このときに、透析業務と同様に教育業務も割り振ることで、人員配置を計画的に行うことができます」と説明する。

8. HHDコーナー HHD用の物品や資料を展示
HHD患者が集う会も発足

山口 由希子 理学療法士

田賀農 恵 HHDグループリーダー
(看護師)

HHD推進チームでは、HHDの実際を1人でも多くの人に知ってもらう取り組みを強化し続けている。これまで同様、ポスター掲示やパンフレットの配付を継続するのはもちろんのこと、2017年4月には、HHDについて紹介する月刊の「在宅血液透析新聞」を創刊し毎月、院内に掲示している。こうした広報活動には、チームの一員である山口由希子理学療法士などリハビリスタッフもかかわっている。山口理学療法士は、「資料づくりなどを通して、またリハビリを行いながらのコミュニケーションなどを通して、患者さんがHHDに取り組む支援ができればと思います」と言う。

また、同7月には、院内のラウンジの一角に、HHDコーナーを新設し、HHDで実際に使う物品や資料の展示を始めた。「より興味を持っていただけるように、単に物品を置くのではなく、たとえばダイアライザーを半分に切って、筒の中の中空糸を直接見たり触ったりできるようにするなど工夫しています」と、看護師でHHDグループの田賀農恵グループリーダーが紹介する。

田賀農グループリーダーは、入職して間もない頃の2013年に当時の上司から勧められてHHDチーム(当時)に参加して以来、佐藤チームリーダーともどもHHD推進メンバーの要として活動している。約200ページに及ぶ患者向けHHDマニュアルの作成にも携わった。「装置の組み立てひとつとっても作業の一つひとつを写真と文で紹介しています。マニュアルの作成には当院スタッフのほか、HHD患者さんにも協力していただきました。わかりやすくできたと思っています」と手応えを語る。

このマニュアルには、「在宅血液透析導入クリニカルパス」なども盛り込まれているが、こうしたパスもまた、HHDグループが作成した。HHDコーナーでの展示では、マニュアルは項目ごとに数冊に分けられているが、患者に渡すときはこれらを1冊にまとめている。

さらに8月下旬には、院内のHHD患者が集う会を初めて実施。これからHHDへの移行を考えている人なども交え、日々の生活などを語ってもらった。この会は今後も継続的に行い、HHD患者の交流や、ほかの患者・家族がHHDに親しむ機会にしたいという。

9. 今後の課題・展望 HHD患者30名が当面の目標
地域連携推進のための活動も強化

2015年に本腰を入れ体制整備などを進めてきた結果、HHD患者が順調に増えている状況について舩越理事長は、「努力が実ったと感じます。HHDの患者さんは総じて体調が良く、『こんなことならもっと早く在宅にすれば良かった』などとおっしゃる患者さんもいて、いまのところ良いことばかりです」と喜ぶ。

今後の目標は、HHD患者を院内で30名程度に増やすこと。その後はさらに潜在的なニーズの把握に努める方針で、HHD導入までは同院で担当しても、その後の管理は地域の医療機関に任せるなど、地域連携の強化も図っていく。

「HHDはもはや、フルタイム働く若年層対象の治療法ではなくなり、人生の終わりの時期を自宅で過ごしたいと望まれる透析患者さんをサポートする治療法の意味合いも大きくなってきています。そういう意味のHHDにも力を入れていきたい」と舩越理事長。そのためにも、「長崎腎病院のHHDシステムはしっかりしていると感じていただけるようにさらに質を高めていかなければと思います」と使命感をこめて語る。

HHDの良さを広くアピールするための啓発活動も重視しており、その一環として、すでに「長崎腎病院 地域連携講演会」を定期的に行っている。2017年4月には同講演会の第4回として、県内の離島でHHDを続けながら自給自足生活を満喫している女性患者による講演、精神科医による透析患者の不眠に関する講演の二部構成で実施した。一方で、学会発表などにも熱心で、2017年度だけでも同院スタッフの合計で国内外13の学会に参加(予定を含む)。発表件数にして約50本を数える。

HHD患者の数は2015年現在、全国の総数でも572名にすぎない。しかし今後、少子高齢化がますます進み、在宅医療がさらに推進されれば、当然、透析患者の在宅移行もいま以上に求められるようになるはずだ。同院のこれまでの歩みや積み上げたノウハウが広く活用される日も近そうだ。

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舩越理事長を囲むHHD推進チームの皆さん

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透析施設最前線

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