KYOWA KIRIN

このサイトは、日本国内の医療関係者(医師、薬剤師、看護師、技師・技士等)を対象に、弊社が販売する医療用医薬品を適正にご使用いただくための情報を提供しています。国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

医療法人財団青葉会 東都三軒茶屋クリニック
[透析施設最前線]

2019年12月17日登載/2019年12月作成

印刷用PDF

病院外観
  • ●院長:久保田 孝雄 先生
  • ●開設:2015年
  • ●所在地:東京都世田谷区太子堂2-13-2

患者の生き方を尊重した医療の適確化を目指し、
住み慣れた地域で最後まで暮らせる支援を

1970年に三軒茶屋クリニックを開院。以来、透析医療に黎明期から取り組み、東京都世田谷区の三軒茶屋エリアを中心に発展してきた大坪会グループ。早くから透析以外の医療ニーズにも対応し、現在、同グループが運営する医療・介護関連施設は関東一円で40余りにも及ぶ。発祥の地に4年前に開院した東都三軒茶屋クリニックでは、物心両面から透析患者に"癒やし"を提供するとともに、患者の生き方を尊重する医療の適確化を行い、住み慣れた地域で最後まで安心して暮らせるために必要なサポートを提供する。

1. 法人グループの特徴 透析医療を出発点に
地域の医療ニーズに対応して発展

大坪茂 医療法人財団青葉会理事長
高度な医療の提供をモットーに、クリニックづくりに取り組んでおり、「フットケアチームを立ち上げ、皮膚科専門医による定期回診も行っています。見学者も多く、近年は中国をはじめ海外からの視察も受け入れています」と話す

東都三軒茶屋クリニックの母体である大坪会グループの始まりは、今から半世紀前の1970年に遡る。

「母は東京大学医学部附属病院第二内科に勤務しており、循環器と腎不全を専門にしていました。まだ20代でしたが、院長として透析を中心としたクリニックを開院したのです。これは都内の民間医療機関としては初の取り組みです。当時の透析医療は、健保本人は10割給付でしたが、家族は5割負担の高額医療だったことから無料で治療することもあったといいます」と大坪理事長は回想する。透析医療の黎明期は施設が限られていたこともあり、やがて全国から患者が押し寄せるようになり、1973年に三軒茶屋病院に改組。同時に分院を開設していった。

以降、透析以外の医療ニーズにも対応すべく、医療機関、健診施設、老人保健施設などを次々に立ち上げていった。現在、法人グループが運営する医療・介護関連施設は、関東一円で40余りにも及ぶ。

さらに、2009年には看護師の育成に乗り出し、「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一の生誕地である埼玉県深谷市に東都医療大学(現・東都大学)を設立。現在は幕張新都心にもキャンパスを広げ、看護師のほか、管理栄養士、理学療法士の育成も手がける。

「私たちは"医療と福祉、教育を通じて地域社会に奉仕する"という理念のもと、地域に貢献すべく法人グループ一丸となって取り組んでいます」と大坪理事長は語る。

2. 三軒茶屋エリアでの位置づけ 機能と役割の異なる
7つの医療機関が有機的に連携

大坪由里子 三軒茶屋病院院長
自身の経験を踏まえ、女性の医師やスタッフが働きやすい労働環境の整備にも力を入れる。「この地域で子育てしながら勤務している看護師も多いです。人は財産ですから、ワーク・ライフ・バランスには柔軟に対応していきたい」と話す。

同法人グループの発祥の地・三軒茶屋エリアでは三軒茶屋病院を中心に発展を続け、現在は機能の異なる7つの医療機関(三軒茶屋病院、三軒茶屋第一病院、青葉病院、東都三軒茶屋リハビリテーション病院、東都三軒茶屋クリニック、ホスピア三軒茶屋、太子堂訪問看護ステーション )を運営する。

三軒茶屋病院は開院以来、外来と入院の二本立てで透析医療に取り組んできた。しかし、同じフロアに入院患者と外来患者が混在する状態で透析を行うことは、重症度の違いや感染対策などで問題点を抱えることになった。「静かな環境の中で、外来患者さんがリラックスして透析を受けられるようにすること、また、入院患者さんを、より厳格な管理の基、治療を受けられるようにすることは、積年の課題であり念願でした」と大坪理事長は語る。

そこで、同法人では2015年11月、満を持して東都三軒茶屋クリニックを開院。これを機に元気な患者はクリニック、比較的重症の患者は病院と役割を分け、どのような状態の患者にも適切に対応できるようになった。

「三軒茶屋病院があることで、クリニックの患者さんに入院の必要があるときには速やかに受け入れができますし、クリニックに通院する患者さんが入退院を繰り返すようになれば病院の外来透析に移る選択肢もあります」と三軒茶屋病院の大坪由里子院長は現状を紹介する。

さらに、透析医療を三軒茶屋病院と東都三軒茶屋クリニックに集約させることで、他の3病院の役割と機能も明確化した。外科や整形外科を得意とする三軒茶屋第一病院は、近隣の大学病院と連携しながら多くの手術に取り組み、青葉病院には「特殊疾患療養病棟」を新設し、意識障害がある患者を積極的に受け入れる。東都三軒茶屋リハビリテーション病院は、療養型病床から転換し、この地域になかった回復期リハビリを開始した。さらに、グループの経験を活かし、都内では数少ない透析のできる回復期リハ病院となった。「患者さんが住み慣れた地域で最後まで安心して暮らせるよう地域完結型の医療を構築したかったのです」と大坪院長はその狙いを示す。

3. 施設の特徴 患者の心を癒やすために
建物の内装に工夫を凝らす

外来透析に特化した東都三軒茶屋クリニックのコンセプトについて、大坪理事長は「透析に週3回も通うと、ときには気が進まないなと感じることもあるでしょう。こうした心を癒やし、通院することに少しでも楽しみを見出してもらえるような存在になりたいと考えています」と語る。

こうした目的のもと、ハード面にもこだわり、建物は"癒やし"をテーマに設計・施工を行った。内装のデザインとインテリアをコーディネートした大坪院長によると、1階の外来フロアは"海"をモチーフにしたという。「透析に水は欠かせませんし、水音には心が癒されます。透明度の高い海の中を散歩しているような気分になってもらえるようアクセントカラーに青を使い、波模様が浮かぶ壁面、吹き上がる泡のオブジェ、人工クラゲが泳ぐ水槽などを配しました」

一方、2階にある透析室は白を基調にシンプルに仕上げた。「安全で快適な透析を受けていただくために機能性を重視し、明るく清潔な環境づくりを心がけました」と、大坪院長は空間のコンセプトを説明する。穿刺の安全性を高めるためにシャントを装着した腕全体が洗えるよう、大きな洗面台を設置するなど細やかな配慮が行き届く。また、透析時間を有効に活用することを目的に透析室の一角に個室を設け、パソコン作業をしやすいようリクライニングシートのチェアを置いて携帯電話の使用も許可した。「患者さんの中には有職者も少なくないことから、このサービスはとても喜んでいただいています」と大坪理事長。

さらに3階にある患者ラウンジは、森の中をイメージし上品な家具とグリーンで落ち着いた空間を作り上げ、「患者さんとそのご家族が楽しく過ごせますようにとの思いを込め、デザインしました」と大坪院長は語る。

4. 診療の特徴 患者の情報を共有し
相談し合えるチーム医療を重視

成田晃子 看護師長
慢性腎臓病療養指導看護師の認定資格も有する透析看護のエキスパート。患者教育のほか、地域の慢性腎臓病の予防啓発活動にも熱心に取り組んでいる

ハード面だけでなくソフト面においてもより一層の充実を図り、透析医療を知り尽くしたベテランスタッフを中核に据え、高度な医療を提供することをモットーに掲げる。中心となるスタッフの背景を紹介すると、大坪理事長は日本透析医学会評議員で東京都透析医会の事務局を務め、常勤医は全員、日本腎臓学会専門医または指導医、日本透析学会認定医または指導医の資格を有する。さらに看護師長は、熟練した看護技術と知識を用いてハイレベルな看護実践ができる者に与えられる慢性腎臓病療養指導看護師(DLN)の認定者だ。

「それぞれの持つ高度な技術を駆使するとともに、患者さんの情報を共有し、相談し合えるチーム医療の姿勢を大切にしています」と大坪理事長は方針を語る。つまり、主治医の独断ですべての治療方針を決定するのではなく、患者本人、家族、他の医師やスタッフなど複数の意見を考慮することに重きを置く。

そのためには看護師も透析看護の技術と知識を高め、自分の意見をしっかり言えるようになることが重要で、成田晃子看護師長はスタッフ教育にも力を入れる。「新人教育にはプリセプター制度を導入し、入職者の透析看護の経験に応じて、約3カ月間、マンツーマン体制で研修を行います。その際、透析の知識については理事長に講義していただき、実地訓練では臨床工学技士の指導を受けることもあります」と成田師長は説明する。

また、同法人グループでは1993年から年1回、「OZAK会学術集会」を開催し、多職種で日常臨床に直結したテーマを論ずる場を設けている。「この学術集会に自分たちが取り組んできたことを演題発表する流れになってきたことが嬉しいです。一人ひとりのスタッフに自分で考えて行動する力がついてきた証だと受け止めています」と成田師長は評価する。

08

スタッフ手作りの提示物。住み慣れた地域で最後まで安心して暮らしてもらえるよう、スタッフたちは普段の生活を支える視点を忘れない。患者が一目で理解でき、印象に強く残るようにイラストを多用し、情報提供にも工夫を重ねる。

5. 今後の課題と抱負 高齢者への手厚い支援を目指し
訪問診療部門を検討

同クリニックが診療を行う中で、もう一つ大切にしているのがSDM(Shard Decision Making:共働的意思決定)だ。「EBMを基本にしながらも、患者さんの人生観、生き方を尊重するためにケースカンファレンスを行い、患者さんやご家族と話し合い、意思決定についても目標を共有します。そして、個々の患者さんに応じた適確化医療を行うことを心がけています」と大坪理事長は語る。

患者の声に耳を傾けることは、意思決定の場面以外でも重視しており、透析医療の質の評価に患者満足度調査(年1回実施)を活用する。この調査を担当する成田師長は「接遇、治療、検査、設備・管理の4項目について患者さんの評価を受けています。いずれも満足度は高く、寄せられた意見は日常診療や環境整備づくりに生かしています」と説明する。看護師を中心に普段から何でも話してもらえる雰囲気づくりに努めてはいるものの、面と向かって言えないこともあるので、患者満足度調査で得た回答はスタッフのよい気づきにつながっているという。なお、調査結果は患者勉強会で報告し、患者・家族にフィードバックすることも怠らない。

一方、今後の重要な課題は、増加の一途をたどる高齢患者へのサポートだ。送迎サービスなどに取り組み、三軒茶屋病院をはじめ在宅療養後方支援の受け皿となる病院群を揃えているが、それだけでは不十分だと考える。「ワンストップサービスを実現するために訪問診療部門の新設計画を進めています。今年度内にはスタートさせるつもりです」と大坪理事長は意欲的だ。

また、このようなサポートを始めるにあたり、必要性を痛感しているのがアドバンス・ケア・プランニング(ACP:Advance Care Planning)だ。すでに同法人グループの老人保健施設では、健康カフェの場を活用し、ACPに対する取り組みを開始。近い将来、透析医療の現場でも取り入れていきたい意向を示す。「元気なうちにどのような最後を迎えたいのかを話し合い、患者・家族と医療者の思いをすり合わせることが大切だと感じています。看取りの選択について後悔する家族も少なくないことから、この課題に取り組むことはグリーフケアの先取りにもなると思います」と大坪院長は手応えを語る。

最後に大坪理事長は「クリニック単体ではできないことも法人グループで支え合うことによって乗り越えられる」と力強く語る。この最大の強みを生かしながら、東都三軒茶屋クリニックは、住み慣れた地域で透析患者が最後まで安心して暮らせる世界を目指し、これからもチーム医療をベースに走り続ける。

12

患者数の増加に伴い、スタッフも増えているが、しっかりとした教育体制と委員会体制のもと、均一で質の高い透析医療を維持する。スタッフの素敵な笑顔から組織の風通しのよさも伺える

KK-19-09-26841

透析施設最前線

おすすめ情報

  • おすすめ情報は、協和キリンのウェブサイトにおける個人情報の取扱い方針に基づき、お客様が閲覧したページのアクセス情報を取得し、一定の条件に基づき自動的に表示しています。
    そのため、現在ご覧いただいているページの情報との関連性を示唆するものではございません。

くすり相談窓口

弊社は、日本製薬工業協会が提唱するくすり相談窓口の役割・使命に則り、くすりの適正使用情報をご提供しています。
弊社医薬品に関するお問い合わせは、下記の電話窓口で承っております。

フリーコール

0120-850-150

受付時間 9:00~17:30
(土・日・祝日および弊社休日
を除く)

※お電話の内容を正確に承るため、また、対応品質の維持・向上等のため通話を録音させていただいております。あらかじめご了承ください。

お問い合わせ