KYOWA KIRIN

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ダーブロック錠 製品紹介

ダーブロック錠 1mg 2mg 4mg 6mg

1. 警告

    本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[9.1.1、11.1参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

薬効薬理

1. 作用機序23,24)

低酸素誘導因子(HIF)は、心不全、脳卒中、肺疾患、気圧変化及び網膜損傷等での低酸素症に対する応答を制御するマスター転写因子である。HIF-1はα及びβサブユニットからなるヘテロダイマーであるが、HIF-2αもHIF-1βとヘテロダイマーを形成する。正常酸素状態ではHIF-αはE3ユビキチンリガーゼによって常にユビキチン化され、26Sプロテアソームによる分解を受ける。このユビキチン化を介するHIF-αの分解は、von Hippel-Lindau腫瘍抑制蛋白(pVHL)との相互作用に依存しており、HIF-α-pVHL相互作用に必要な認識エレメントにはHIF-αの水酸化プロリン残基が含まれている。HIF-αは2ヵ所の高度に保存されたプロリン残基がPHD(HIFプロリン水酸化酵素)1〜3で水酸化されることによって分解される。
ダプロデュスタットは、PHD1〜3に対する阻害剤である。PHDが阻害されると低酸素時の応答が誘導され、水酸化されていないHIF-αが蓄積し(安定化)、HIF-βとダイマーを形成してHIF応答性遺伝子の転写が活性化される。その結果、HIF経路の活性化により、生体の低酸素応答機構を亢進させ、赤血球産生を誘導すると考えられています。

引用文献の著者には、グラクソ・スミスクラインの社員が含まれている。

2. 薬理作用

(1) PHD1〜3の活性酵素に対する阻害作用(in vitro25)

ヒトPHD1〜3、ラットPHD2及びPHD3、イヌPHD3の酵素活性に対するダプロデュスタットの阻害作用を検討した。その結果、ダプロデュスタット(0.0006〜50μM)のヒトPHD1〜3に対する見かけの阻害定数(Ki)はそれぞれ1.8、7.3及び1.8nMであった。

PHD1〜3に対するダプロデュスタットの阻害作用

酵素 基質 IC50a(nM) みかけのKib(nM)
ヒトPHD1 HIF-1αc 3.5(n=2) 1.8(n=2)
ヒトPHD2 HIF-1αc 22.2(n=10) 7.3(n=10)
ヒトPHD3 HIF-2αd 5.5(n=10) 1.8(n=10)
ヒトPHD2 HIF-1αc 3.3(n=2) 1.7(n=2)
ラットPHD2 HIF-1αc 2.4(n=2) 1.2(n=2)
ヒトPHD3 HIF-2αd 8.9(n=2) 4.4(n=2)
ラットPHD3 HIF-2αd 4.3(n=2) 2.2(n=2)
イヌPHD3 HIF-2αd 4.1(n=2) 2.0(n=2)

HIF:低酸素誘導因子、PHD:HIFプロリン水酸化酵素(HIFプロリル-4-ヒドロキシラーゼ)
a:プレインキュベーションは30分間、b:競合的阻害に適用するCheng-Prusoff式を用いて見かけのKiを算出、
c:HIF-1αのCODDD(C末端酸素依存性分解ドメイン)を使用、d:HIF-2αのCODDDを使用

方法: ヒトPHD1〜3、ラットPHD2及びPHD3、イヌPHD3の酵素活性に対するダプロデュスタットの作用を蛍光検出によるLANCEアッセイ(ランタニドキレートを利用したホモジニアス時間分解蛍光アッセイ)で検討した。ダプロデュスタット(0.0006〜50μM)、PHD、反応バッファーをアッセイプレートに分注し、30分間室温でプレインキュベーションを行い、基質(Cy5標識したHIF-1αCODDD又はHIF-2αCODDD)を添加し、30分間反応させて蛍光強度を測定した。

(2) 他のα-ケトグルタル酸依存性鉄ジオキシゲナーゼに対する選択性(in vitro26)

PHDと同様にα-ケトグルタル酸依存性鉄ジオキシゲナーゼスーパーファミリーに属するコラーゲンプロリルヒドロキシラーゼ(CP4H)及びHIF阻害因子(FIH)に対するダプロデュスタットの阻害作用を検討した。CP4H及びFIHに対するダプロデュスタットの50%阻害濃度(IC50)はそれぞれ200μM超及び9.8μMであり、PHDに対するIC50のそれぞれ9000倍超及び約441倍であった。

PHD1〜3に対するダプロデュスタットの阻害作用

酵素 基質 IC50a みかけのKib
ヒトCP4H プロコラーゲン >200μM(n=2)
ヒトFIH HIF-1αc 9.8μM( n=2)

a:プレインキュベーションは30分間、b:Cheng-Prusoff式を用いて算出、c:HIF-1αのCODDDを使用

方法:CP4H及びFIHに対するダプロデュスタットの阻害作用を検討した。CP4H又はFIHとダプロデュスタット(CP4H:0.01〜665μM、FIH:0.02〜400μM、n=2〜3)を室温で30分間プレインキュベーションし、それぞれの基質と反応バッファーを添加し、アッセイ(CO2放出)を行った。

(3) HIF安定化(in vitro27)

ダプロデュスタットのPHD阻害作用を介したHIF-1α及びHIF-2αの安定化について検討した。ヒト肝癌細胞株(Hep3B細胞株)をダプロデュスタット又はデフェロキサミン(陽性対照)で処理したときのHIF-αの蓄積を検出して安定化の指標とした。
媒体処理細胞ではHIF-1α及びHIF-2αのいずれも検出されなかったが、デフェロキサミン処理細胞ではHIF-1α及び HIF-2αがいずれも検出された。ダプロデュスタット処理細胞では25及び50μMのいずれの濃度においてもHIF-1α及びHIF-2αが検出された。これらのことから、Hep3B細胞株をダプロデュスタットで処理することで、HIF-1α及びHIF-2αが安定化すると考えられた。

(4) HIF応答性遺伝子のmRNA及び蛋白質量に対する作用(in vitro28)

Hep3B細胞株をダプロデュスタットで処理し、エリスロポエチン(EPO)及び血管内皮増殖因子A(VEGF-A)等の特定のHIF応答性遺伝子のmRNA量及び蛋白質量の変化を測定した。その結果、EPO mRNA量はダプロデュスタットの濃度依存的に1.7〜7.4倍に増加した。また、HIF-1α特異的ホスホグリセリン酸キナーゼ1(PGK-1)mRNA量は、ダプロデュスタット処理で1.7〜2.9倍に増加した。なお、ダプロデュスタットはPHD1〜3のmRNA量に変化を及ぼさなかった。培養液中のEPO蛋白質量はダプロデュスタットの濃度依存的に1.4〜4.2倍に増加した。これらのことから、Hep3B細胞株においてダプロデュスタットの処理により、濃度依存的にEPO mRNA量及びEPO蛋白質量が増加することが示された。

ダプロデュスタットによるmRNA及び蛋白質量に対する作用

ダプロデュスタット
濃度(μM)
媒体と比較したときの誘導率(倍)
EPO mRNA EPO
蛋白質
PGK-1
mRNA
PHD1
mRNA
PHD2
mRNA
PHD3
mRNA
VEGF-A
蛋白質
0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
2.5 1.7 1.4 1.7 1.1 1.4 1.2 1.6
12.5 5.0 3.8 2.6 0.9 1.2 1.3 2.1
25 7.4 4.2 2.9 0.8 1.2 1.2 2.0
デフェロキサミン
100μM
(陽性対照)
14 7.7 6.6 0.8 2.7 7.2 5.6

EPO:エリスロポエチン、PGK-1:ホスホグリセリン酸キナーゼ1、PHD:低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIFプロリル-4-ヒドロキシラーゼ)、VEGF-A:血管内皮増殖因子A

方法:Hep3B細胞株を高グルコース/グルタミン含有2%ウシ胎児血清(FBS)/0.1%ジメチルスルホキシド(DMSO)添加ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で調製したダプロデュスタット(2.5、12.5、25μM)で処理し、エリスロポエチン及びVEGF-A等の特定のHIF応答性遺伝子のmRNA量及び蛋白質量を測定した。処理16時間後にリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR)を用いてmRNA量を定量し、ヒト18SrRNAの値で補正した。別の試験において、処理24時間後にMSD ELISAを用いて培養液中に分泌された蛋白質量を測定した。陽性対照としてデフェロキサミン(100μM)を使用した。

(5) エリスロポエチン及びHIF応答性遺伝子の発現に対する作用(マウス)29)

雌B6D2F1マウスにダプロデュスタットを単回経口投与したときの乏血小板血漿中のエリスロポエチン(EPO)濃度は、媒体群の平均値と比較してダプロデュスタットの投与8時間後で8倍(519pg/mL)、12時間後で6倍(415pg/mL)に上昇した。

雌B6D2F1マウスにダプロデュスタットを単回投与したときの肝臓EPO mRNA量は、媒体群の平均値と比較して、ダプロデュスタット投与2時間後に279倍に上昇し、投与6時間後には449倍と最高レベルに到達した。

雌B6D2F1マウスにダプロデュスタットを単回投与したときの腎臓EPO mRNA量は、媒体群の平均値と比較して、ダプロデュスタット投与8時間後に56倍に上昇し、投与12時間後では35倍であった。

(6) 赤血球産生に対する作用(ラット)30)

雄Sprague Dawleyラットにダプロデュスタット0.3、1、3、10mg/kg/日を21日間反復経口投与したところ、0.3mg/kg/日投与群ではヘマトクリット値、赤血球数が、1、3、10mg/kg/日投与群ではヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、赤血球数が有意に増加した。白血球数はいずれの用量でも有意な変化はみられなかった。

雄Sprague Dawleyラットにダプロデュスタットを21日間反復経口投与したときの血液学的パラメータの変化(試験22日目)

ダプロデュスタット用量
(mg/kg/日)
平均値±標準誤差
(n=5)
p値
(媒体と比較)
ヘモグロビン
(g/dL)
0(媒体) 17.78±0.37
0.3 18.76±0.55 0.18
1 18.84±0.40 0.089
3 19.34±0.29 0.011
10 21.75±0.40 0.00018
ヘマトクリット値(%) 0(媒体) 48.98±0.90
0.3 53.06±1.46 0.044
1 52.94±1.16 0.027
3 54.76±1.12 0.0038
10 61.93±1.65 0.00016
赤血球数
(×106cells/μL)
0(媒体) 9.59±0.20
0.3 10.76±0.30 0.012
1 10.57±0.21 0.0095
3 10.60±0.14 0.0032
10 11.32±0.41 0.0047
白血球数
(×103cells/μL)
0(媒体) 21.85±5.02
0.3 24.30±1.34 0.62
1 23.60±2.80 0.76
3 18.72±1.99 0.55
10 21.50±1.59 0.95

(Student's t検定)

方法:雄Sprague Dawleyラット(n=5/群)にダプロデュスタット0.3、1、3及び10mg/kg/日を21日間反復経口投与した。試験8、15及び22日に尾静脈から採血し、血液学的パラメータを測定した。

3. 健康成人における薬力学の検討

(1) 健康成人に単回投与したときのエリスロポエチン濃度推移31)

(2) 健康成人に単回投与したときのVEGF濃度推移(参考情報)31)

23) 
Ariazi JL, et al. J Pharmacol Exp Ther 2017; 363(3): 336-347(利益相反:著者にはグラクソ・スミスクラインの社員が含まれた)
24) 
Maxwell PH, et al. Nat Rev Nephrol 2016; 12(3): 157-168
25) 
承認時評価資料:PHD1〜3 の酵素活性に対する阻害作用
26) 
承認時評価資料:他のα-KG 依存性鉄ジオキシゲナーゼに対する選択性
27) 
承認時評価資料:HIF安定化
28) 
承認時評価資料:HIF応答性遺伝子のmRNA及び蛋白質量に対する作用
29) 
承認時評価資料:マウスのエリスロポエチン濃度ならびにエリスロポエチン及びPGK-1mRNA量に対する作用
30) 
承認時評価資料:ラットの赤血球産生に対する作用
31) 
承認時評価資料:健康成人における薬力学の検討

6. 用法及び用量
6.1 保存期慢性腎臓病患者

赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合
通常、成人にはダプロデュスタットとして1回2mg又は4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。

赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合
通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。

6.2 透析患者

通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。

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