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独立行政法人 国立病院機構 徳島病院[パーキンソン病 med.front]

2018年03月09日登載/2018年03月作成

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  • ●院長:田中 信一郎 先生
  • ●開設:1939年5月
  • ●所在地:徳島県吉野川市鴨島町敷地1354

パーキンソン病の進行抑制を目的に
オリジナルの「意欲高揚プログラム」を実践

徳島市の西方約20km、自然豊かな丘陵地に立つ徳島病院は、神経・筋疾患の基幹施設として、また徳島県難病医療ネットワーク事業における難病医療の拠点として、徳島県内はもちろん、四国、中国地域まで含む広範囲の人々に専門的な医療を提供し続けている。中でも2009年4月からパーキンソン病患者を対象に実施している入院リハビリは全国的にも珍しく、全国からの入院希望者があとを絶たない。今回は「5週間パーキンソン病意欲高揚プログラム」と名づけられたこの取り組みを中心に紹介する。

1. 病院の概要 神経・筋疾患の基幹施設として
治療、臨床研究、教育に取り組む

徳島病院は1939年5月、「傷痍軍人徳島療養所」として開設された。1945年には「国立徳島療養所」となり、1980年に「 国立療養所徳島病院」に名称変更。1999年に神経・筋疾患(筋ジスを含む)四国ブロックの基幹施設に位置づけられ、さらに翌2000年には 「徳島県難病拠点病院」の指定を受けている。

現在の「独立行政法人国立病院機構徳島病院」となったのは2004年。2008年からは施設のサブタイトルとして「四国神経・筋センター」を掲げることで、同院が主として神経・筋疾患医療を担う施設であることを明確に打ち出している。近年も「病棟・総合リハビリテーションセンター」の開棟(2013年)など、その機能や活動はさらに拡充を続けている。日本神経学会教育施設として神経内科医の育成にも力を注ぐ。

基本理念は、「私たちは、病気を持つ人々の立場に立った安全かつ良質な医療を提供します」。この理念のもと、「神経・筋疾患の四国の基幹医療施設としての最新の医療の提供」「地域医療の向上」「健全な医療経営」「臨床研究の推進」を行動方針として掲げている。

2. パーキンソン病センター パーキンソン病に関する活動に
多職種で包括的に取り組む組織

徳島病院には、神経難病の中で最も多いパーキンソン病について、研究、診断、薬物治療、リハビリテーションを包括的に行うための組織、「パーキンソン病センター」が設置されている。

開設は2012年4月。それ以前から、入院によるパーキンソン病専用リハビリテーションや、パーキンソン病に関する分子細胞学的研究、治験、薬物治療など進行抑制を目的とした取り組みを重ねてきていたが、センター化により、それらの取り組みが集約されたかたちだ。

同センターを統括する三ツ井貴夫センター長(臨床研究部長)は、「神経内科の医師をはじめ、看護師、薬剤師、リハビリセラピスト、臨床心理士、MSWなど多職種が集まって、一人ひとりの患者さんがよりリラックスして病気とともに生きていくことができるよう、お手伝いをしたいと考えています」と同センターを紹介する。

三ツ井 貴夫
パーキンソン病センター センター長(臨床研究部長)

3. 独自のリハビリプログラム 5週間入院で積極的精神運動エクササイズ
グループ行動が意欲高揚効果を高める

パーキンソン病センターでは近年、リハビリに特に力を入れており、2009年4月から、独自の入院リハビリプログラムを実施している。そのプログラムとは、「5週間パーキンソン病意欲高揚プログラム」と名づけられたもので、報酬系の活性化を伴う精神・運動機能訓練(積極的精神運動エクササイズ)を5週間、入院で行う。精神的ストレスの軽減に主眼を置き、本人が楽しくなるようなリハビリを指向していることが大きな特徴だ。

「『仮面様顔貌』という言葉がありますが、パーキンソン病患者さんは表情が乏しいのが特徴で、なかなか笑顔は見られません。もし、患者さんの中にニッコリした表情の方がいらっしゃれば、その方は間違いなく症状が良くなっているといえます。ならばもっと積極的に、笑顔になれることをしてみるとよいのではないか、という発想がそもそもの出発点です」と三ツ井センター長。

入院期間を5週間としたのは、もともと生真面目に何事も頑張るタイプが多いとされるパーキンソン病患者に、リラックスして楽しむことを覚えてもらうためにはこれくらいの期間が必要との判断からだ。

5週間の間には、「基礎訓練」と「意欲高揚(ストレス解消)訓練」を並行して連日行う。背景には、従来型のフィジカルトレーニングとは別に、課題指向型訓練(goal-based training)とエアロビック運動を組み合わせた運動介入の有効性が注目されていることなどがある。

基礎訓練とは、ストレッチング、レジスタンス、歩行訓練など比較的単純な反復訓練を指し、パーキンソン病患者の歩行障害やバランス障害に有効である。一方、意欲高揚(ストレス解消)訓練とは、たとえば太極拳、タンゴ・ダンス、ボクシング、サイクリング、トレッドミルなど、認知機能を活性化するような訓練(課題指向型訓練)で、運動障害や情緒・感情障害の改善に役立つ。より複雑な課題に取り組むことで、神経可塑性を通して脳内の回路の活性化が促され、意識的(意志的)あるいは無意識的(自動的)な運動制御を改善することが期待されるという(図1)。

同プログラムの定員は7名。対象となるのは「比較的軽症(Hoehn & Yahr1~4期)」「40~85歳」「徳島病院倫理委員会で了承された3種の臨床研究の参加に関するインフォームド・コンセントの文書同意を得た者」の条件に当てはまるパーキンソン病患者である。

入院期間中の多くの訓練は、この7名が合同で実施する。三ツ井センター長は、「同時期に入院したメンバーは5週間一緒に生活し、運動やレクリエーションを楽しむ中で、同じ病気の仲間としての友情が芽生え、旧来の友人のように仲良くなります。そんな仲間たちと達成感や連帯感を共有することで、意欲高揚効果がより高まります。さらに退院後の通院が友人に会うためのものにもなるので、気分良く通院していただくことにもつながります。少人数で行うことそのものに大きな効果が期待できるという意味では、"small group-based rehabilitation"と呼ぶこともできます」と解説する。

4. プログラムの実際 専門的なアセスメントを経て5週間入院
退院後もアセスメントと親睦会でフォロー

「5週間パーキンソン病意欲高揚プログラム」はオリジナリティが高いこともあり、県内や四国地方のみならず、遠方からも入院希望者がやってきており、リピーターも多い。

入院前後も含めた同プログラムの流れは図2の通り。入院希望者はまず「パーキンソン病外来」を電話で予約し、受診。ここで外来担当医は神経学的診察・検査を実施し、患者に病状を説明する。なお、パーキンソン病外来の担当医はすべて神経内科専門医である。前述した通り、このプログラムの対象は比較的軽症の人なので、介護が必要なほど進行している人は入院できない。そうした患者が外来を訪れた場合は病状説明とともに、病状に合った対処法をアドバイスする。

入院が適当と判断された患者は神経内科医、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)による生活状態アセスメント、運動・神経機能アセスメントを受けたうえで入院となる。入院日は5週間ごとの月曜日と決まっている。これらのアセスメントには、PTによる歩行機能や筋力の測定、OTによる簡易上肢機能測定、うつ性自己評価尺度による評価、ADLチェックなど、STによるMMSE検査による認知機能チェック、反復唾液飲みテスト、水飲みテストによる嚥下機能評価なども含まれる。

入院初日には、患者同士の親睦のために「自己紹介」の時間を設けている。また、入院2週間目に医師主導の、4週間目には看護師主導の意見交換会も行われる。

退院時には医師、看護師、PT、OT、STそれぞれから、客観的データに基づく評価と退院後の課題を患者と家族に説明する「退院時説明会」が行われる。退院時と退院後1カ月、3カ月、6カ月、12カ月の4回、運動・精神機能アセスメントが重ねられる。これとは別に、入院患者、外来患者を対象とした「リハビリ教室」が2カ月に1回行われるなど、フォロー体制も整っている。

カンファランス

「5週間パーキンソン病意欲高揚プログラム」の参加者を含めた入院患者についての多職種カンファランスが毎週行われる

カンファランス後には多職種での回診も実施。ここでの交流も患者の意欲高揚につながる

5. 各職種の役割 【PT・OT・ST】
重症度別に目標を設定
5週間の訓練で在宅生活への適応を目指す

「5週間パーキンソン病意欲高揚プログラム」では、理学療法、作業療法、言語聴覚療法それぞれについて、パーキンソン病の重症度別(軽症群:Hoehn & Yahr1、2期、中等症群:Hoehn & Yahr3、4期)に到達目標が設定されている(図3)。

この目標に向かい、5週間のうち4週目までは理学・作業・言語聴覚療法ともに、他動運動中心から自動運動中心へと変化していく。たとえば1週目は他動運動が8割、各種訓練が2割、2週目は他動運動が6割、各種訓練3割、自動運動1割。こうして徐々に変化し、4週目に他動、訓練、自動が3分の1ずつとなる。こうした内訳は理学・作業・言語聴覚療法すべてで、また軽症群でも中等症群でも同様だが、言うまでもなく中等症群よりも軽症群のほうが全体に訓練の強度が高い。患者自身も軽症の人ほど強度の強い訓練を求める傾向があり、そんな人が満足できる内容を心がけているという。

4週目までに行った運動の中で在宅生活に適した運動が5週目に行われる。5週目は指導的要素を極力減らし、患者自らが能動的に運動できるようなアドバイスを主に行う。5週目のメニューの割合は各種訓練2割、自動運動3割、退院時指導5割である。入院期間中に行われる理学・作業・言語聴覚療法のメニュー内容を図4に示した。実際はこの限りではなく、安全に楽しくできるものなら柔軟に取り入れる。

澤田侑貴PTは、理学療法の行い方について、「軽症の方々は歩行訓練を中心とした運動による訓練が多くなり、重症度が増すほど精神機能に着目した訓練が多くなります。精神機能に着目した訓練には、たとえばフォークダンスや阿波踊りなど、皆で楽しめて体も動かせるものが含まれます。同じメニューでも、立って全身で動く人、座って上半身だけ動かす人など、個人の状態に合わせて無理なく行っていただきます」と説明する。

また、重症度が増すごとに日常生活への介入の必要性も高まることから、病棟スタッフとの連携も重視している。「心がけているのは、一人ひとりの患者さんに対し、それぞれのPTがなるべく多くの時間を割くことと、患者さんの表情に着目すること。中には入院時にまったく表情が変わらなかった患者さんが退院時にとてもやわらかい笑顔になるなど大きな変化が見られるケースもあり、そういった症例を増やしていきたいと思っています」と話す。

澤田PTは、前屈、側屈、首下がりなどパーキンソン病の姿勢異常について研究を重ねており、姿勢に着目した指導にも力を入れている。気分高揚がうまくいき、活動が積極的になれるほど、姿勢異常も改善されるケースが多いという。

作業療法は、集団で行うものもあるが、個別の対応に比較的多くの時間を割いている。池田朋世OTによると、入院時のアセスメントで一人ひとりの趣味・嗜好を調査し、それに沿ったメニューを考える。また、身体面、精神面両面からのアプローチすることを念頭にプログラムを組んでいるという。

個別訓練をしながら患者の思いを傾聴し、ネガティブな思考をポジティブな方向に誘導できるような対応を心がけていることもOTたちの工夫の一部。集団のレクリエーションではやはり「笑い」を引き出すことを重視している。

言語聴覚療法については川道久美子STが次のように紹介する。
「言語聴覚療法は毎日9:00~10:00の1時間で行います。7名の患者さんに複数のSTがつききりで発声、嚥下、認知機能といったことにかかわるゲームなどを楽しむのが通常のパターンですが、そのときのメンバーによっては内容を変化させます。たとえば子どもの頃から字を読むのがきらい、という人に本を読んでいただくようなことはしません。そうした場合にはカラオケをしたり、メンバー同士でただおしゃべりを楽しんだりといったように遊び感覚でリハビリの時間を過ごします。パーキンソン病のステージはもちろん意識するのですが、どちらかというと言語療法の場合はご本人のキャラクターや認知機能の状態に合わせる部分が大きいかもしれません」

ぼんやりしがちな週明け(月曜日)には神経衰弱で脳を刺激する、週半ば(水曜日)にはカラオケで遊ぶなど曜日も考えて内容を構成。「言語療法の場合、メニューによって患者さんごとのレベルに大きく差が出ることもあるので、その場合は、患者さん同士、教え、教わるようなかたちをつくるようにしたり、早口言葉を取り入れて間違えることを笑いに変えたりもしています」と実践を語る。「大きな声を出すとしゃきっとして、午後の理学療法、作業療法によいかたちでつながるので、言語聴覚療法が朝一番に行われるのは理にかなっていると思います」と川道STは言う。

澤田 侑貴
理学療法士

川道 久美子
言語聴覚士

6. 各職種の役割 【看護師】
常に笑顔で患者の生活を支え
コミュニケーション介入で精神面にアプローチ

看護師は、最も身近な存在として常に患者を励まし、リラックスできるように支えている。患者受持ち制ではなく、その日ごとに病室単位で担当する仕組みだ。そのスタンスについて松本直也看護師は、「パーキンソン病の患者さんはちょっとしたことで落ち込んだり、考え込んでしまったりしがちです。私たち看護師は、患者さんがそうした状態に陥らないように、常に笑顔で、目を見て言葉がけをし、ご本人の気持ちに沿って行動できるように心がけています」と語る。

プログラムの中での看護師の取り組みとしては、入院1週目と4週目に心理検査を実施し、その結果を退院時説明会で患者と家族に成果を伝えるといったことがある。特に良かった点はメッセージカードに記し、退院時説明会で手渡す。メッセージカードを書くのは一緒にリハビリに取り組んだ仲間だが、看護師も一緒に作業を行う。

先に触れた4週目の意見交換会は看護師が担当し、各職種による説明会や講習会などを開いている。また個別の相談にも常時応じており、看護師だけで対応できない相談については医師ほか、他の職種にも相談しながら解決策を探る。「簡単には解決できないこともありますが、少しでも希望に沿うように工夫しています」と松本看護師は言う。

入院初日の自己紹介、ここで紹介した意見交換会、メッセージカードの作成、退院時説明会は、毎週月曜日、パーキンソン病センターの定期カンファレンスの後に行われている合同回診と並んで「コミュニケーション介入」の要素であり、看護師はそのすべてにかかわっている。コミュニケーション介入の目的はストレス解消・意欲高揚であるが、治療のかたちをとると患者に先入観が生まれて望ましい効果が得られないことが多いため、このようにさまざまな会や、カードなどのかたちをとっているのである。

松本 直也
看護師

【薬剤師】
最初の集団講義以降は個別対応に終始
情報提供では用語づかいに細心の注意

薬剤師は患者が入院して2日目に講義のかたちで患者とかかわる。「まずは薬とリハビリの関係について簡単に解説し、続いて、現在使われている主なパーキンソン病治療薬について効果、副作用、生活上の注意点などを紹介します。単に教科書的に説明するのではなく、例えば自転車のチェーンが錆びてしまった場合、油とメンテナンスが必要です。薬を油に、リハビリをメンテナンスに例えて、『両方がないと自転車はうまく走らない、治療も同じですよ』などとお話しすると興味を持っていただけます。一定の解説のあとには、薬に対する日頃の不安や疑問にお応えする時間をとるようにしています」と講義の様子を話すのは、都築大輔副薬剤科長である。

この説明会のあと、薬剤師の患者とのかかわりは個別となる。パーキンソン病の患者は服用している薬の種類、量、飲むタイミングなど、すべてがその人それぞれなので、集団での対応が難しい。そこで、病棟を訪れベッドサイドを回り、一人ひとりに細やかに対応しているのである。

薬に関する情報提供で注意しているのは、患者に有益な情報としてとらえてもらえるようにすることだ。副作用などのマイナスの情報は、ともすれば患者にとって大きなストレスになりかねない。そこで「副作用」という言葉自体使わずに、「注意すべきこと」と表現するなど細心の注意をはらっている。講義や個別対応の中では、「頑張り過ぎないように」と意識して伝える。

「一般的な服薬指導がストレスの素になりかねないというのはパーキンソン病患者さんの特徴です。今後も病棟業務をより充実させるなどして個別対応を強化し、薬を介して患者さんに笑顔になってもらえるようなアプローチを工夫していきたいと思います」と都築副薬剤科長は言う。

都築 大輔
薬剤師(副薬剤科長)

7. 各職種の役割 【臨床心理士】
メンタルリハビリとして「瞑想法」を導入
より生活しやすい心の持ち様を探る

臨床心理士が現在取り組んでいるのは「瞑想法(呼吸法、マインドフルネス)」である。「近年、一般企業の研修などでも導入が進む瞑想法をパーキンソン病患者さんのメンタルリハビリの一環として取り入れることを発案しました。現段階(2017年10月現在)はまだ試験的な取り組みで、患者さんの反応を見ながらやり方を工夫してみているとことです」と言うのは、向山結唯臨床心理士だ。

「5週間パーキンソン病意欲高揚プログラム」では、2週目に瞑想法のやり方を患者に指導。その後、各自夕食後5分間、毎日座位で瞑想を行ってもらっている。瞑想の間には向山臨床心理士と、同僚の井上真理子臨床心理士がベッドサイドを回り、指導をしながら患者の感想や要望を拾い集めている。「夕食後はやりにくい」といった患者がいれば、その人のやりやすい時間に変える、「寝た姿勢でやりたい」という人がいれば座位から臥位に変えるなど個別に対応している。

毎日の瞑想については日記に記録してもらう。「瞑想中にどのような考えが浮かんだか、瞑想をしてみた感想はどうかなどをつけていただきます。今後はその内容を科学的に分析し、リハビリに活かしていきたいと思っています」と向山臨床心理士。井上臨床心理士も、「パーキンソン病の患者さんの性格傾向などは勉強や臨床を通して学んできたのですが、今回、瞑想法に取り組んだことで、個々の患者さんの思いなど新しい気づきもあり、続けていくことでさらに見えてくることもあるのかなと感じています。その方がより生活しやすくなるような心の持ち様といったものも見えてくるのではないかと思っています」と、今後の成果に期待する。

向山結唯・臨床心理士(写真右)と
井上真理子・臨床心理士

【MSW】
患者が退院後に困らないよう
ケアマネなどと連携しサービスを調整

プログラムの後半、主に退院に関連してかかわることが多いのが地域医療連携室のスタッフだ。津川靖弘MSWは、「入院プログラムに乗っている方は5週間で退院されることがわかっていますので、計画的に支援します。MSWも毎週のカンファレンスに参加して患者さんの情報を共有しているのですが、その方の状況を経時的に追うことができ、必要な支援もよくわかるという意味で、カンファレンスへの参加は非常に有意義だと思っています」と言う。

同プログラムの患者とは別に、一般の患者の退院支援も同様に行っているが、病状が重い人や認知症のある人、身寄りのない人の退院支援では受け入れ先探しに苦労することもある。

「ケアマネジャーと相談して介護サービスを整えるとともに、行政担当者とも協議して、成年後見人をつけることでやっと退院できた患者さんのケースなどは印象に残っています。進行性の病気ということもあり、退院せずに病院にいたいとおっしゃる方もおられるのですが、医学的に症状が安定していて退院できると医師が判断した患者さんについては、退院していただくのが原則。私たちにできるのは、サービスを調整し、サポート体制を十分整え、退院後に患者さんが困らないようにすること。そのために地域の情報を集めたり、ときには患者さんと一緒に施設見学に行ったりもしています」と話す。

津川MSWは、徳島病院に来る前には脳卒中のリハビリテーションに取り組む病院に勤務しており、主に脳卒中患者の退院支援をしていた。その経験から、入院期間や退院後の経過を患者自身もよく理解している脳卒中の場合と比べると、パーキンソン病患者の退院支援は難しい面があるという。しかし、サービス提供体制さえ整えば在宅で暮らせるケースも少なくなく、そういった患者たちのために力を尽くしている。

津川 靖弘
MSW

8. 今後の課題・展望 HHD患者30名が当面の目標
地域連携推進のための活動も強化

2009年4月にスタートした「5週間パーキンソン病意欲高揚プログラム」は、年間70人ほどの患者を迎え、9年目の2017年までにのべ600人以上のリハビリを行ってきた。その患者たちのデータを集計したところ、退院後6カ月間くらいは効果が持続し、良い状態で過ごせる場合が多いが、1年くらい経つと入院前の状態と同等レベルに戻ることが多いことがわかった。それもあって、毎年のように入院を希望する患者もおり、徳島病院でもそれを受け入れている。

三ツ井センター長は、「蓄積したデータは臨床研究としてきちんと分析し、広報していく方針です。また、我々は常に、プログラムをより良いものにしていくことを考えており、今回紹介した瞑想法の導入などもその一例です。今後も効果が期待できるメニューがあれば積極的に取り入れていきたいと思います」と語る。

同プログラムが成果を出している医学的理由を三ツ井センター長は、「ドパミンが関与した報酬系の活性化しているから」と分析しており、今後はこのことを患者の様子や感想だけでなく、客観的データで示したいと考えている。そのためにも院内に完備している光トポグラフィー検査を用いて脳機能をイメージングし、リハビリ前後、グループで行った場合とそうでない場合、といった比較を行い、リハビリの効果を示す指標を明らかにしていく方針だ。

KK-18-02-21470

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