KYOWA KIRIN

このサイトは、日本国内の医療関係者(医師、薬剤師、看護師、技師・技士等)を対象に、弊社が販売する医療用医薬品を適正にご使用いただくための情報を提供しています。国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院[パーキンソン病 med.front]

2018年01月18日登載/2018年01月作成

印刷用PDF

  • ●病院長:吉村 長久 先生
  • ●開設:1928年2月
  • ●所在地:大阪府大阪市北区扇町2-4-20

3科合同・多職種連携で取り組むDBSで
パーキンソン病患者のQOL向上に貢献

1928年に京都帝国大学(当時)医学部に付属する臨床医学研究用施設として開院した北野病院は、90年近い歴史を刻みながら、地域の基幹病院として成長してきた。2001年の新築移転を機に専門領域のセンター化を推進。2008年に発足した神経センターでは、神経内科と脳神経外科の緊密な連携のもと、多彩な神経系疾患の治療に取り組んでいる。中でも神経精神科を含めた3科合同チームによるパーキンソン病患者へのDBS(脳深部刺激術)診療は特徴的で、実績も豊富。同院のDBS診療チームを取材した。

1. 病院の概要 地域の基幹病院として
臨床、研究、人材育成に取り組む

公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院は、臨床医学研究機能を持つ総合病院で1928年2月に開院した。経営母体である田附興風会は、1925年11月に設立されている。開院当初から、各診療科が京都帝国大学(当時)医学部の顧問教授の指導を直接受けるなどしてハイレベルな医療を提供し発展。第二次世界大戦による混乱を乗り越え1950年にベッド数188床で再開院すると、その後は順調に成長を重ねた。

2001年には現在の場所に新築移転。これを機にICU、CCU、SCU、NICUを整備するとともに、呼吸器、消化器、心臓、神経、腎泌尿器、糖尿病内分泌など専門領域ごとにセンター化を推進。また、大阪府がん診療拠点病院、地域医療支援病院、地域周産期母子医療センターなどの指定も受け、さまざまな分野で地域の基幹病院としての役割を果たしている。

地下3階、地上15階建ての建物は4階以上が半円形で、見通しの良い吹き抜け構造、太陽光や自然の風が取り込める病室、憩いの空間、見る人に元気を与える院内ギャラリーなど、患者の立場に立った施設づくりは、移転から約30年経ったいまも色あせていない。

財団法人から公益財団法人への移行は2011年。現在も臨床医学研究を重視しつつ、高度医療の提供、優秀な医療人の育成などに力を注いでいる。

2. DBSへの取り組みの経緯 神経内科主導で早期からDBSを推進
2005年より3科合同チームが活動

センター化の推進、病院の組織再編などを背景に、神経内科と脳神経外科が統合され「神経センター」が発足したのは2008年8月のこと。現在活動しているDBS診療チームは、この神経センターに神経精神科を加えた3科合同チームであるが、実は、発足はセンターよりもチームのほうが先である。

DBS(Deep Brain Stimulation:脳深部刺激療法)とは定位脳手術の1つで、"脳のペースメーカー治療"とも呼ばれ、脳に電極、胸に刺激装置を、これらを結ぶリード線とともに植え込み、脳の深い部分に弱い電流を流すことで、脳内に生じている異常信号を抑え症状を改善する治療法。一般には脳外科主体で行われる医療機関が多いが、北野病院では神経内科の初代部長、今井輝国先生の積極的な姿勢もあって神経内科が主導しており、この点は大きな特徴といえる。

「日本では以前からパーキンソン病の手術療法として、脳の一部を破壊する視床凝固術や淡蒼球凝固術が行われていましたが、当院では今井先生が率先してDBSを導入し、脳神経外科と協働する素地を築かれたのです。この活動は後に赴任した伊東秀文先生(現和歌山県立医科大学神経内科教授)などに引き継がれて発展を続け、神経内科が主導するDBS診療におけるチーム医療の歴史が刻まれてきました」と紹介するのは、DBS診療チームの現在のリーダーである斎木英資(ひでもと)副部長だ。

このDBS診療チームの活動は、2000年代半ばになってさらに活発化した。国立療養所宇多野病院(現独立行政法人国立病院機構宇多野病院)での研修医時代から、長年、定位脳手術に携わってきた斎木副部長が北野病院に赴任したのは2005年11月だが、その半年ほど前に、パーキンソン病・振戦・ジストニア・斜頸・書痙に対するDBSを専門とする戸田弘紀医師が脳神経外科副部長に着任、DBSの術前・術後における認知機能検査の重要性を提唱し、従来のチームに神経精神科のスタッフを加えた活動をスタートさせたのである。DBS診療を3科合同の活動に発展させるにあたっては、京都大学医学部精神科神経科のサポートを得たという。

現在のDBS診療チームは、神経内科、脳神経外科、神経精神科のベテラン医師と研修医、病棟看護師、外来看護師、臨床心理士などで構成されている。メンバーは定期的なチームカンファレンスを行い、新しく植え込み手術を受ける人、刺激の調整の必要な人、電池交換の時期にあたる人などについての患者情報の共有、DBS治療そのものに関する課題の共有や意見交換、最新機器やメーカー、薬物療法に関する情報共有などを行っている。

斎木 英資 神経内科副部長

3. DBS診療の流れ 「DBS外来」と手作り資料で情報提供
患者側の知識レベルを高めて診療の質をアップ

パーキンソン病に対するDBSには3種類あり、それぞれ視床(Vim核)、視床下核(STN)、淡蒼球内節(GPi)と電極を植え込む場所が違い、それにより抑制できる症状も異なる。現在は、オフ症状を軽くする、薬の調整と組み合わせて不随意運動を軽くする、という2つの特徴を持つSYN-DBSが主流だが、症状によってはほかの2つを用いることもある。たとえば、困っている症状が主にふるえである場合は視床のDBSが、同じく主な問題がジスキネジアと呼ばれる不随意運動である場合はGPi-DBSが選択されることがある。

北野病院でDBSを受ける人の大半は外部の医療機関からの紹介患者である。紹介元は関西の病院が主ではあるが、北陸や九州からの場合も珍しくない。外部医療機関と北野病院をつなぐ窓口である地域医療サービスセンターを介して来院する患者はすべて「DBS外来」に案内される。DBS外来は神経内科が開設している特殊外来で、受診できるのは紹介患者のみ。そして、その診療はすべて斎木副部長が担当する。

「初診時には、患者さん1人につき1時間半の枠をとって、ご本人や同伴されたご家族などからお話をお聞きします。ここにいらっしゃるのは、すでにパーキンソン病と診断され、どこかの医療機関で治療を受けておられる方々ばかりなので、症状や治療に関する問題点をお話しいただくだけで、どのDBSが適するか、どのくらいの効果が期待できるかなどがある程度判断できます。診察の最後には、メーカーが配布している冊子や、私が作成した資料をお渡しします」(斎木副部長)

斎木副部長が作成した資料とは、A4判32ページから成る詳細なもので、DBSがどのような治療で、どんな種類があり、どんな機器を用いるのか、また、手術の流れや所要時間、術後の日常生活の注意、効果とリスクなどがわかりやすくまとめられている。

たとえば「DBSとは?」をテーマとするページは2ページあり、「脳の病気で生じた異常信号を抑えるのがDBSの仕組みです」「DBSでは治療用の機器を手術で植え込みます」「DBSは根本治療ではなく、症状をよくする治療です」などといった、ポイントを押さえた小見出しが12本並び、それを読むだけでもおおまかな内容が伝わってくる。もちろんそれぞれの項目にくわしい説明がついている。

「DBSの植え込み手術について」「DBSの植え込み機器について」など、後に続くページも同様に、テーマごとにポイントを簡潔に伝える小見出しと平易な言葉で解説。最後の5ページはQ&Aにあて、「薬の治療とどちらがよいか?」「手術を受ければ働けるか」「薬代は減らせるか」といった質問に、正確かつ丁寧に回答している。

これらの資料を本人と家族などにしっかり読んでもらったうえで2回目のDBS外来を行う。その際には患者をサポートする家族や友人など関係者皆に集まってもらい、説明に1時間、質疑応答に30分を費やす。

「ここまでにDBSの対象からはずれず、患者さんも手術を希望された場合のみ、適応検討のための入院をしていただきます。つまり、入院される段階で、患者さん側はDBSについて十分な知識を身につけておられる。我々医療者との知識の差が縮まっているので、患者さん側は十分納得したうえで医療が受けられますし、その後の検査や、スタッフによる説明などがスムーズに進みます」と、斎木副部長が最初の段階で時間と労力を傾けることのメリットを説明する。

4. 適応検討入院 2週間かけてDBSへの適応を精査
認知機能など神経精神科での検査も重視

2回にわたるDBS外来の結果、斎木副部長が適応の可能性があると判断し、患者も手術を希望するケースは全体の3分の2程度だ。

「パーキンソン病は薬物療法など確立された治療法がある病気です。DBSはプラスαの治療であり、それによって暮らしやすくなるかどうかが大きなポイント。私たちは医学的な視点から良くなりそうな部分をお伝えできますが、患者さんがそれを求めるかどうかはまた別の話です。そうしたやりとりの中で、患者さんの気持ちが固まっていくのです」(斎木副部長)

適応検討入院は、2週間の日程で行われる。パーキンソン病の症状には日内変動があり、検査は状態の良い時間に行う必要があるため、これだけの入院期間を確保している。入院中は、斎木副部長らベテラン医師とともに、研修医たちも診療に加わる。5年目のシニアレジデント、橋本泰昌医師が言う。

「パーキンソン病患者さん、と一口に言ってもそれぞれ特徴があり、その方のライフスタイルによっても対応の仕方が変わってきます。当院のようにチームでかかわっていると、神経内科的な視点では見えない情報や意見を他科の医師、あるいは他の職種からもらうことができます。それによって治療方針をより患者さんに合った方向に修正していくことができるのは有意義だと感じています」

適応検討入院の2週間のうち、前半1週間は運動障害などの評価に、後半1週間は神経精神科での検査や試験にあてる。神経精神科では、診察、心理検査などにより患者の精神機能を見きわめる。

「DBSによる電気刺激が脳の運動をコントロールする部位だけでなく感情をコントロールする部位まで及んでしまうと、どうしても大なり小なり精神活動に影響が出てきます。特に認知機能が低下したり、うつ傾向が強まったりするのは問題で、DBSによって増悪しそうな症状については、特に術前にしっかり調べることが重要です」と言うのは、神経精神科のシニアレジデントである波多腰桃子医師だ。

実際の心理検査を担当するのは、吉岡千波臨床心理士。吉岡氏は、「精神科で一般に用いられているいくつかのテストを用いて、患者さんの言語や空間認識といった認知機能、不安やうつの状態などをくわしく調べます。患者さんには病棟から外来の心理検査室に移動してテストを受けていただきますが、1回1時間から1時間半かかるので、あまりご本人の負担にならないように配慮しながら進めていきます」と紹介する。検査によって性格的に突出した傾向があることがわかった場合などは、治療自体に大きく影響しないものでもチーム内で共有し、その後のケアに活かすという。

適応検査入院が終わると基本的に患者はいったん退院する。退院後は、神経内科、脳神経外科の外来で、手術の有用性とリスクを中心に説明を行い、最終的に手術を受けることを選択した患者は後日あらためて入院となる。ただし、遠方から紹介されてきた患者など、条件によっては入院中に説明や手術日程の相談まで済ませるケースもある。

橋本 泰昌 神経内科シニアレジデント

波多腰 桃子 神経精神科シニアレジデント

吉岡 千波 神経精神科臨床心理士

5. DBSの実際 神経内科と脳神経外科の協働で手術
患者指導では看護師が活躍

実際にDBSを受けるための入院には大きく2つのパターンがある。1つは、2週間程度入院して機器の植え込み手術をし、一定期間を置いてから再入院して電源を入れ、刺激を調整し、薬の調整も行うというパターン。もう1つは、機器の植え込み手術から、電源を入れて刺激の調整、薬の調整をするまでを1回の入院で済ませるパターンである。

前者のパターンは、電極の植え込み手術だけでかなり良くなったり、あるいは精神的に不安定になってしまったりするケースが対象だ。DBSで用いる電極は直径1.3mmほどと小さく、素材もしなやかだが、細胞レベルで考えると非常に大きい異物ともいえ、植え込むだけで少なからず脳の活動に影響を与える。そこで、手術そのものによる一時的な影響が大きい場合は、それが治まった頃にあらためて適正な刺激を与えるように調整する。反対にこの影響が少なければ1回の入院ですべてが済ませるというわけだ。この違いは年齢や重症度と関連するので、手術前にほぼどちらのパターンかがわかるという。

いずれのパターンの場合も、手術は神経内科と脳神経外科の連携のもとで行う。頭蓋骨に穴を開けて電極を移動させたりする作業は脳神経外科医、植え込み位置を最適にするために脳内の電気活動を確認し、試験刺激を与えて最も効果のある位置を確かめるのは神経内科医の役割だ。「言ってみれば、神経内科医は駐車場の案内係、脳神経外科医は車の運転手のようなもの。双方が協力することで最も良い駐車位置が決まるのです」といった、身近な例えを交えた斎木副部長の解説はとてもわかりやすく、医療の素人である患者に理解してもらうための工夫を重ねてきたことが伺える。

脳神経外科で戸田医師とともにDBS手術を数多く手がけている西田南海子副部長は、「私たちの役割は、良い電極を植えることに尽きます」と言い、「そのためにも事前の検討を綿密に行い、神経内科とコラボレーションして正確性を追求するのです」と連携の意義を強調。「3つの診療科、複数の職種で患者さんを支えているので、私たちは手術やメンテナンスなどピンポイントで力を発揮することができます。この辺りは、チームでかかわる体制が整っている当院の良さではないかと思います」と語る。

手術は、局所麻酔下で頭部の左右に電極を植え込むのに約4時間、全身麻酔下で胸部に刺激装置を植え込むのにさらに約4時間かかる。前半は神経内科と脳神経外科の協働、後半は脳神経外科単独での手術となる。順調であれば患者は翌日から食事などの日常生活が元通りできる。症状の改善が術中から見られるほど手術の効果は即時的だが、感染のリスクを回避する目的で、傷口がふさがるまでは入院による管理を続けるのが基本だ。

植え込み手術の術前術後とも、入院中は病棟看護師が患者のケアや指導にあたる。「適応検討入院の期間には、新しく入られた患者さんの様子をカンファレンスでチームのメンバーに伝えたり、気になることがあれば医師に相談したりします」と名倉愛実看護師。また、中野未奈美看護師は、「電極を植え込んだ後は、パンフレットなども使いながら電池のチェックの仕方など注意点を説明します。患者さんができていること、できていないことを病棟看護師皆で共有し、必要に応じてご家族を呼んで指導するといった対応もしています」と話す。

患者が退院した後は、こうした指導やサポートは外来看護師に引き継がれる。神経内科外来の梅垣順子看護師が、「DBS患者さんは、退院後しばらくは2~4週ごとに、その後は3~6カ月ごとに通院していただきますので、そのときに、何か日常生活に問題が生じていないかなどを確認し、アドバイスなどをさせていただきます。そのうえでドクターにつないだり、チームカンファレンスで報告したりもしています」と外来看護師の役割を紹介する。

斎木副部長は、「当院ではDBSについての説明やアドバイスなどまで幅広く看護師が補助してくれるので、その分私たち医師の負担が軽減でき、とても助かっています」と、看護師の活躍に感謝する。

植え込み手術後の医師の役割としては、脳神経外科での電池交換・メンテナンス、神経精神科での定期的な心理テスト、神経内科による刺激の調整などがある。「手術後、年単位の期間が経過した患者さんの中には、それまでの刺激では症状がうまくコントロールできなくなってくる方がいます。そういう場合は刺激を調整して、日常生活にあまり支障がない状態で暮らせる期間を少しでも延ばそうと頑張ります。私はそういった最後の踏ん張りのような場面に比較的多くかかわっています」と言うのは6年目のシニアレジデント、山本真義医師だ。こうしたケースでは、より良い調整方法を求めて文献などを調べるが、文献には載っていない、斎木副部長らが経験的に身につけた調整のコツのようなものが効果を発揮することも多いという。「こういうとき、当院の症例の豊富さを感じます」と山本医師は言う。

斎木副部長によれば、DBSによって使用する薬の量が術前の3分の2以下に減らせるのが理想だが、うまくいくと半分以下になることもある。また、DBSの手術後も病気は徐々に進行するが、オフ症状や薬の副作用による症状は、DBSを行っていない患者よりも明らかに軽い状態で経過するという。

西田 南海子 脳神経外科副部長

山本 真義 神経内科シニアレジデント

名倉 愛実・神経内科病棟看護師(左)と
中野 未奈美・神経内科病棟看護師

梅垣 順子 神経内科外来看護師

6. 啓発活動 全国の専門医を招聘し
「パーキンソン病市民講座」を開催

斎木副部長らDBS診療チームは、DBSを特に推奨しているわけではない。先にも触れた通り、薬による治療法がある中で、どうしてもDBSが必要と医療側がいえるケースは少ないからだ。ただし、適応によってはこの手術によって格段に生活しやすくなるケースが少なくないのは事実であり、そうした体験をした患者当人の話を聞いたことで、手術に前向きになる患者は多いという。

これまで多くの患者と交流してきた中で、斎木副部長がパーキンソン病患者や家族にとってとても大事だと思っていることは、良質の情報に数多く触れることだ。「少ない情報や偏った指導のもとでは最良の選択はできません。いろいろな治療法があること、その効果やリスクを正しく理解することで、自分にとって何が良いかを判断できるようになるのだと思います」と話し、その指南役として、口頭や資料による情報提供に努めている。

啓発という意味では、パーキンソン病患者だけに限らず、広く市民を対象とした無料講演会、「パーキンソン病市民講座」などにも取り組んでいる。「パーキンソン病に興味のある方々に正しい知識を持っていただくことは、患者さんにとって有用であるだけでなく、私たち医師にとっては説明が楽になるし、家族の負担が軽減されるなどいろいろな意味で役に立ちます。まさに知識は力です」と斎木副部長。北野病院主催のこの講座は2016年より年間2回のペースで、読売文化センターなどの協力を得て行っているが、1回200~300人の定員で毎回満席、かつキャンセルがほとんどない状況だ。サテライト会場を設けたほど盛況だった会もあり、関心の高さは想像以上という。

「私たちの世代の神経内科医は、大学や勤務先の枠を超えて仲がいい。それに、一般の方々に向けてしゃべるのが得意な仲間もたくさんいます」と笑う斎木副部長の人脈で全国から著名な医師を招聘するなど、講師陣の魅力も盛況の秘密の1つなのだろう。

7. 今後の課題・展望 患者のより良い予後を目指し
臨床研究機能を強化

3科合同で展開する北野病院のようなDBS診療チームは日本ではまだ稀と見られるが、斎木副部長は、「欧米ではこのかたちがスタンダードですし、私自身は、本来あるべき姿でパーキンソン病の治療に取り組むことができていると信じています」と語る。

こうしたチームによるシステマティックな診療は医師教育のうえでも有意義だ。2017年度から同院神経内科の研修医となりDBS診療チームに加わった3年目のシニアレジデントである岡佑和(ゆうわ)医師、平藤哲也医師は、「症状の軽い人から重い人まで、また適応検討の段階から実際の手術、その後のフォローまで、たくさんの患者さんにかかわらせていただきながら日々勉強しています」と声を揃える。「薬ではなかなか症状が改善できなかった患者さんがDBSで劇的に良くなったり、ご家族の負担が目に見えてやわらいだりするのをそばで見させていただくたびに、患者さんに合った治療を提供していくことの大切さを感じます」と岡医師。また、平藤医師は、「脳に関する仕事がしたくて神経内科を希望しました。これからもパーキンソン病はじめ症例豊富な北野病院で経験を重ねていきたいです」と話す。

充実したチーム医療を展開する中で、斎木副部長が今後の課題として挙げるのは、臨床研究の強化である。
「パーキンソン病の診療全体についても、DBSについても、皆で相談しながら研究計画を立てているところです。たとえば、認知機能、精神機能にマイナスの影響を与えるような要素をできる限り取り除くための取り組みを模索したい。それにはDBSの刺激のさらなる工夫、患者さんに対するより精密な評価などが必要だと考えています。また、看護の分野での研究も深めてほしいと思っています」

さらに、「いまいるスタッフのように、やる気とガッツのある仲間が増えるのも願いの1つ」と語り、チームの仲間が増えることに期待する。

「どんな病気であれ、治療することによって患者さんのQOLが向上し、同時に家族の負担が減り、家族が離職しないで済むことで納税状況や社会環境全体にプラスになるような良い循環が生まれるとよいと思います。私たちの取り組みがそうした循環の一助になればうれしいです」と語る斎木副部長をリーダーに、DBS診療チームはさらなる深化をめざしている。

岡 佑和・神経内科シニアレジデント(左)と
平藤 哲也・神経内科シニアレジデント

力を合わせてパーキンソン病治療に取り組むDBS診療チームの皆さん

KK-18-01-20971

サイトリニューアルに伴うログインについてのお知らせ

サイトリニューアルに伴い、ログイン用のIDをメールアドレスに変更いたしました。ログインできない場合はこちらのパスワード再設定画面で再設定いただくか、 こちらにお問い合わせください。

おすすめ情報

  • おすすめ情報は、協和キリンのウェブサイトにおける個人情報の取扱い方針に基づき、お客様が閲覧したページのアクセス情報を取得し、一定の条件に基づき自動的に表示しています。
    そのため、現在ご覧いただいているページの情報との関連性を示唆するものではございません。

くすり相談窓口

弊社は、日本製薬工業協会が提唱するくすり相談窓口の役割・使命に則り、くすりの適正使用情報をご提供しています。
弊社医薬品に関するお問い合わせは、下記の電話窓口で承っております。

フリーコール

0120-850-150

受付時間 9:00~17:30
(土・日・祝日および弊社休日
を除く)

※お電話の内容を正確に承るため、また、対応品質の維持・向上等のため通話を録音させていただいております。あらかじめご了承ください。

お問い合わせ