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一般財団法人 住友病院
[パーキンソン病 med.front]

2021年9月29日公開/2021年9月作成

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病院外観
  • ●院長:金倉 讓 先生
  • ●開設:1921年7月
  • ●所在地:大阪府大阪市北区中之島5-3-20

関西の脳神経内科を牽引するパイオニア
常時約700人のPD患者を主治医制で診療

鉱工業、金融、商社など多様な業種が集まる企業の集合体である住友グループが、社会貢献活動の一環として1921年に設立、2021年に100周年を迎えた住友病院。関西ではじめて独立した診療科となった脳神経内科の歴史もすでに半世紀を超え、きわめて稀な神経疾患からパーキンソン病(PD)のように比較的患者数の多い神経難病まで多様な症例を数多く診療している。また、脳の画像診断と病理対比、神経難病の遺伝子研究などにも早くから取り組むなど関西の脳神経内科を牽引し続けている。PD患者対象のリハビリテーションにも力を入れている。

1. 病院の概要 質の高い医療を提供し続け100周年
国内外で評価される都市型総合病院

宇高 不可思 特別顧問/臨床検査部長/検体検査精度管理室長

宇高 不可思
特別顧問/臨床検査部長/
検体検査精度管理室長

1921年に「大阪住友病院」として開設。1947年に財団法人となり、1959年に「住友病院」に名称変更。2000年に現在の中之島・土佐堀川沿いに移転し、2012年に「一般財団法人住友病院」になった。病床は段階的に増床され、現在は499床である。

「当院はいわゆる都市型の中規模急性期病院です。30の診療科を標榜する総合病院であり、診療科を超えた専門科からなる14の治療センターを有し、最新の医療設備を備えて、医療を通じた社会貢献に努めています。ベテラン医師の異動が比較的少なく、安定した組織で継続性のある医療を提供しやすいことも大きな特徴だと思います」と、脳神経内科の宇高不可思特別顧問が、同院の全体像を紹介する。

国内外での評価も高く、近年は、2019年(1,000病院)、2020年(1,500病院)、2021年(2,000病院)と3年連続で『Newsweek World's Best Hospital』として世界最高の病院の1つに選出された。また、国内の病院ランキングでも高い位置につけている。

病院外観は、川に面して曲線を生かした白いタワーでよく目立つ。外来ロビーは吹き抜けで開放感があり、テラスや屋上庭園を配するなどゆとりある造りも特徴的だ。

2. 脳神経内科 関西最古参の脳神経内科
医師9名体制であらゆる神経疾患に対応

西中 和人 脳神経内科診療主任部長

西中 和人
脳神経内科診療主任部長

脳神経内科の特徴として宇高特別顧問がまず挙げるのは、1つの診療科として独立したのが1969年と、関西で最も早かったことだ。「故宮崎元滋先生によって開設され、藤田真佐之先生に引き継がれた頃までは神経難病専門の科でしたが、87年に、京都大学医学部脳神経内科の初代教授としても知られる亀山正邦先生が院長に就任されてからは、きたるべき超高齢社会に備え、高齢者に多い神経疾患を中心に総合的に診療する"大きい脳神経内科"になりました」と言う。

同科で現在扱っている疾患としては、脳血管障害、認知症、パーキンソン病(PD)が3大疾患。PDは神経変性疾患の中で見てもアルツハイマー病の次に多い。このほかいろいろな神経難病、末梢神経障害、てんかん、内科的・外科的疾患に伴う合併症としての神経障害などすべてを診ている。

柴田 益成 脳神経内科診療部長/脳卒中・脳血管内治療室室長

柴田 益成
脳神経内科診療部長/
脳卒中・脳血管内治療室室長

西中和人脳神経内科診療主任部長も「歴史が長いことが当科の第一の特徴」と言い、「早くから多くの神経疾患の患者さんが集まってこられ、症例数もトップクラスとなっています」と、その先進性や規模の大きさ、幅広さを語る。患者の居住地も大阪府内だけでなく、兵庫県や奈良県まで広範だ。中には希少疾患の患者もいる。

「たとえば、脊髄小脳変性症との鑑別が難しいGSS(Gerstmann-Sträussler-Scheinkerdisease:ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病)の患者さんをこれまでに3家系、4名診察しているなど、通常はあまり出会わないまれな症例も多く経験しています。また、病理解剖にも積極的に取り組んでおり、CBD(Corticobasal Degeneration:大脳皮質基底核変性症)の病理診断は、当院で行ったのがおそらく日本ではじめてだと思います」と西中診療主任部長。「いまでも患者さんが亡くなったときには、必ず病理解剖のお話をさせていただいています」と、確定診断を重視する姿勢を語る。

続いて柴田益成診療部長が、同科の最近の動向も踏まえて次のように話す。

「当科では代々、著名な脳神経内科医が診療されてきました。亀山元院長も脳神経内科の草分け的存在で、『すべての神経疾患を診る』『最期まで診る』を、その方針とされていました。私たちも亀山先生に引っ張られ、特定の疾患に偏ることなく、こられる患者さんすべてを受け入れています。近年では、脳卒中の血管内治療のチームを立ち上げ、2021年4月には、脳卒中患者さんを24時間受け入れる体制を完備しました。また、電気生理検査に専門的に取り組むなど、高度で質の高い医療を提供すべく努力を重ねています」

ここでいう24時間体制とは脳神経内科のオンコール体制のことで、科内の医師が持ち回りで担当している。脳卒中の血管内治療のチームは、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、頸動脈ステント留置術、硬膜動静脈瘻に対する塞栓術、急性脳主幹動脈閉塞に対する再開通療法などを専門的に行っている。

現在、脳神経内科に所属する医師は、脳神経内科専門医9名、脳神経内科を志す医員・後期研修医3名の計12名である。医師の在職期間が長く、主治医制のため1人の患者を担当の医師が責任をもって継続的に診ていくのも特徴だ。主治医と患者の関係が20年以上続いているケースも少なくない。「教科書で身につけた知識を、自分の患者さんを通して、実感として学ぶことも多々あります。そうした経験を重ねることで疾患への理解も深まっていきます」と西中診療主任部長が言う。

「急性期病院の割に長くかかってくださっている患者さんが多いのは、主治医が慕われているからだと思います。信頼関係のうえに成り立つ本来の医療が実践できていると思います」と、宇高特別顧問も自信をのぞかせる。

なお、同科は日本神経学会、日本老年医学会、日本老年精神医学会、日本認知症学会専門医の認定施設になっており、これまでに100名以上の脳神経内科専門医を輩出している。

3. 電気生理検査 画像では診断できない末梢神経疾患を鑑別
年間約700件の検査を実施

田村 暁子 脳神経内科医長

田村 暁子
脳神経内科医長

電気生理検査は主に田村暁子同科医長が担当している。「顔や手足に生じる麻痺やしびれは、一般に脳の病気が原因と考えられがちですが、脊髄から末梢神経を経て筋に至る末梢経路の障害によって生じるものも多々あります。この場合は画像検査のみによる診断は困難で、神経伝導検査や筋電図といった電気生理検査が有用です。こうした検査を行うことで、障害部位や原因疾患が特定でき鑑別診断ができるほか、手術適応の有無、治療後の変化を見ることもできます。当院は日本臨床神経生理学会の認定施設として、電気生理検査を年間700件程度行っています」と田村医長が紹介する。

電気生理検査によって診断可能な末梢疾患には、たとえば、糖尿病やビタミンB12不足など代謝障害性の末梢神経障害、手根管症候群など手足の関節の圧迫による単神経麻痺、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や筋ジストロフィーといった神経筋難病などがある。つまり、内科系の疾患、整形外科的疾患、脳神経内科で扱う疾患などが含まれるわけで、田村医長は、「院内での診療科をこえた連携、近隣の開業医との連携が非常に重要。幸い、当院では院内外の連携がとてもうまくいっています」と言う。

4. PDの診断・治療 専門医による入念な診察と精密な画像検査
入院による診察、指導、各種手続きも併行

西中診療主任部長によれば、住友病院脳神経内科で現在診ているPD患者の数は、すでに特定疾患の申請を済ませている比較的重症の患者だけでも約500人。申請には至っていない軽症、中等症の患者を含めると常時700人前後を数えるという。同科の入院患者は年間約550人。このうち170人がPD患者である。

「当院を受診されるきっかけは、地域からの紹介がメインです。最近、歩き方がおかしいといった、かかりつけ患者さんの変化に気づいた開業医が、当科に紹介してくださるのが一般的です。こうした患者さんを迎える場合、初診では30分ほどの枠を確保し、病歴聴取や診察を、脳神経内科専門医が入念に行います。たとえば嗅覚の低下、便秘、睡眠障害などがないかの確認もしっかり行い、最も重要な運動障害をはじめ神経学的所見をすべて取り、他の疾患の可能性なども含めて診察します」(西中診療主任部長)

診察に加えて、必要に応じて画像検査を行う。CT、MRI、SPECT(脳血流シンチグラフィー)、ドパミントランスポーターシンチグラフィーなどの検査はすべて院内でできる。

診断後は定期的に通院してもらい、薬物療法をメインに継続的に治療を行う。糖尿病など合併症がある場合は、関連する診療科の医師と協力しながら治療する。軽症の場合は、開業医に管理を任せることもある。また、病状や患者の希望によっては早い段階でいったん入院してもらい、よりくわしい検査や複数の医師による診察、治療方針の決定、生活指導、リハビリテーション、特定疾患、介護保険、身体障がい者手帳などの申請手続きまで含めてさまざまなことを一気に進める。最初の入院期間は2週間~1カ月程度だ。オーダーメイド医療という観点からクリニカルパスはあえて作成せず、入院中のメニューは個別に作成している。

5. PDのリハビリテーション 自宅での日常生活や個性を考慮し
看護師とリハビリセラピストが個別に支援

PD治療の一環として、入院によるリハビリテーションにも力を入れている。脳神経内科の病棟では、床に飛び石のようなマークをしたり、ベッドからトイレまで線でつなげたりと、患者が歩きやすい工夫を施している。西中診療主任部長は、以前はよくここを患者と一緒に歩き、歩き方の指導をしたという。

現在は歩行指導も含めてリハビリセラピストによる個別の指導が行われる仕組みが整っている。その効果は高く患者にも好評で、リハビリがしたくて繰り返し入院を希望する人もいるという。PDのリハビリには、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)がそれぞれの立場でかかわっている。

PD患者が入院するのは7階の混合病棟で、外科、婦人科などを含む全60床中、脳神経内科の病床は20床ある。この大半をPD患者が占めており、病状は軽度から重度まで幅広い。

7F病棟には約30名の看護師が所属している。その責任者である木下朋子病棟看護師長は、「PD患者さんに対する病棟看護師の役割は、その患者さんがこれまでどのように暮らしてきて、何に対してどのように困っておられるのかを確認しながら、必要なサポートを行ったり、より生活しやすくする方法を一緒に考えたりすることです。患者さんの最も近くにいるのが看護師ですから、1日の中での症状の変化などもしっかり把握して医師と共有し、治療に生かすことができるようにしています。また、患者さんが転んだりすることがないように安全管理をするのも私たちの大切な役割です」と話す。

自宅での生活も考慮して支援するために、看護師は患者や家族の希望を聞き取ることはもちろん、担当のケアマネジャーなどとも日頃から情報交換しているという。

患者さんの日常生活動作にかかわるのが作業療法士(OT)です。「私たちは患者さんの日常生活動作にかかわることが多い職種です。リハビリ室での訓練だけでなく病室のベッドまわりや、病棟トイレ等の実生活の場で訓練をさせていただいています。そういった工夫をすることでご自宅に退院してからでも安全に日常生活を過ごしていただけるように努めています。また、生活環境はそれぞれ異なるので、個々の生活様式を考えて動作訓練や福祉用具についての情報提供をするように心がけています」と喜多OTは言う。こういったリハビリの評価や患者さんの動作についての情報は日々の会話や電子カルテを用いて他職種と情報交換しているという。

当院でPD患者にかかわるOTは4名で、それぞれ患者さんを担当している。「担当することで日々の状態変化に気づきやすく、より早く適切な治療や訓練が提供できます」と喜多OTは担当制のメリットを語る。

STは、話す力や嚥下機能のチェック、改善の支援を行っている。「声が続かなくなった、小さくなった、早口になったといった訴えが、PD患者さんには多いです。リハビリ室での発声練習でしっかりと声が出ても、日常生活では難しい、という声も多いためリハビリ時間以外にも声をかけ意識してもらうようにしています。また、口や喉の機能だけでなく、姿勢についてPTに、食事の際の箸やスプーンの選択をOTになど他のリハビリ職にも相談しながら全体的に改善していくようにしています」と話すのは中地めぐみSTだ。

STは現在、中地STを含めて3名いる。言葉を発することは、緊張するとより難しくなることから、3名は日頃から雑談をするなど、努めてリラックスできる雰囲気づくりをしているという。

OT、STと同様に、生活の改善を最終目的としつつも、直接的には個別の動作に着目し、その改善をサポートするのがPTである。16名のPTを代表して齋藤佐知子PTが、PD患者に対する取り組みを次のように紹介する。

「一口にPD患者さんといっても、症状の出方はさまざまです。姿勢や動き方にも個性があります。それらを捉えて分析し、筋肉の状態を把握しながら、バランスを考えて姿勢を修正し、体の働きを引き出していきます」

PTによる指導も患者担当制によるマンツーマンが基本だ。短くても1回20分、長い人は1時間継続して行う。リハビリスケジュールは患者の症状の日内変動に合わせる。運動はオンのときに行い、同時にオフのときの過ごし方も指導する。

病棟看護師とリハビリセラピストは病棟のスタッフステーションで毎日のように顔を合わせ、患者の様子について情報交換し、お互いの活動に生かしている。

6. 今後の課題・展望 地域連携を生かして末永くサポート
患者とじっくり向き合う姿勢を貫く

地域の先陣をきって脳神経内科を開設した住友病院では、以前から「神経内科の集い」と称して地域の関係者を集めた勉強会を行っている。最初は身近な有志の集まりだったが、いまでは阪神間や奈良の主だった病院も参加する大規模なものに成長した。

PD治療における地域連携としては、前述した紹介・逆紹介のほか、開業医を交えた研究会なども行っている。開業している脳神経内科専門医と、紹介のタイミングについてディスカッションをする機会などもある。病状が重度になり、通院が困難になって在宅で療養している患者については、在宅医療に取り組む開業医に任せる。この場合は地域連携室のソーシャルワーカーが窓口になり、多職種で支える体制づくりをサポートしている。

脳神経内科における診療やPD治療の将来を見据え、宇高特別顧問は、「高齢化がますます進む中、幅広い脳神経疾患に専門的に対応できる当科の役割はさらに重要性を増していくでしょう」と展望する。また、西中診療主任部長は、「これまで同様、専門医として患者さんとじっくり向き合い、新しい治療法も考慮しつつ最適な治療を提供できるよう心がけたいと思います」と語る。これが住友病院脳神経内科の一貫した姿勢であり、この姿勢がぶれないかぎり、これからも選ばれる脳神経内科であり続けるに違いない。

KKC-2021-00991-2

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