KYOWA KIRIN

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疾病の治療と臨床検査値
【総論】

1. 臨床検査の対象は"ひと"と"もの"に分かれる

健康がそこなわれ病気になると、身体はなんらかのサインを送って病気の存在を教えてくれます。これらのサインを調べる臨床検査の対象は、大きく2つに分けられます。つまり"ひと"を対象とするのか?"もの"を対象とするのか?です。
"ひと"を対象とする検査は、からだから発生する電気的情報を調べるものとして、心電図、筋電図、脳波などがあり、物理的情報としてとらえるものに脈波、体温、血圧などがあり、画像情報として得られるものに、レントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査などがあります。これらの検査情報は、体温や血圧以外に薬局で得られるものは少ないですね。
一方、"もの"を対象とする検査の材料は、患者さんから得られる尿、便、痰や血液、穿刺液、組織片などです。薬局の場合は、健康診断の結果やかかりつけのお医者さんを受診したときの"もの"の検査結果を患者さんから知らされ、その状況がわかるケースが多いようです。そこで、今回は"もの"を対象とした検査、つまり検体検査を中心にしてお話ししたいと思います。

2. 薬剤師が検査値を見るときに必要な3つの注意

①基準値( 正常値) は"検査法"によって、また"ひと"によって異なる

薬剤師が臨床検査値を見るときに、注意しなければならないポイントの1つ目は"基準値(正常値)"です。基準値は検査法によって異なるし、ひとによっても異なります。
検査法によって基準値が異なるものは沢山ありますが、例としてトリグリセリド(TG・中性脂肪)を見てみましょう。トリグリセリドの測定法には酵素法とアセチルアセトン法があり、酵素法の基準値は50~150mg/dLですが、アセチルアセトン法は65 ~170mg/dLと酵素法より高いのです。
ひとによって基準値が異なる例としては、たとえば"γ-GTP"があります。この値は、毎日お酒を飲むひとは高値を示しますので、その高値は"そのひとにとっての基準値(正常値)"です。
一度、職場検診を受けたときに、その他の肝機能検査は異常なかったのですが、γ‐GTP が高いだけで"アルコール性肝炎"の結果がついてきたのにはびっくりしました。その高値は私にとっては"正常値"なのですから。

②検査値は変動が大きい場合がある 

2つ目は"、検査値の変動"です。検査値は" 検査によっては変動が大きいものがある"ということです。
 たとえば、白血球数の基準値は年齢や状況によって異なります。新生児では1 万個以上、幼児は6 千~ 1 万1 千個、小児は6 千~ 1 万個、15 歳以上では4 千~ 9 千個/mm3 です。また、白血球は朝と夜、運動や入浴後、喫煙、ストレスで増加するので、基準値から少しはずれたくらいなら、それほど心配する必要はないのです。
血小板数は季節によっても、また検査した医療機関によってもかなり異なってきます。ですから、前の数値と違ったとしても、多少のずれなら気にすることはありません。血圧もけっこう変動がある検査値ですね。朝と夜では違いますし、夏と冬でも違いますし、緊張すると高く出ます。
筋肉の障害の程度を知ることができるCK(クレアチニンフォスフォキナーゼ)は、注射をした後や手術の後、激しい運動をした後、アルコール・鎮痛剤などの常習者では上昇することが知られていますし、肝機能の検査であるAST(GOT)やALT(GPT)も変動が大きい検査ですから、多少の違いは気にする必要がありません。

③くすりによって検査値が変わる場合がある 

3つ目は"検査値に対する薬剤干渉"です。つまり、投与されているくすりによって検査値が変わってしまうことがあるのです。たとえば実際は陽性だがくすりを飲んでいるために陰性に出たり、実際は陰性なのに陽性に出たりします。
尿糖の検査で試験紙を使う方法がありますが、ビタミン剤であるアスコルビン酸・パントテン酸カルシウム錠を服用しているときやC1000 などのビタミンC を含んだ食品を摂取している場合、本当は尿糖は陽性なのに偽陰性を示すことがあります。
消化管からの出血を調べるのに便潜血反応は有用な検査法ですが、鉄剤を服用していると疑陽性になる場合があります。これは吸収されないで糞便中に出た鉄が潜血反応を偽陽性にしてしまうからです。

3. 薬歴を書くときに検査値歴も作ろう

"薬歴"という言葉がまだない頃、私は病院に勤務していて入院患者さんの薬歴をつけていました。B4 版の用紙を横に使って、1 枚1 カ月分のくすりのグラフ薬歴を上半分につけ、下半分は検査値の記入欄にしました。肝機能検査、腎機能検査、血液検査等のルーチン検査の記入欄は固定し、その患者さんの疾病による検査はその下に自由に項目を起こして記入し経過を追いました。これは大変勉強になりましたし、役に立ちました。薬局薬剤師もやがてそういう思考が求められるでしょう。
どんぐり薬局では、ある患者さんと薬剤師が検査値のことでおしゃべりしたのがきっかけで、血圧やコレステロール、トリグリセリドなどの検査値の経過を把握しながら薬歴をつけることになりました。
患者さんは、自分の病気に対して真剣に対処していますので、実は自分の検査値をよく知っているのです。患者さんも賢くなってきました。私たちも臨床検査値の意味を学び、患者さんにより有用な情報を提供していきたいと思います。

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