KYOWA KIRIN

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第2回 統計の「ものさし」

  

クイッククイズ

 

今回の内容

 
 

統計で扱う4つのものさし(尺度)

 

計子先生

前回は研究にはいろいろな種類があり、知りたいこと(明らかにしたいこと)によって適切な研究デザインを選ぶことの必要性を説明したわね。
今回は研究を行う際に何を基準にとって評価するかについて紹介します。

新太郎くん

評価するための基準ですか?

計子先生

そうよ。たとえば、薬が効いた・効かなかった、血圧が○○mmHg下がったなど、ものを評価する'ものさし'のことで、それらを尺度というの。
これからその尺度について説明するわね。

解説【2-1】

統計で扱う4つの尺度。

冒頭のクイック・クイズ①の解答です。
グループに分けて評価 名義尺度 順序の概念なし
例)性別(女性と男性)、血液型(A・B・O・AB型)
順序尺度 順序の概念あり
例)著効→有効→不変→進行・増悪
飲食店評価の星(★→★★→★★★)
数値そのもので評価 間隔尺度 足し算・引き算ができる(差を見ることに意味がある
例)血圧、身長、コレステロール値、温度
比尺度 足し算・引き算・かけ算・割り算ができる(差や比/倍率を考えることに意味がある
例)血圧、身長、コレステロール値

新太郎くん

尺度ですか。その尺度にはどんな種類があるんですか?

計子先生

尺度には「名義尺度」、「順序尺度」、「間隔尺度」、「比尺度」の4種類あって、これらは大きく分けると2つに分類できるの。
グループに分けて評価するもの(「名義尺度」、「順序尺度」)と数値そのもので評価するもの(「間隔尺度」、「比尺度」)の2パターンよ。

名義尺度と順序尺度

計子先生

まず、グループに分けて評価するものを説明するわね。
「女性と男性」、「日本と外国」、「A型、B型、O型、AB型」のようにいくつかのグループに分かれて、なおかつそれらに順序の概念がないものを「名義尺度」というのよ。

新太郎くん

前回の「薬が効く/効かない」もそうでしょうか?

計子先生

そのとおり! 場合によっては「効く/効かない」のような「ある/なし」の2通りしかない尺度を、特に二値尺度という場合もあるわ。

新太郎くん

順序の概念がないっていうのが、イメージできないのですが...。

計子先生

「概念がない」は、確かにわかりづらいかもしれないわね。
順序の概念がはっきりしている「順序尺度」と対比させるとイメージしやすいかしら。
順序尺度は、薬の効果でも「著効」→「有効」→「不変」→「進行・増悪」などのように数段階で評価する場合などが当てはまるの。
たとえば、星の数でレストランの'格'を示す飲食店評価の星などもそうね。
名義尺度である血液型に序列はないけど、順序尺度には序列をつけることができるわ。

新太郎くん

なるほど。わかりました!

解説【2-2】

  • 名義尺度

    グループに分かれ、順序の概念なし
    例:性別(女性と男性)、血液型(A・B・O・AB型)」

    研究デザインの種類
  • 順序尺度

    グループに分かれ、順序の概念あり
    例:治療の効果(著効→有効→不変→進行・増悪) 、飲食店評価の星

間隔尺度と比尺度

計子先生

さて、残り2つの尺度(「間隔尺度」、「比尺度」)の説明をしましょう。これらは数値そのもので評価するものだったわね。血圧、身長、コレステロール値、温度などが該当するわ。

新太郎くん

たしかに血圧や身長は「150mmHg」、「170cm」などの数値ですね。
ところで、順序尺度である「著効」→「有効」→「不変」→「進行・増悪」を「著効(4点)」→「有効(3点)」→「不変(2点)」→「進行・増悪(1点)」と点数をつけて数値化できるのではないでしょうか?

計子先生

発想は良いけど、残念ながら数値化できないわ。
まず、間隔尺度として成り立つためには、「値の足し引きができる」ことが前提となるのよ。
たとえば血圧なら、「1ヵ月前は150mmHgで今日は130mmHgだから(150-130=)20mmHg下がった」という引き算ができるでしょ。
「150から130に下がった」と「100から80に下がった」は同じ20下がったという意味になるわ。でも、さきほどの「著効~増悪」の点数化はどうかしら?

新太郎くん

「著効」「有効」「不変」「進行・増悪」は全部1点づつ下がってます。

計子先生

その1点は、それぞれのどこの間でも同じ尺度といえるかしら?

新太郎くん

同じ1点でも意味が違いそうですね。

計子先生

そのとおり! 一見数値化されていても、「同じ間隔なら、どこでも同じ意味を持つ」数値でなければ、間隔尺度といえないわ。
さて、残りの比尺度について説明しましょう。
比尺度は「足し引き」だけでなく「かけ算・割り算ができる」ことも必要なのよ。
体重と温度を例にとりましょう。
「体重90kgの人は体重60kgの人より30kg重い」
「今日の気温が30℃で、昨日の気温が25℃の場合、今日は昨日より5℃高い」

新太郎くん

どちらも「値の足し引きができる」から間隔尺度ではないでしょうか?

計子先生

そうね。どちらも間隔尺度の条件は満たしているわね。
では、割り算...つまり両者の比をとってみてください。

新太郎くん

えーっと...、
「体重90kgの人は体重60kgの人の1.5倍(=90÷60)重い」
「今日の気温が30℃で、昨日の気温が25℃の場合、今日は昨日より1.2倍(=30÷25)高い」
体重の「1.5倍重い」は自然ですけど、気温を「1.2倍高い」とは言わないですね。

計子先生

そこが間隔尺度と比尺度の違いよ。割り算ができる体重は比尺度、割り算ができない温度は間隔尺度になるのよ。

新太郎くん

何となくはわかるのですが...。体重が割り算できて、温度が割り算できないのはなぜでしょうか?

計子先生

割り算できるかできないかは、「ゼロ点」がはっきりしているか否かで決まるのよ。
「ゼロ点がはっきりしている」とは、すなわち「マイナス値をとりえない」ということなの。
体重で0kg未満のマイナスの値はないでしょ? ところが温度は0℃以下のマイナスの値も実際あるから「〇〇倍」という表現では意味がなくなってしまうのよ。

新太郎くん

では、絶対温度で測れば、温度もマイナスにならないから比尺度になるんですか?

計子先生

確かに、絶対温度ならばマイナスの値がないし、割り算が可能なので比尺度になるわね。
ただし、日常生活で絶対温度が実用的といえるかしら??

解説【2-3】

  • 間隔尺度

    数値化して評価する基準で、足し算・引き算ができる(差を見ることに意味がある)
    例:血圧、身長、コレステロール値、温度

  • 比尺度

    数値化して評価する基準で、足し算・引き算
    かけ算・割り算ができる(差や比(倍率)を考えることに意味がある)
    例:血圧、身長、コレステロール値

4つのものさし(尺度)の重要性

新太郎くん

でも、どうして尺度を分類する必要があるんですか?

計子先生

それはね、尺度の種類によって統計手法が異なるからなの。数値化して評価する比尺度に、名義尺度に使う統計手法を使うことはできないのよ。特に有効→不変→悪化のような見かけ上、数値化したように見える順序尺度に、間隔尺度や比尺度に用いる統計手法を誤って使ってしまうことがあるので注意してね。

KK-16-08-15642

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