KYOWA KIRIN

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5-FU [よくある医薬品Q&A]

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よくあるお問い合わせ

  • 誤って5-FUを皮膚に付着させました。対処方法と症状は?

    Curranらの5-FUを皮膚に付着させた9例の報告によると、症状は皮膚の脱色と刺激感でした。多くの症例が無症状であり、刺激感も速やかに症状の消失を認めています。対処方法は速やかに付着部位を石鹸で洗浄すること以外行われていません1)

    [参考文献]
    1) Curran CF, et al. Oncol Nurs Forum 16 (4), 468 (1989) [015-456]

    2018/09更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUによる静脈炎に対する対策には、どのような方法がありますか?

    文献上、5-FUの静脈炎対策として報告されているのは、5-FU持続静注のバックにヒドロコルチゾン(50mg)を混合する方法1)、ケトプロフェン・ゲル(非ステロイド系消炎鎮痛剤)を投与腕の皮膚に塗布する方法2)です。
    抗癌剤の一般的な方法として以下のことがあります。

    1. 抗癌剤投与時
      注射速度の低下、濃度希釈が一般的な対策です。ステロイド3)、ヘパリン4,5)の併用、投与部位の温あん5)が有用であることを報告している例もありますが、確たるエビデンスはありません。
    2. 対症療法6,7)
      総説等に紹介されている方法を下記に例示します。
    • 注入速度を落とす。
    • 経口ステロイド剤で症状が緩和することがある。
    • 薬剤投与中に起こる急性の疼痛は静脈部位に氷片を当てることによって緩和しうる。
    • 静脈炎による疼痛が続くようであれば、その部位に毎日温湿布を貼付する。
    • 鎮痛剤が必要なこともある。
    • 中心静脈からの投与を考慮する。


    [参考文献]
    1) Arquette MA, et al.:Proc. ASCO 15, 541 (1996) (Abst.1758) [017-087]
    2) Berardi R, et al.:Am J Med 115, 415-417 (2003) [017-088]
    3) Ginopoulos P, et al.:Lung Cancer 23 (1), 31-37 (1999) [013-947]
    4) Thurlimann B, et al.:Ann Oncol 3 (4), 311-313 (1992) [015-329]
    5) Fornasiero A, et al.:Cancer Treat Rep 70 (5), 647-649 (1986) [015-330]
    6) 小川一誠監訳、癌の化学療法ハンドブック、メディカル・サイエンス・インタ-ナショナル、東京、1999、pp211-236
    7) 小川一誠監訳、癌の化学療法ハンドブック、メディカル・サイエンス・インタ-ナショナル、東京、1999、pp396-407

    2018/09更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUによる味覚障害の機序と対処法は?

    味覚障害の発生には、微量必須元素の一つである亜鉛の欠乏が関与することが知られています。5-FUは、その構造中の官能基が亜鉛とキレートし、水溶性の亜鉛錯体を形成します。その結果、尿中への亜鉛の排泄が亢進し、亜鉛欠乏を来すといわれています。
    対策としては、薬剤の減量、中止に加えて症例により亜鉛剤による内服治療や、亜鉛を多く含む食品を摂取するような食事指導も考慮します1)

    [参考文献]
    1) 冨田 寛:臨床と薬物療法 7 (3), 277-282 (1988) [011-354]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUの口内炎に対する対策には、どのような方法がありますか?

    以下に代表的な2つの方法を例示します。

    1:クライオセラピー
    口腔内を冷却することにより口腔内血管を収縮させ、抗悪性腫瘍剤が口腔粘膜に到達する量を減少させる方法で、抗悪性腫瘍剤投与5分前より投与後30分まで氷片を口腔内に含ませます1)

    2:アロプリノールでのうがい(適応外使用)
    この方法は、5-FU投与により口腔粘膜にフリーラジカルが生じ、これによる粘膜組織破壊とそれに続く炎症が起き、最終的に口内炎が発生するという考えに基づき、フリーラジカル発生の抑制剤としてアロプリノールを用いるものです。
    アロプリノールは、水に難溶なため、CMC-Naで懸濁液とし使用します。使用期間は、化学療法開始時より化学療法終了後約1週間です2)

    [参考文献]
    1) Mahood DJ, et al. : J Clin Oncol 9 (3), 449-452 (1991) [010-746]
    2) 吉田清一監修、がん化学療法の副作用対策、先端医学社、東京、1992、pp215-217

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUの色素沈着のメカニズム・対処方法は?

    5-FUによる色素沈着の機序は不明な点が多いですが、色素沈着を発現した症例の皮膚生検より、メラニン形成の増加によるものと推定されています1)
    色素沈着は手足、とくに手掌足蹠にびまん性に起こります。掌蹠の変化は皮膚炎の軽症型と考えられますが、爪の黒色化、口腔粘膜の色素沈着を高率に合併します2)
    色素沈着は化学療法を中止すれば、やがて消失します。医学的に色素沈着のために治療を中断する必要はありません3)
    また、色素沈着は日光にあたると増悪することから、日焼け止めクリ-ムの使用を勧め、日光に当たり過ぎないように注意することが大切とされます3)

    [参考文献]
    1) Cho KH, et al. : J Dermatol 15 (4), 342-346 (1988) [007-868]
    2) 吉田清一監修、がん化学療法の副作用対策-改訂版-、先端医学社、東京、1996、pp274-285
    3) 佐々木常雄監修、癌化学療法副作用対策のベストプラクティス、照林社、東京、2004、pp74

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

投与法・投与計画(用法・用量)

  • 5-FU軟膏の1回の塗布量は?

    55th PDR(米国医薬品情報集)によると、病巣面をカバーできるよう十分な量を塗布するとされ、使用文献では、厚めに塗布すると記載されています1)
    なお、一般的な抗腫瘍外用剤の標準的な塗布量は、患部100cm2につき1~2.5gとされています2)

    [参考文献]
    1) 石原和之:臨床皮膚科 25 (10), 995-1002 (1971) [002-106]
    2) 斉藤隆三:皮膚病診療 19 (増), 25-34 (1997) [015-998]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FU軟膏の皮膚がんに対する一般的な使用方法は?ODT療法とは?

    5-FU軟膏適量を1日1~2回、綿棒等を用いて正常皮膚に付かないように患部に塗布し、瘢痕治癒したら塗布を中止します。単純塗布でもよいですが、閉鎖密封療法(ODT)を行うことが望ましいとされています。
    潰瘍の形成や出血などが認められた場合には、5-FU軟膏の塗布を中止し適切な処置を行います。

    *ODT療法(occlusive dressing technique)とは、皮膚の病巣に外用薬を塗布し、その上にプラスチックフィルム(ラップ等)をかぶせて、周囲を絆創膏で固定し密封する方法です。薬剤の局所での効果を効率的にする目的で用いられます。ODT療法の特徴は、下記の通りです1)

    • 治療薬剤と病巣面の接触が密になる。
    • 軟膏が衣服やその他で擦り採られることがないため、無駄なく利用される。
    • 汗や皮脂の貯留が表皮の浸軟化に役立ち、薬剤の経皮吸収を増進する。
    • 密封することにより、血流の増加、温度の上昇のような有利な変化をもたらす。
    • 密封により角質層の水分量が増加し、経表皮性吸収の増大と毛嚢脂腺系の経皮吸収が促進される。

    [参考文献]
    1) 今日の皮膚外用剤、高野正彦著者、南山堂、東京、1981、pp626-632

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 消化器癌に対する少量シスプラチン+5-FU療法(Low-dose FP療法)の具体的投与方法は?

    医療機関により異なり、絶対的なものはありません。下記に例を示します。

    1. 投与例1 1)
    • 5-FU 320mg/m2の24時間点滴を中心静脈から28日間行う。
    • シスプラチン3.5mg/m2を生理食塩液500mLに混ぜ、中心静脈より2時間で投与する。週に5日間投与する。
    1. 投与例2 2)
    • 5-FU 160mg/m2/日を左手前腕に留置した埋没型中心静脈カテーテルより、携帯型ディスポーザブルポンプを用いて連日24時間持続静注する。
    • シスプラチン3mg/m2を生理食塩液に溶解し、毎週第1~5日に30分間で点滴静注する。4週投薬1週休薬を1コースとする。
    1. 投与例3 3)
    • 5-FU 300~500mg/日の持続静注を4~6週以上行う。
    • シスプラチン5~10mg/日を100mL生理食塩液に溶解して1時間で側管から注入する。週に5日間投与する。
    1. 投与例4 4)
    • 5-FU 300mg/m2/日を持続静注にて投与するかあるいは高カロリー輸液のバック中に溶解し、3週間持続投与する。
    • シスプラチン7mg/m2を100mL生理食塩液に溶解し、中心静脈カテーテルの側管より1~2時間かけて投与する。別ルートから投与する場合は500mLの生理食塩液に溶解し、1~2時間かけて点滴静注する。5日間連日投与し、2日間休薬で3週間投与する。

    以上を1クールとして2週間休薬後、上記スケジュールを繰返し、計2クール投与する。

    [参考文献]
    1) 八木橋厚仁,他 : 癌と化学療法 23(1), 63-67 (1996) [015-765]
    2) 辻 晃仁,他 : 癌と化学療法 26(7), 933-938 (1999) [015-462]
    3) 佐治重豊,他 : 癌と化学療法 24(13), 1892-1900 (1997) [016-928]
    4) 楢原啓之,他 : 癌と化学療法 25(7), 1021-1026 (1998) [015-463]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

特殊患者への投与

  • 肝障害のある患者への5-FUの用量調節は?

    5-FUは肝障害のある患者には慎重投与です。一般的には、血清ビリルビン>5.0mg/dLで中止、≦5.0mg/dLで減量の必要なしとされています1)
    5-FUを肝硬変合併患者に投与した報告によると、5-FUは半量2)、あるいは半量から開始し肝機能を見ながら通常用量へと変更されています3)。これらの報告では重篤な副作用は認められていません。
    投与に際しては、患者への注意深い観察と臨床検査値を頻回にモニターすることが望まれます。

    [参考文献]
    1) 吉田清一監修、がん化学療法の副作用対策-改訂版-、先端医学社、東京、1998、pp487-493
    2) 近藤 建,他:癌と化学療法 22 (12), 1839-1842 (1995) [015-475]
    3) 帆北修一,他:癌と化学療法 22 (3), 399-402 (1995) [015-476]

    2018/09 改訂
    KK-18-08-23195

  • 腎障害のある患者への5-FUの用量調節は?

    5-FUは腎障害のある患者には慎重投与です。
    5-FUは主に肝臓で代謝されるため、腎機能が著しく低下している患者でも一般に投与量を調節する必要はないとされています1)
    しかし、慢性腎不全患者3名に5-FU 600mg/m2を急速静注し、血中濃度を検討したところ、腎機能正常者に比べ高い血中濃度が得られたが、透析中に5-FUを急速静注することにより正常者とほぼ同等の血中濃度推移が得られたとの報告があります2)。従って、腎透析を受けていない腎障害患者では、腎機能正常者よりも高い薬物血中濃度が保たれ副作用が強くなる可能性は否定できず、注意する必要があります。
    また、クレアチニンクリアランス<30mL/minの時、5-FU投与量を75%以下に調節するとよいという指摘もあります3)
    投与に際しては、患者への注意深い観察と臨床検査値を頻回にモニターすることが望まれます。

    [参考文献]
    1) 吉田清一監修、がん化学療法の副作用対策-改訂版-、先端医学社、東京、1996、pp487-493
    2) 岡 秀男,他 : J Jpn Soc Cancer Ther 32(1),20-26 (1997) 【015-303】
    3) 太田和雄ら監修、癌化学療法の副作用対策、癌と化学療法社、東京、1986、pp45-58

    2018/09 追加
    KK-18-08-23195

相互作用

  • 5-FUとワルファリンカリウムとの相互作用の機序は?ワルファリンカリウムの投与量の調節方法は?

    相互作用の機序は諸説ありますが、5-FUによりワルファリンカリウムの代謝酵素であるCYP2C9の合成が阻害され、ワルファリンカリウムの効果が増強すると推察されているものがあります1,2)
    海外報告によると、併用により早ければ3日後、概ね2~4週間後にプロトロンビン時間の数倍~十数倍の延長が認められています1-5)。また、プロトロンビン時間の延長を認めずに消化管出血を見た報告もあります6)
    併用時にはプロトロンビン時間を密にモニターしながら、ワルファリンカリウムの減量、中止あるいは5-FUの中止を行いますが、調整方法は報告により異なります。Kolesarらは週1回のモニターを推奨しています7)。また、Chlebowskiらは投与開始3日目にワルファリンカリウムの用量調節を行い、用量が安定したら週1回モニターしながら、必要時ワルファリンカリウムの用量を調節しています6)
    Kolesarらによると、5-FUを併用した5例ではワルファリンカリウムを平均44%(18~74%)減量したとしています7)。Carabinoらは併用時にはワルファリンカリウムを20~70%減量する必要があり、また5-FU投与終了後30日以内はプロトロンビン時間を標準域に維持するため、逆にワルファリンカリウムを増量するとしています8)

    [参考文献]
    1) Brown MC:Chemotherapy 45 (5), 392-395 (1999) [016-005]
    2) Brown MC:Pharmacotherapy 17 (3), 631-633 (1997) [016-006]
    3) Aki Z, et al.:Am J Gastroenterol 95 (4), 1093-1094 (2000) [016-007]
    4) Wajima T, et al.:Am J Hematol 40 (3), 238 (1992) [012-719]
    5) Scarfe MA, et al.:Ann Pharmacother 28 (4), 464-467 (1994) [016-008]
    6) Chlebowski RT, et al.:Cancer Res 42 (11), 4827-4830 (1982) [003-954]
    7) Kolesar JM, et al.:Pharmacotherapy 19 (12), 1445-1449 (1999) [016-009]
    8) Carabino J, et al.:Am J Health Syst Pharm 59 (9), 875 (2002) [016-010]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUとフェニトインの相互作用の機序は?フェニトインの投与量の調節方法は?

    機序は明確ではありませんが、5-FUによりフェニトインの代謝酵素であるCYP2C9の合成が阻害され、フェニトインの血中濃度が上昇すると推察されているものがあります1,2)
    5-FU誘導体での事例も含めた国内外の報告によると、併用時のフェニトイン中毒(ふらつき、歩行困難、錯乱等)は、概ね併用1~6ヶ月後に認められています1-5)
    併用例の報告によると、フェニトイン血中濃度をモニターしながら、5-FUあるいは5-FU誘導体の適宜中断や減量とフェニトインの減量を行っています1-4)。併用時のフェニトインの用量は報告により異なりますが、併用前の1/3~2/3用量です2,4,5)。フェニトイン中毒発症後、フェニトインをカルバマゼピンに変更し、化学療法を継続している例もあります1)

    [参考文献]
    1) Konishi H, et al.:Ann Pharmacother 36 (5), 831-834 (2002) [016-011]
    2) Gilbar PJ, et al.:Ann Pharmacother 35 (11), 1367-1370 (2001) [016-012]
    3) 原田英昭,他:鳥取医誌 18 (2), 197-199 (1990) [011-131]
    4) 原 富英,他:九精神医 38 (1), 36-41 (1992) [009-857]
    5) Wakisaka S, et al.:Fukuoka Acta Med 81 (4), 192-196 (1990) [016-013]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

副作用・安全性

  • 誤って5-FUを皮膚に付着させました。対処方法と症状は?

    Curranらの5-FUを皮膚に付着させた9例の報告によると、症状は皮膚の脱色と刺激感でした。多くの症例が無症状であり、刺激感も速やかに症状の消失を認めています。対処方法は速やかに付着部位を石鹸で洗浄すること以外行われていません1)

    [参考文献]
    1) Curran CF, et al. Oncol Nurs Forum 16 (4), 468 (1989) [015-456]

    2018/09更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUによる静脈炎に対する対策には、どのような方法がありますか?

    文献上、5-FUの静脈炎対策として報告されているのは、5-FU持続静注のバックにヒドロコルチゾン(50mg)を混合する方法1)、ケトプロフェン・ゲル(非ステロイド系消炎鎮痛剤)を投与腕の皮膚に塗布する方法2)です。
    抗癌剤の一般的な方法として以下のことがあります。

    1. 抗癌剤投与時
      注射速度の低下、濃度希釈が一般的な対策です。ステロイド3)、ヘパリン4,5)の併用、投与部位の温あん5)が有用であることを報告している例もありますが、確たるエビデンスはありません。
    2. 対症療法6,7)
      総説等に紹介されている方法を下記に例示します。
    • 注入速度を落とす。
    • 経口ステロイド剤で症状が緩和することがある。
    • 薬剤投与中に起こる急性の疼痛は静脈部位に氷片を当てることによって緩和しうる。
    • 静脈炎による疼痛が続くようであれば、その部位に毎日温湿布を貼付する。
    • 鎮痛剤が必要なこともある。
    • 中心静脈からの投与を考慮する。


    [参考文献]
    1) Arquette MA, et al.:Proc. ASCO 15, 541 (1996) (Abst.1758) [017-087]
    2) Berardi R, et al.:Am J Med 115, 415-417 (2003) [017-088]
    3) Ginopoulos P, et al.:Lung Cancer 23 (1), 31-37 (1999) [013-947]
    4) Thurlimann B, et al.:Ann Oncol 3 (4), 311-313 (1992) [015-329]
    5) Fornasiero A, et al.:Cancer Treat Rep 70 (5), 647-649 (1986) [015-330]
    6) 小川一誠監訳、癌の化学療法ハンドブック、メディカル・サイエンス・インタ-ナショナル、東京、1999、pp211-236
    7) 小川一誠監訳、癌の化学療法ハンドブック、メディカル・サイエンス・インタ-ナショナル、東京、1999、pp396-407

    2018/09更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUによる白質脳症は、どのような症状ですか?また、投与中止後に回復しますか?

    5-FUによる白質脳症は大脳白質の萎縮、変性を伴う脳症で、初期症状として、歩行時のふらつき、言語障害、めまい、しびれ、傾眠傾向や異常行動、物忘れ等の精神症状の頻度が高くなります。経過中には昏睡~無動無言、昏迷~傾眠、せん妄等の意識障害、健忘、見当識障害、意味不明の言動、構音障害、動作緩慢、眼振、痙攣、振戦等の精神神経症状が見られることが多くなります1)
    投薬中止後も一定期間は進行しますが、その後改善傾向を示します。初発症状の段階で中止した場合には、ほぼ完全に回復することも少なくないとされます。しかし、重篤な後遺症を残すこともあり、重症例では死亡の転帰をとることもあります。対処方法はまず5-FUを中止し、例えば痙攣に対しては抗痙攣薬の投与等を行います1)

    [参考文献]
    1) 赤沢修吾ら編、癌化学療法時のemergency、先端医学社、東京、1998、pp123-144

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUによる味覚障害の機序と対処法は?

    味覚障害の発生には、微量必須元素の一つである亜鉛の欠乏が関与することが知られています。5-FUは、その構造中の官能基が亜鉛とキレートし、水溶性の亜鉛錯体を形成します。その結果、尿中への亜鉛の排泄が亢進し、亜鉛欠乏を来すといわれています。
    対策としては、薬剤の減量、中止に加えて症例により亜鉛剤による内服治療や、亜鉛を多く含む食品を摂取するような食事指導も考慮します1)

    [参考文献]
    1) 冨田 寛:臨床と薬物療法 7 (3), 277-282 (1988) [011-354]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUの口内炎に対する対策には、どのような方法がありますか?

    以下に代表的な2つの方法を例示します。

    1:クライオセラピー
    口腔内を冷却することにより口腔内血管を収縮させ、抗悪性腫瘍剤が口腔粘膜に到達する量を減少させる方法で、抗悪性腫瘍剤投与5分前より投与後30分まで氷片を口腔内に含ませます1)

    2:アロプリノールでのうがい(適応外使用)
    この方法は、5-FU投与により口腔粘膜にフリーラジカルが生じ、これによる粘膜組織破壊とそれに続く炎症が起き、最終的に口内炎が発生するという考えに基づき、フリーラジカル発生の抑制剤としてアロプリノールを用いるものです。
    アロプリノールは、水に難溶なため、CMC-Naで懸濁液とし使用します。使用期間は、化学療法開始時より化学療法終了後約1週間です2)

    [参考文献]
    1) Mahood DJ, et al. : J Clin Oncol 9 (3), 449-452 (1991) [010-746]
    2) 吉田清一監修、がん化学療法の副作用対策、先端医学社、東京、1992、pp215-217

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 重篤な下痢の処置方法は?

    海外で提唱されている、がん治療による下痢の治療に関するガイドラインによると、grade 3,4の重篤な下痢、または、中等度以上の腹痛などのリスク因子を有する場合に対しては、補液と抗生剤に加えて、オクトレオチド(持続性ソマトスタチンアナログ)100~150μgの1日3回連日皮下注射または25~50μg/h静注を初期投与量として投与することを推奨しています1)

    <参考>
    なお、CTCAE v4.0では、下痢の重症度(grade)は以下のように規定しています。
    Grade 3: ベースラインと比べて7回以上/日の排便回数増加、または、 便失禁、または、入院を要する、または、ベースラインと比べて人工肛門からの排泄量が高度に増加、または、身の回りの日常生活動作の制限
    Grade 4: 生命を脅かす、または、緊急処置を要す

    [参考文献]
    1) Benson AB, et al.:J Clin Oncol 22 (14), 2918-2926 (2004) [027-210]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUによる手足症候群とはどのようなものですか?

    5-FUによる手足症候群は手・足・爪を好発部位とし、軽度のものは紅斑、色素沈着に終わりますが、高度なものは疼痛性に発赤腫脹し、知覚過敏、歩行困難、物がつかめないなどの症状を訴えて水疱、びらんを形成します。やがて手掌足蹠は角化、落屑が著明になって亀裂を生ずるようになり、爪は著明な変形を残すこともあります。発現頻度は5-FUの投与方法に関与し、長時間の持続点滴法による発現率が高いとされます1)。また高い血中濃度が持続すると出現しやすいようですが、短期間投与で出ることもあり個人差も大きいとされます1)
    対策として軽度な皮膚変化では投与続行は可能ですが、剥脱性皮膚炎、疼痛を伴うようになれば一時的に中止もしくは減量します。局所はステロイド剤外用で2~3週にて軽快することが多いですが、ステロイド内服も有用です。またピリドキシン(ビタミンB6)投与が有用とする報告もあります2)

    [参考文献]
    1) Lokich JJ, et al. :Ann Intern Med 101, 798-800 (1984) [010-346]
    2) Fabian CJ, et al. :Invest N Drugs 8, 57-63 (1990) [010-179]

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

  • 5-FUの色素沈着のメカニズム・対処方法は?

    5-FUによる色素沈着の機序は不明な点が多いですが、色素沈着を発現した症例の皮膚生検より、メラニン形成の増加によるものと推定されています1)
    色素沈着は手足、とくに手掌足蹠にびまん性に起こります。掌蹠の変化は皮膚炎の軽症型と考えられますが、爪の黒色化、口腔粘膜の色素沈着を高率に合併します2)
    色素沈着は化学療法を中止すれば、やがて消失します。医学的に色素沈着のために治療を中断する必要はありません3)
    また、色素沈着は日光にあたると増悪することから、日焼け止めクリ-ムの使用を勧め、日光に当たり過ぎないように注意することが大切とされます3)

    [参考文献]
    1) Cho KH, et al. : J Dermatol 15 (4), 342-346 (1988) [007-868]
    2) 吉田清一監修、がん化学療法の副作用対策-改訂版-、先端医学社、東京、1996、pp274-285
    3) 佐々木常雄監修、癌化学療法副作用対策のベストプラクティス、照林社、東京、2004、pp74

    2018/09 更新
    KK-18-08-23195

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