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グラン[よくある医薬品Q&A]
用法及び用量(投与法・投与計画)
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がん化学療法による好中球減少症に対して、皮下投与と静脈内投与(点滴静注を含む)で用量設定が異なるのはなぜですか?
グランの国内Phase I試験において1.0μg/kgの30分点滴静注と0.5μg/kg、1.0μg/kgの皮下投与を検討した結果、皮下投与は、点滴静注と比較して血中濃度を長く維持し、好中球数増加効果は30分点滴静注の1/2~1/3の投与量で同等の効果を示すことが認められています1),2)。
このことから、皮下投与は静脈内投与(点滴静注を含む)の半量で用量設定されています。
[参考文献]
1) 東 純一,他:臨床医薬 5 (11), 2231-2252 (1989) [018-091]
2) 承認時評価資料2023年9月更新
MA-2023-225 -
抗がん剤の投与前後24時間以内にグランを投与してはいけない理由を教えてください。
グラン(G-CSF製剤)を抗がん剤と同時に投与すると、G-CSFによって分化・増殖過程に入った好中球系前駆細胞が抗がん剤によってより大きな障害を受け、逆に過度の好中球減少を起こす可能性があるためです。
G-CSF製剤を抗がん剤投与当日まで、もしくは同時に投与した例では、G-CSF製剤を投与しない、あるいは同時に投与しなかった場合に比べ、好中球減少が強く生じていることが報告されています1)。
[参考文献]
1) Meropol NJ, et al. : J Natl Cancer Inst 84 (15), 1201-1203 (1992) [018-310]2023年9月更新
MA-2023-225 -
がん化学療法による好中球減少症に対する投与期間に目安はありますか?
承認された用法及び用量上、投与期間の制限はなく、投与中止の基準は好中球数で規定されています。
添付文書には以下の記載があります。
7.用法及び用量に関連する注意
<がん化学療法による好中球減少症>
7.4 本剤の投与により、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3 に達した場合は投与を中止するが、好中球数が2,000/mm3以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、本剤に対する反応性から患者の安全が確保できると判断した場合には、本剤の減量あるいは中止を検討すること。2023年9月更新
MA-2023-225 -
皮下投与部位は揉んだほうがよいですか?
特に揉む必要はありません。
2023年9月更新
MA-2023-225 -
「静脈内投与の場合はできるだけ投与速度を遅くすること」と記載されているのはなぜですか?
G-CSF製剤の投与患者において、静脈内投与時にショック様症状を認めたために次回から点滴静注に変更したところ、同様の症状を認めなかったとの報告がある1)ことから設定されました。
ワンショット静注は避けて、できるだけ緩徐に投与し、投与後しばらくは患者の様子を観察して、血圧低下などのショック様症状が起こらないことを確認してください。
[参考文献]
1) 太田 健介,他: Int J Hematol 54(Suppl.1), 228-228 (1991) [018-307]2023年9月更新
MA-2023-225 -
輸液フィルターを使用してもよいですか?
輸液フィルターの使用はお勧めしておりません。
グランはタンパク製剤であり、輸液容器、ルート及びフィルターの材質により吸着することが報告されています1,2)。
[参考文献]
1) 矢後 和夫,他:病院薬学 24 (6), 697-703 (1998) [018-068]
2) 矢後 和夫,他:病院薬学 22 (4), 359-363 (1996) [018-067]2023年9月更新
MA-2023-225 -
放射線同時併用化学療法を行う際に、グランを投与してよいですか?
放射線を同時に併用して化学療法を行う際のグラン投与はお勧めできません。
G-CSF 適正使用ガイドライン 2022 年 10 月改訂 第 2 版では、がん薬物療法と同時に放射線療法を行う場合に,G-CSF の予防投与や治療投与を行わないことを弱く推奨するとされています 推奨の強さ:2(弱い) エビデンスの強さ:D(非常に弱い)1)。
[参考文献]
1) 日本癌治療学会 :G-CSF 適正使用ガイドライン 2022 年 10 月改訂 第 2 版, 180-183 (2022)2023年9月更新
MA-2023-225 -
ジーラスタを投与した後に、グランを追加投与してもいいですか?
NCCN Guideline (https://www.nccn.org/)のHematopoietic Growth Factors (Ver. 2.2023)「好中球減少の管理」において、「ペグフィルグラスチムの予防投与を受けた患者が発熱性好中球減少症を発症した場合のフィルグラスチムの治療投与を検討した研究は実施されていない。しかしながら好中球減少症の発生中もペグフィルグラスチムの濃度は高いことが薬物動態データから実証されており、G-CSFの追加投与は有益ではないと示唆されるが、好中球減少症が蔓延している患者ではG-CSFの追加投与を考慮してもよい。」と記載されています。 注)本剤の効能又は効果は「がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制」です。
2023年9月更新
MA-2023-225 -
経口抗がん剤の投薬中に、グランを投与しても良いですか?
経口、注射、いずれの抗がん剤の場合でも、抗がん剤投与前後24時間以内のグラン投与は避けてください。
グラン(G-CSF製剤)を抗がん剤と同時に投与すると、G-CSFによって分化・増殖過程に入った好中球系前駆細胞が抗がん剤によってより大きな障害を受け、逆に過度の好中球減少を起こす可能性があるためです。2023年9月更新
MA-2023-225
重要な基本的注意等
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ショック等を予測する方法はありますか?
添付文書には以下の記載があります。
8. 重大な基本的注意
<効能共通>
8.2 過敏症等の反応を予測するために、使用に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。[9.1.1、9.1.2、11.1.1参照]2023年9月更新
MA-2023-225
配合変化・安定性
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グランは他の注射剤と混和して投与してもよいですか?
グランを投与する場合は他剤との混注を行なわないようお願いします。なお、点滴静注に際しては、5%ブドウ糖注射液、生理食塩液等の輸液に混和してください。
添付文書には以下の記載があります。
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意 点滴静注に際しては、5%ブドウ糖注射液、生理食塩液等の輸液に混和する。また、本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。2023年9月更新
MA-2023-225
製剤学的事項
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グランシリンジにはどのような注射針を使用すればよいですか?
グランシリンジ専用の注射針はありません。
JIS規格に適合し医療機器認証のある注射針であれば使用可能です。2023年9月更新
MA-2023-225