ヒスロン[よくある医薬品Q&A]
用法及び用量(投与法・投与計画)
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ヒスロン錠は手術前に休薬する必要がありますか?
本剤の添付文書には手術前の休薬について記載はありません。
患者さんの状態、また以下の情報も参考に術前の休薬要否をご判断ください。
なお、休薬期間を検討した試験成績はありませんが、以下の情報から手術4週間前が一つの目安になると思われます。
術前には必ず血液凝固線溶系パラメーターに異常がないことを確認してください。また、血栓症のハイリスク症例の場合は投与しない、あるいはより休薬期間を長くとる等の対応をご検討ください。
<参考情報>
・MPA(Medroxyprogesterone Acetate; メドロキシプロゲステロン酢酸エステル)によって起こる血液凝固線溶系パラメーターの異常は概ね投与中止4週後に正常域に回復する1,2)。
・各種経口避妊薬の添付文書によると、これらの手術前4週以内の投与は禁忌である。
・低用量と高用量のMPAが凝固機能に及ぼす影響は本質的に異ならないとの指摘がある3)。
・凝固線溶系パラメーターが投与中止4週以降にも異常を示す例はある2,4)。
・MPAの血栓は血液凝固線溶系パラメーターの変動のみでは予測できないとの指摘がある1,5)。
・血栓症のリスクファクターが同定されている5)。
1) Yamamoto H, et al : Jpn J Cancer Res 82(4),420-425 (1991)
2) Abe O, et al : Surg Today 25(8),701-710 (1995)
3) Rosso R, et al : Proceeding Int. Symp. MPA,151 (1982)
4) 竹原和宏,他 : 産婦中四会誌 44(2),223-226 (1996)
5) 「血栓症と酢酸メドロキシプロゲステロン」協和醗酵、ファルマシア、アップジョン(1995年7月作成資料)2025年10月更新
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ヒスロン錠を手術後の患者に投与する場合、どのくらい休薬期間を設けたらよいですか?
本剤の添付文書には、禁忌や特定の背景を有する患者に関する注意として手術後の患者という記載はありません。
本剤による深部静脈血栓症等が報告されていること、有効成分はヒスロンH200と同成分であることから、ヒスロンH200の注意喚起*を参考に休薬期間をご検討ください。
*ヒスロンH200の注意喚起内容
禁忌:手術後1週間以内の患者
特定の背景を有する患者:手術後1ヵ月(4週間)以内の患者2025年10月更新
MA-2025-061
配合変化・安定性
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ヒスロン錠5を粉砕(半割)したときの安定性、崩壊・懸濁性及び経管投与チューブの通過性に関するデータはありますか?
以下のデータを取得しています。
注意:承認を受けていない用法に関する情報が含まれます。試験方法等が確立していない内容も含まれており、あくまでも記載されている試験方法で得られた結果を事実として提示するものです。医療従事者が臨床適用を検討する上での参考情報であって、加工等の可否を示すものではありません。なお、粉砕・半割した薬剤の体内動態、有効性、安全性は検討していません。2025年10月更新
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その他
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ヒスロン錠5をホルモン補充療法(HRT)で使用することがありますか?
本剤の効能又は効果に「ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy:HRT)」はありません。
日本女性医学会編集・監修の「ホルモン補充療法ガイドライン」には本剤が掲載されていることもあり、医師判断で処方される可能性があります。詳しいことは主治医にご確認ください。
https://www.jmwh.jp/pdf/HRTGL202409.pdf2025年10月更新
MA-2025-061