パタノール[よくある医薬品Q&A]
用法及び用量(投与法・投与計画)
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他の点眼剤も一緒に処方されている場合、投与順はどのようにしたらよいですか?
投与順序は医師の指示に従ってください。
特に医師から指示がない場合、パタノール点眼液0.1%は水性点眼液のため、投与順に決まりはないとされていますが、以下のようなことを考慮して点眼をするほうがより効果的との報告があります1,2)。- 先に点眼した液が後の点眼液によって洗い出される可能性があるため、より高い効果を期待する点眼剤を後に点眼します。
- 懸濁性点眼液は水に溶解しにくく吸収されにくいので後から点眼します。また油性点眼液及び眼軟膏は、水性点眼液をはじくため、後に点眼します。
- 点眼時に刺激を感じると涙液量が増えることがあり、点眼液が薄まることや結膜のうからの排出が速くなってしまう可能性があるため、涙液のpH(7.0~7.4)に近い点眼液を先に点眼する方が、眼内移行の効率はよいです。
なお、添付文書では「他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。」と注意喚起しています。
<参考>
パタノール点眼液0.1%は、pH約7.0、浸透圧比(生理食塩液に対する比)0.9~1.1です。
[参考文献]
1) 前田秀高:眼科ケア, 29-38 (2005) [017-684]
2) 遠藤睦,他 : 医薬ジャ-ナル , 36 (10), 2859-2864 (2000) [017-301]2025年10月更新
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配合変化・安定性
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開封後の使用期限は?
開封後の使用期限は設定されていません。
一般的に、開封後1ヶ月以上経過した点眼剤は安全性の面からその使用は推奨できない1)とされています。 開封後1ヶ月未満であっても浮遊物等の外観変化が確認された場合は使用を避けてください。
[参考文献]
1) 上田 倫子 : 月刊薬事, 36 (6), 1387-1397 (1994) [017-297]2025年10月更新
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使用後に遮光袋に入れ忘れてしまいました。問題はありませんか?
貯法が遮光、室温保存となっています。貯法外で保管された薬剤の使用は推奨できません。
<参考>製剤の各種条件下における安定性:苛酷試験1)
25℃、40%RH、可視光120万lx・h以上、紫外線200W・h/m2以上という条件下で透明ポリエチレン製容器に保存し、4週間安定性を検討した結果、オロパタジン塩酸塩の含量低下が認められたことにより遮光保存となりました。
[参考文献]
1) 社内資料2025年10月更新
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凍結してしまった製剤の安定性データはありますか?
以下のデータを取得しています。
注意:承認を受けていない用法に関する情報が含まれます。試験方法等が確立していない内容も含まれており、あくまでも記載されている試験方法で得られた結果を事実として提示するものです。医療従事者が臨床適用を検討する上での参考情報であって、加工等の可否を示すものではありません。2025年10月更新
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製剤学的事項
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pHや浸透圧は?
pHは約7.0、浸透圧比(生理食塩液に対する比)は0.9~1.1の点眼液です。
(添付文書 3. 組成・性状 3.2 製剤の性状 参照)2025年10月更新
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点眼時に刺激感はありますか?
承認時までの安全性評価症例803例中、眼痛(点眼に伴う刺激感)の副作用は17件(2.1%)に認められましたが、重症度はすべて軽度でした。
製造販売後調査(使用成績調査及び特定使用成績調査の累計)では3,512例中、眼刺激、眼痛の副作用がそれぞれ5例(0.14%)に認められましたが、重篤なものはありませんでした。2025年10月更新
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包装・取り扱い
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冷蔵庫で保管しても問題はありませんか?
貯法は遮光、室温保存(1~30℃)であり、冷蔵庫に入れても貯法の範囲内であれば特に問題ないと考えられます。冷凍庫への保存は、貯法から逸脱するため避けてください。
冷蔵庫に保存する場合、冷気の吹き出し口付近は凍結する可能性があるためご注意ください。
<参考>
製剤の各種条件下における安定性:長期保存試験1)
本剤の冷所保存条件下(4℃、35%RH、暗所)における長期保存試験結果では、168週後まで変化は認められませんでした。
[参考文献]
1) 社内資料2025年10月更新
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その他
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1本で何日使用できますか?
パタノール点眼液0.1%1本(5mL)の総滴数から、1日最大使用量(1回2滴、1日4回両眼に点眼)で計算すると約10日となります。
2025年10月更新
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コンタクトレンズを装着したままの点眼は可能ですか?
コンタクトレンズを装着したままの点眼はお奨めできません。
添付文書の「14. 適用上の注意 14.1 薬剤交付時の注意」には、「本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、10分以上経過後装用すること」と記載しています。
ソフトコンタクトレンズへの吸着に関する注意喚起ですが、安全性を考慮してコンタクトレンズの種類(ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ、1日使い捨てタイプ等)に関わらず、コンタクトレンズをはずしてから点眼することをお奨めします。
<参考>
ガイドライン1)では、「コンタクトレンズ装用者は、花粉飛散時期には可能な限りコンタクトレンズの装用を中止し、メガネに切り替えることがACD(アレルギー性結膜疾患)を悪化させない点からも有用である。」としています。
[参考文献]
1) 公益社団法人日本眼科学会:アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第3版)2025年10月更新
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使用時に容器を振る必要はありますか?
水性点眼液のため、使用時に容器を振る必要はありません。
2025年10月更新
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