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副甲状腺癌における高カルシウム血症、副甲状腺摘出術不能または術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症とは

副甲状腺癌、原発性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺からホルモンが過剰に分泌され、血液中のカルシウム濃度が必要以上に上昇する「高カルシウム血症」を発症することがあります。

高カルシウム血症の原因と病態

副甲状腺と副甲状腺ホルモン(PTH)の働き

「高カルシウム血症」という病気の発症と密接に関わっているのが副甲状腺です。
副甲状腺は、甲状腺の裏側にある米粒大の臓器で、通常左右の上下に計4つ存在し、副甲状腺ホルモン(PTH)の合成・分泌をしています。副甲状腺から分泌されるPTHは、骨と腎臓に働き、血液中のカルシウム濃度を調節する重要な役割を担っています。

副甲状腺癌

副甲状腺癌は、発生のメカニズムが未だ明らかになっていない稀な悪性腫瘍です。次項で説明する原発性副甲状腺機能亢進症の1~5%程度で副甲状腺癌が原因であるといわれています。男女差はなく、好発年齢は40~60歳です。副甲状腺癌による特有の症状はなく、PTHの過剰分泌による症状、高度な高カルシウム血症(12~14mg/dL以上が多い)による症状が見られます。副甲状腺癌においては、高カルシウム血症とその合併症が死因のほとんどであり、高カルシウム血症に対する治療が、癌に対する治療と同様に重要になります。

原発性副甲状腺機能亢進症

原発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺そのものの異常により過剰にPTHが分泌されている状態です。主な症状は、血液中のカルシウム濃度が上昇する「高カルシウム血症」で、有病率は一般成人の約0.1%、50~60代女性の発症頻度が高いとされています。原発性副甲状腺機能亢進症の原因の大部分(80%以上)は通常4つある副甲状腺の1つが腫大した腺腫(良性の腫瘍)、1~5%がすべての副甲状腺が異常を来した過形成、15%が副甲状腺癌といわれています。

(参考)
平田結喜緒 監修:副甲状腺・骨代謝疾患診療マニュアル. 診断と治療社, 東京, 2013. p.46.

原発性副甲状腺機能亢進症は、発見の契機によって3つの病型に分類されます。

  • 骨型・・・ 線維性骨炎の骨病変が主体

  • 腎型・・・ 高カルシウム血症による多尿や尿路結石など腎泌尿器症状が主体

  • 化学型・・・ 血液検査の異常(高カルシウム血症)のみで無症状

血液検査の進歩・普及により原発性副甲状腺機能亢進症の診断頻度は増加しましたが、その多くは自覚症状を伴わない「化学型」です。自覚症状を伴わない「化学型」であっても、過剰に分泌されたPTHの作用で骨からカルシウムが溶け出し、「骨型」と同様、骨密度が低下することが指摘されています。

高カルシウム血症の症状

「高カルシウム血症」は、軽度(血清補正カルシウム値12mg/dL未満)であれば自覚症状はほとんどないか、あっても軽いものですが、中等度の血清カルシウム値の上昇(血清補正カルシウム値12-14mg/dL)では、多尿、多飲、食欲不振、悪心、便秘の症状を呈することがあります。さらに進行した高度のカルシウム血症(血清補正カルシウム値15mg/dL以上)や腎不全の場合は、筋力低下、集中力低下、傾眠、昏睡など意識障害を伴った生命に関わる状態になり、緊急を要することがあります。

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