生体内で重要な働きをもつ「ミネラル」
「ミネラル」は私たちの体に欠かせない五大栄養素のうちのひとつで、生きていく上で必要なあらゆる生理作用にかかわっています。透析患者さんでは、腎機能低下によりミネラル代謝とホルモンバランスが崩れた状態にあります。
リンとカルシウムの管理
ミネラルバランスの維持において重要な役割を担っているのが腎臓です。腎臓には、カルシウムやリンなどのミネラルを必要に応じて排泄したり補ったりする機能がありますが、透析患者さんでは、この機能が低下しています。そのため、体内のミネラル代謝とホルモンバランスが崩れ、「低カルシウム血症」や「高リン血症」、さらに病態が進行し「二次性副甲状腺機能亢進症」を発症します。
透析患者さんにおける高リン血症そして二次性副甲状腺機能亢進症をいかに改善するか、それは「リンとカルシウムのコントロール」と「過剰なPTH値の低下」によって可能となります。
近年、ミネラル代謝とホルモンバランスの改善が、骨疾患だけでなく、生命予後に大きく影響するとして治療環境は大きく進歩しました。ミネラル代謝とホルモンバランスの改善には、透析療法、食事療法、薬物療法の3つを組み合わせ、予防・治療することが大切です。
透析療法 | 十分な透析によってできる限り体内のリンを除去します。 |
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食事療法 | リンを多く含む食事を控えます。 |
薬物療法 | PTHを抑える薬(カルシウム受容体作動薬、ビタミンD3製剤)を使用します。 体内にリンを吸着させない薬(リン吸着薬)を服用します。 |
KK-18-06-22553(1904)