生成AIは医師の優秀な助手になれるのか
本シリーズでは医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に寄せられた疑問、生の声をもとに、今後の働き方について考えるためにお役に立つ情報をご紹介します。生成AIを医療の現場で活用することへの期待と現時点での課題についてポイントを絞って解説します。
ChatGPTをはじめとする生成AIなど、ここ最近の人工知能(AI)の発達はすごいものがあります。
医療業界への適用も話題に上がります。
働き方改革が叫ばれる昨今、むしろ使いこなすことによって自分の仕事が楽になる可能性も高いのではないかと、期待感のほうが大きいです。
みなさんは今の自分が行っている仕事が人工知能によって楽になると思いますか?
医療分野で生成AIは何ができて、何が懸念事項なのか
2019年から施行された「働き方改革関連法」ですが、いよいよ2024年度からは医師に対しても勤務時間に上限規制がかかるなど長時間労働を見直す動きが加速しています。厚生労働省は「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」内で、医療・介護分野でのAI開発や利活用を加速するための議論を進めており1)、医療従事者の生産性の向上につながるAIの登場に期待が寄せられています。なかでも急激に普及が進むChatGPTをはじめとする生成AIへ注目が集まっています。
膨大なデータを学習し分析する点では従来のAIも同様の働きをしますが、生成AIは学習したデータに基づき、そこから新たにテキストや画像、音声などのコンテンツをゼロから生み出す能力を備えており、プログラムなどの専門的な知識がなくても、簡単に利用することができます2)。ただし、医療機器プログラムはあくまでも支援ツールに過ぎず、判断は医師がしなければなりません3)。また、個人情報保護法、知的財産権などのAIガバナンスの観点からも4)、現段階では生成AIを実臨床のサポートとして活用することはされておらず、研究段階にあるというのが実情です。ただ、生成AIは論文情報の収集や要約など、自己研鑽などのサポートとして利用する動きが始まっています5)。
KKC-2023-00952-1
2023年12月公開
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2023年12月公開
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