迫る働き方改革 時間外労働で注意すべきポイント
本シリーズでは医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に寄せられた疑問、生の声をもとに、今後の働き方について考えるためにお役に立つ情報をご紹介します。2024年4月から医師の時間外労働に上限が設けられます。どのような点に気をつける必要があるのか、ポイントを絞って解説します。
2024年より始動する医師の働き方改革。
皆さんの病院ではいかがでしょうか?
医療機関における時間外労働の上限は? A水準か特例水準か
「労働基準法の一部を改正する法律」が、2008年12月に公布され1)、2010年4月から改正労働基準法が施行されました。改正の主たる内容は「長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するとともに仕事と生活の調和がとれた社会を実現する」というものです。
ただし、医師など一部の業種に対しては勤務形態の特殊性を考慮し、勤務時間の上限規制の適用が猶予されていましたが、2024年からは医師の働き方改革がスタートします。原則として医療機関は医師の時間外労働を年960時間/月100時間未満とする必要があります(A水準)。
一方で、他院と兼業することで長時間労働となる、地域医療確保のためA水準を超えた業務が必要となる(B水準)、研修や長時間修練が必要な技能修得のため長時間労働になる(C水準)などの指定事由に関する業務が発生する医療機関においては、都道府県知事の指定を受けることにより、特例が認められ、時間外労働の上限が最大で年1,860時間/月100時間未満まで緩和されますが、指定を受けた医療機関であっても、その医療機関に所属するすべての医師に同水準が適用されるわけではありません。特例水準に指定された事由となった業務に従事する医師のみに適用されます。また、下図の連携B基準については2035年をめどに終了することが決められています。
雇用主である医療機関としては、積極的に業務の効率化を進め、医師の業務時間を減らすことが求められています。
KKC-2023-00953-1
2023年12月公開
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