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いいそらヒフ科クリニック
[乾癬治療最前線~患者とともに歩む~]

2022年12月28日公開/2022年12月作成

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  • ●院長:佐藤 俊宏 先生
  • ●開設:2016年
  • ●所在地:大分県大分市東大道1-8-15 カサベルデ駅南2階

全身病であることを強く意識し、
専門性の高い治療に取り組む

いいそらヒフ科クリニックは、皮膚疾患全般に対応するプライマリ・ケアの役割を担いつつ、日本皮膚科学会乾癬生物学的製剤使用承認施設として乾癬治療に熱心に取り組み、大分県内全域から患者を受け入れている。近年は、皮膚科でありながら減量サポートなど生活習慣病のコントロールにも注力する。

1. 地域における役割 プライマリ・ケアを担いつつ
美容など地域のニーズも満たす

佐藤 俊宏 院長

佐藤 俊宏 院長

再開発された街の中心部にある大分駅から徒歩5分の利便性がよい場所に立地する「いいそらヒフ科クリニック」は、大分県立病院皮膚科部長を務めていた佐藤俊宏院長が専門性の高い皮膚科診療を目指して2016年に開院した。

同クリニックは、皮膚疾患全般に対応するほか、特定分野の診療にも積極的に取り組んでいる。例えば、佐藤院長は勤務医時代から皮膚外科の手術を得意としていたことから、手術室には腫瘍切除に適した炭酸ガスレーザー装置を備えており、局所麻酔下にてアテローム、脂肪腫、ほくろなどの良性腫瘍をはじめ、悪性腫瘍(基底細胞がん)の治療も行っている。

美容皮膚科の診療環境も充実しており、ヤグレーザー、Qスイッチルビーレーザー、フォトフェイシャルといった治療機器を揃えて、肝斑、アザ、シミ、シワ、ニキビ痕、くすみ、赤ら顔といった肌のトラブルや悩みにも対応する。近年はアートメイク(皮膚の浅い層に医療用針を用いて色素を染色する施術)などの最新美容術も導入し、大都市圏と遜色のない美容医療を提供している。

こうした分野に加え、小児皮膚科を標榜していることもあり、患者層は若年者・中高年者が主流で駅前の商業地域で働く会社員も多いという。

2. 治療方針 すべての選択肢を提示したうえで
最善の方法を話し合って決める

さまざまな皮膚疾患の中で特に注力しているのが「乾癬治療」だ。佐藤院長はクリニックを開院する際、乾癬患者が通いやすいことを第一に考え、利便性のよい駅前の物件を中心に探したという。そして、同じ建物内にリウマチ内科が入っていたことが決め手となり、現在地で開院した。

実は、佐藤院長自身、幼少期に乾癬を発症し、闘ってきた経験を持つ。そのため、「私が医学生の頃は効果的な治療法がなく、自分の病気も治っていないのに皮膚科医になっていいものかと悩みました」と打ち明ける。しかし、現在は「患者になってみなければわからないことがある」と、自身の患者体験を踏まえて乾癬患者に寄り添った治療を行っている。

こうした姿勢が患者の共感と評判を呼び、クチコミを中心に県内各地から多くの乾癬患者が訪れる。また、他の医療機関(内科)や保険薬局から紹介されて来院する患者も少なくないという。現在、定期的に通院する乾癬患者は約500名。乾癬性関節炎の患者も多く、そのような患者は同じ建物にあるリウマチ内科と連携しながら治療を行っていく。

「乾癬の診療にあたっては、正しく診断することに努め、症状によって効果が高く副作用の少ない治療の提供を心がけています。また、治療選択の際にはその人に提供可能なすべての方法を提示しています。そのうえで患者さん本人の希望や日常生活における優先順位も考慮しながら、話し合って治療法を決定します」と佐藤院長は診療方針について語る。例えば、治療費をかけられない人には内服薬を中心とした薬物療法を実施したり、通院に時間が取れない人は通院頻度の高い光線療法ではなく薬物療法を優先するようにしている。

3. 治療の特徴 大学病院と緊密に連携しながら
生物学的製剤の維持療法に対応

また、同クリニックは日本皮膚科学会から生物学的製剤承認施設の認可を受けており、皮膚症状や関節症状が重い症例にも迅速に対応することが可能だ。生物学的製剤による乾癬治療を行える診療所は全国でも数少なく、大分県内では同クリニックを含め2カ所に止まる。「勤務医時代から乾癬治療に積極的に取り組んできたことに加えて、患者さんが選択し得るすべての治療法を提示したいという思いから承認施設の認可を受けました」と佐藤院長は説明する。

診療所が生物学的製剤による治療を行う場合は、地域の基幹病院との連携が必要になる。適応となる患者は大分大学医学部附属病院皮膚科に紹介し、生物学的製剤を導入後、同クリニックで維持療法を継続する。反対に大学から患者の紹介を受けることもある。「自宅からアクセスのいいクリニックを希望する患者さんの継続治療を大学病院側から依頼されることもあります」と佐藤院長。2022年4月現在、同クリニックで生物学的製剤による治療を行っている乾癬患者は25名になった。

このように生物学的製剤治療の患者数が増えてきていることもあり、佐藤院長は自己注射の指導トレーニングなどスタッフ教育にも力を入れている。また、スタッフの自主性を尊重し、治療やケアに関する提案はできる限り受け入れ、実現できるように診療体制を整える。「医療者として働きがいのある職場にすることが重要だと考えています。それは看護師をはじめ、スタッフのモチベーションを高めることにつながり、ひいては患者さんのQOL向上に役立つからです」と佐藤院長は語る。

4. 乾癬患者への貢献 患者団体の活動にも取り組み、
最新の治療情報を提供し続ける

一方、佐藤院長は「大分乾癬友の会(華の会)」のメンバーとして患者団体の活動にも熱心に取り組んでいる。「2003年の発足にあたり、私が乾癬患者だということを聞きつけた何人かの患者さんが、当時勤務していた大分県立病院まで訪ねてきて手伝ってほしいと頼まれました。以来、サポート医として患者さんの相談に乗るほか、ホームページや会報誌を作成したり講演会を企画したりと"縁の下の力持ち"的に活動してきました」と佐藤院長は経緯を説明する。

患者団体の活動を始めた2000年代前半、乾癬はコントロールするのが難しく、一般に知られていない病気であったため、患者の多くが疾患啓発を含め治療や生活に関するさまざまな情報を求めていた。そこで、佐藤院長たちは会報誌を中心に有益な情報を提供することに努めた。さらに、2010年に生物学的製剤が登場すると、この治療について詳しく知りたいという患者の声が多くあったので、佐藤院長のネットワークを生かし、専門医による講演会を定期的に開催した。

「当初、大分における患者団体の重要な役割は情報提供でした。しかし近年、生物学的製剤をはじめ乾癬に適応のある内服薬や外用配合剤などが登場し、乾癬がコントロールできるようになって情報も十分に行き渡るようになった今、患者さんが参加するメリットがだんだんと少なくなってきたように感じています」と佐藤院長は患者団体の活動が岐路に立たされていることを打ち明ける。ここ数年、会員数は60名前後を推移しており、活動内容の見直しが迫られているようだ。

コロナ禍により対面での活動が制限されてオンラインでの活動が主となる中、佐藤院長は会員の要望を聞き取ったり一般の乾癬患者のニーズも探ったりしながら次なる患者団体のあり方を模索している。

5. 今後の展望 生活習慣病のコントロールを重視し
栄養・運動指導など減量をサポート

「乾癬は肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、痛風などの生活習慣病と合併しやすく、心筋梗塞のリスクファクターでもあります。皮膚疾患は命にかかわるものではないという医療者もいますが、乾癬は皮膚だけではない、ときには命にもかかわる全身の病気なのです。そのことをよく踏まえ、皮膚科医であっても生活習慣病のコントロールにも注力していきたい」と佐藤院長は抱負を語る。

近年は減量サポートに熱心に取り組み、外来診療の際には患者の体重を測定し、肥満者には看護師が中心となって栄養指導や運動指導を行っている。佐藤院長は「クリニックのほうがきめ細かくサポートできるメリットがあります」と意欲的だ。

県内全域から乾癬患者を受け入れ、患者団体の活動を含め、忙しい毎日を送っているが、その原動力となっているのが乾癬に苦しんでいた頃の記憶だ。「最善の治療を提供し、自分と同じ経験や思いをする患者さんを一人でも減らしたい――」。この信念を胸に秘め、佐藤院長は今日も乾癬患者に真摯に向き合っている。

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乾癬治療最前線

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